正面衝突!長瀬慎弥対迫田大治 涼野鮮烈1回KO勝利 (オーバーヒートボクサーズナイトVOL46) |
「オーバーヒートボクサーズナイトVOL46」 フラッシュ赤羽ジム主催
メイン、セミ、セミセミの3試合をレポート
第6試合 フェザー級8回戦 ○涼野康太(1回1分44秒KO)笛木亮●
日本フェザー級8位、2007年B級トーナメントフェザー級優勝、7連勝中の笛木亮(ジャパン
スポーツジム)と「タフガイ」涼野康太の一戦
笛木は2006年東日本新人王トーナメント参戦時より「ボクレポ」は注目し続けてきた
戦績15戦13勝10KO1敗1分けのサウスポー
踏み込みの利いた左ストレートを武器にKO勝利を積み重ねてきた
なかなかの「イケメン」
プロとしての華、スター性を備えている好選手で新人王戦時代からリングに笛木が登場する
と場の空気が一気に変わるのが感じられたほど
東日本フェザー級新人王決勝戦でその年の全日本新人王に輝いた加治木了太(協栄ジム)
と対戦
加治木の左フックを浴びて6回TKO負けで初黒星
( 過去記事 あります )
しかし翌年のB級トーナメントにエントリー
決勝で天笠尚(HS山上ジム)に判定勝利
その後も順当に白星を重ね現在7連勝中
この勢いをキープし、日本タイトル挑戦に向けてさらに弾みをつけたい一戦
対戦相手、涼野は戦績27戦14勝3KO10敗3分けのノーランカー
右ファイタータイプ
2005年11月17日 モンゴルのガンバータル選手に6回判定勝ち
以来約3年4ヶ月白星から遠ざかっており現在4連敗中
しかしその対戦相手を調べてみるとそうそうたる顔ぶれ
2006年は塩谷悠(川島ジム)、阿部元一(ヨネクラジム)2007年は渡邉一久(
角海老宝石ジム)、三浦一馬(ドリームジム)
塩谷を除く3人が元日本チャンピオン
塩谷も日本タイトル挑戦の経験がある
4連敗といってもこれほどの実力者を相手にしてのこと
また涼野は2002年A級トーナメント決勝で小沢大将(ヨネクラジム)に敗れ
2003年には現日本スーパーフェザー級チャンピオン矢代義光(帝拳ジム)に敗れ
また2004年、2005年に宮田芳憲(角海老宝石ジム)に連敗を喫している
しかし注目すべきは現在の日本チャンピオン(矢代)、または元日本チャンピオン(阿部
渡邊、三浦)も含むトップクラスの選手を相手にしながら
涼野はいまだKO負けを喫した事が無い
「タフガイ」と呼ぶしかない打たれ強さ
強豪選手との試合を積み重ねてきたことから得られた豊富なキャリア
この2点がボクサー涼野の誇るべきアピールポイント
2003年8月には坂東ヒーロー(フォーラムスポーツジム)に判定勝利を挙げている
ことからもわかるように
4連敗中のノーランカーとはいえその実力は侮れない
逆に笛木サイドに立てば、この「タフガイ」涼野をKOすることができれば
大いに評価が上がり年内の日本タイトル挑戦も視野に入るところ
試合開始
笛木は右リードを伸ばし左を打ち込むタイミングを探る
涼野はアグレッシブにプレス
距離を詰め笛木にロープを背負わせる
クロスレンジでのパンチの交換
1分半過ぎ 笛木の左に涼野カウンターの左フック
笛木ダウン
なんとか立ち上がるもレフェリーは試合続行不可能と判断
1回1分44秒 涼野KO勝利
唯一の敗北を喫した加治木戦でも
笛木がキャンバスに沈められたパンチは「左フック」だった
左を打つ際にやや右のガードが下がる傾向があるのかもしれない
涼野はリーチの長い笛木を相手に前に出て中に入りアグレッシブに打ち合いを
挑む戦法が功を奏した
ノーランカー涼野がランカー笛木を1回KOに下し日本ランキング獲得を確実に
第7試合 60キロ契約8回戦 ○近藤明広(2-1判定)塩野翼●
2007年全日本ライト級新人王、日本ライト級12位、日東ジムの近藤明広(10勝5KO
1敗)とノーランカー、角海老宝石ジムの塩野翼(6勝3KO6敗)の一戦
塩野は約2年のブランクからの復帰戦
2006年9月の「ズラボクサー」小口(草加有沢ジム)との一戦に敗れ
( 過去記事 あります )
さらに日本ランカーへの再挑戦になった2007年2月の松崎博保(協栄ジム)戦にも敗れ
以来リングから遠ざかっていた
( 過去記事 あります)
2年ぶりの復帰戦は階級をライトに上げて
小口、松崎に続き3度目の日本ランカーとの対戦
2度あることは3度あるのか
それとも3度目の正直、となるのか
また、塩野といえば入場時の凝った衣装が特徴
この日は13日の金曜日ということでジェイソンのコスプレで入場という企てもあった
ようだが
自主規制?
