運が悪かった・・・1.3世界戦秘話 |
小堀佑介選手(角海老宝石ジム)は指名挑戦者モセス選手に完敗
しました。
勝負に「たら・れば」はない、といいます
このことはよくわかっているつもりですが、思い返してみると「実力」以外
の「運」の部分で見放されていたことを痛切に感じています。
たとえば試合について
実はモセス選手は8回、右アッパーを繰り出した際に右拳を痛めてい
ました。
試合翌日、成田空港に送る際、モセス選手の右手には包帯が厚く巻かれて
いました。
ビデオを見てみればわかりますが、9回以降はほとんど「強い右」を打て
ていません。
これは明らかに小堀陣営にとっては「幸運」のはずです。
ところがこのアクシデントが「裏目」に出ました。
モセス選手は右の拳を痛めたことから左中心のアウトボクシングを展開
せざるを得なくなり、これが結果的にポイントリードにつながりました。
右拳を痛める8回まではジャッジの採点は2人がドロー 一人はモーゼス
リード
8回までの採点ではドロー防衛もできていました
この接近した点差の中で、モセス選手の「右」がほぼ戦闘不能になったの
です
強い「右」が打てなくなったモセス選手は「左」のリードジャブを主体に足を使う
ボクシングに切り替えざるを得なくなりました。
「打ち合いを避けて足を使ったアウトボクシングで判定勝ちを狙われる」
結果として
中間距離での打ち合いにもっとも強みを発揮する小堀選手にとってもっとも
嫌な戦い方をされてしまうことになってしまいました。
現に10,11,12回
3人のジャッジはすべてモセス選手にポイントを振っています
普通に考えれば小堀選手に有利に働くはずのアクシデントが逆に「不利」に
働いてしまいました
「ついていなかった」
「運に見放されていた」
としかいいようがありません
ちなみに、小堀陣営はモセス選手はアウトボクシングはせずに攻撃的に打ち合っ
てくると見ていました
モセス選手は非常にクレバーなボクサーです
戦績を調べると「アウエー」ではKO勝利が多く、「ホーム(ナミビア)」では判定勝
ちが多いのです
「アウエー」では判定では不利になるということも計算してリスクをとって打ち合う
「ホーム」では判定が有利になるので、あえてリスクをおかさない
こういう傾向がうかがえたのです
「打ち合って小堀選手を倒さないとベルトは奪えない」
モセス陣営は明らかにそう覚悟していたと思います
ほかにも不運なことがありました
実は小堀選手の師匠、田中トレーナーはこの試合を前に健康状態が
悪化
当日は点滴を打って試合に臨んでいました
「万全の体調であれば、小堀にもっと的確な指示ができたはず」
試合後、悔やむことしきり・・・
またまったくの偶然なのですが、実は私も12月31日、入院していたの
です。
吐き気が止まらず昏倒
これはまずい、と119番に電話
救急車がかけつける事態に
点滴を打ってもらって、半日で退院しましたがその後も固形物は受け付け
ず
万全とはいえない健康状態のまま1月3日を迎えました
私、健康には万全の自信があります
半日とはいえ入院したのは人生初
小学校低学年のころ、左腕を骨折したときに外科にお世話になったことは
憶えていますが
それ以来、病院は歯医者以外、通ったことはありません。
それがよりによってこの重要なタイミングでのアクシデント
「不運」としかいいようがありません。
「レイジェスかウイニングか」
あの試合、グローブの選択は当方が決めることになっていました
読者の皆様ならどちらに決めますか?
私は熟慮の末、「ウイニング」に決めたのです
小堀選手自身、「レイジェス」より「ウイニング」のほうが使いやすいと言っていた
こと
あとは判定なら小堀陣営が絶対有利という見通しが私にはありましたので
KOが生まれやすい「レイジェス」よりも「ウイニング」を選択したのです。
ところが、これも「裏目」にでたかもしれません。
もしもグローブの皮が薄く素手同然の感触といわれる「レイジェス」だったら
2回と5回の小堀選手の左フックのクリーンヒットで試合が終わっていたかもし
れません。
またモセス選手の右拳の負傷もさらに重いものになっていたかもしれま
せん
後悔しても結果は変わりません
いかなることがあっても負けてはいけない戦いに
小堀選手と私は二度続けて勝つことはできませんでした
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