いたってシンプルな入場になった
対戦相手の近藤はアマエリート出身
アップライトの構えからワンツー主体の基本に忠実なボクシングで2007年ライト級
全日本新人王に
さらに2008年も3勝負け無し
日本ライト級12位の座をキープ
1回 前に出る塩野に近藤はタイミングのよい右ストレートをヒット
しかし2分過ぎ 塩野のワンツーがヒットする
ラスト10秒は激しい打ち合い
2回 近藤は左に回りつつジャブ さらに右
私は1回 2回と近藤にポイント
3回も近藤のペース
ところがラスト20秒過ぎ 塩野にクリーンヒット
3回は塩野のラウンドか
続く4回 塩野、低い姿勢で前に前に
しかし近藤のタイミングのよい右を浴びてプレスは鈍り勝ち
ラスト10秒 両選手、激しい打ち合い
打ち合いの中で塩野の左フックがクリーンヒット
5回 ややダメージが残る近藤
しかし塩野も失速気味
そして6回 低い姿勢でプレスをかけた塩野だが偶然のバッテイング
左眉上をカット
ドクターチェック後レフェリーストップ
勝敗は判定にゆだねられ 58-57塩野 58-57近藤 58-57近藤
2-1で近藤の勝ち
有効打の数では近藤が優位
しかし塩野はプレスをかけ続け、またラウンド後半に打ち合いに持ち込みダメージ
を与えるパンチを入れていた
塩野を支持したジャッジは、前に出ていたこと、さらにラウンド後半でのクリ-ンヒット
を評価したものと思う
第8試合 スーパーライト級8回戦 △迫田太治(1-0ドロー)長瀬慎弥△
メインは日本スーパーライト級3位、フラッシュ赤羽ジムのエース、長瀬慎弥が登場
頭抜けた身体能力を生かした変則スタイルの右ボクサーファイター
( 長瀬選手についての過去記事 )
対戦相手は2007年全日本スーパーライト級新人王、横田スポーツジムの迫田太治
(9勝6KO2敗)
豊富なスタミナ 強靭なフィジカル
これが迫田の武器だ
被弾してもダウンを奪われても決してひるまず
じりじりと前進しプレスをかけ続け相手を追い込んでいく
ハンドスピードにはやや欠けるもののパンチは強い
常に前に出て一発一発をしっかりと打ち込んでくる右ファイター
1回から迫田はプレス
下がらされる長瀬だが要所要所でクリーンヒットを奪う
2回にはラウンド終了間際に猛ラッシュ
1回 2回と私は長瀬の10-9
しかし3回 迫田はがっちりブロックを固め前に前に
長瀬にロープを背負わせプレスをかけてアッパーをねじ込んでくる
4回さらに5回
迫田の攻勢が光る
ふらつく長瀬
効いている印象
しかし長瀬もタフ
決してあきらめず、迫田の打ち終わり 右を打ち込む
ややオープン気味の大振りの左はかわされ勝ちだが
右は高い的中率
それでも迫田は前進をやめない
体で押し込みパンチをガツガツとねじ込む
7回1分過ぎには長瀬の右フックが痛烈にヒット
ぐらつく迫田
最終8回 迫田と長瀬 意地の攻防に
試合終了
私は76-76のドロー
ジャッジの採点は 78-77迫田 77-77 77-77
1-0のドロー
迫田の前進を正面から受け止めた長瀬
長瀬が迫田に付き合ったため全体としては迫田のペース
しかし下がらされながらも長瀬はジャッジの印象に残るクリーンヒットを奪い
引き分けに持ち込んだ
不器用ながらもゴツゴツとお互いの闘志とプライドがぶつかり合ったボクシング
見応えのある、また満足感の残るプロのボクシングだった
両選手の健闘に拍手
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