大毅辛勝!亀父乱闘事件の全真相(9.27後楽園ホール) |
協栄ジム主催興行 「WBA東京総会記念試合」
みどころはメインの、浪速の弁慶、亀田大毅(5勝4KO)のプロ6戦目
今回の相手は、WBC世界スーパーフライ級21位のバレリオ・サンチェス
この36歳になるメキシカンの戦績は34戦17勝12KO15敗2分け
今年8月まではWBC同級10位にランクしていた世界ランカー
前世界王者マーティン・カスティーリョとも拳を交えた(2003年2月22日8回判定負け)ほか
アマチュア時代には、WBC世界スーパーフェザー級王者、マルコ・アントニオ・バレラにも
勝利しているという
現WBC米大陸スーパーフライ級王者でもある。
一方、亀田大毅は、まだキャリア5戦の17歳
日本ランカーですらない
しかし、東京で開かれている「WBA総会」の記念興行として行われるこの試合
WBA本部のお歴々の目前で、世界ランカー、サンチェスを下せば一気に世界ランク入りの
可能性も
試合前の大毅選手の鼻息は荒いなどというものではない
鼻息強風波浪警報 鼻息モンスーン 鼻息ハリケーン
「人間なら誰でも覚醒することはあると思うけど、オレのは覚醒を超えたな。
地上最強の覚醒や」
「最近、オレは人間かな、と思うもん。ヤバいよー」
「あ、また強くなってる。うわっ、また強くなったわって、何か知らんけど強くなってんねん。
ホンマでっせ」
「世界ランカーやし、今までやってきた相手の中では一番強いやろうけど、ま、見とってや。
今のオレはホンマにヤバい。他に言葉が出ん」
「どんなに最悪な状況になろうと、3ラウンド以上はないわ」
もう言いたい放題
それにしても
「覚醒を超えた地上最強の覚醒」
「なんかしらんけど、強くなってんねん」
「オレは、人間やないんやないか」
これは、もう、「俺のパンチはヘヴィー級」 「宇宙一強いで」という過去の発言とともに
インパクトという面では、世界のプロボクシング、ビッグマウス史上に残るのではあるまいか
これを笑いもせずに、真顔で言える大毅選手って
たしかに、ある意味、「人間、超えてる」 「ホンマにやばい」 ?
ただ、大毅選手、ボクシングの内容は着実に進歩している事は明らか
この点については
亀田大毅関連過去記事
大毅対サマート戦 大毅対ベヌー戦 大毅対パエス戦
ご参照いただければ幸い
メインの大毅対バレリオサンチェスの8回戦
2回までは、大毅のペース
ガードを固めて、べた足で、前に出て距離をつぶし、左フックを振るう大毅
これが、ダブル、トリプルで、サンチェスの顔面、ボディにヒット
ヒットした瞬間、サンチェスの動きが一瞬止まり、表情が変わる
「宇宙一」とはいえないだろうが、やはり、かなりの破壊力のよう
一方、サンチェスもさすがは世界ランカー
ウイービング、ダッキングで上体を振って、スムーズな打ち出しで多彩なパンチを打ち
続け、手数を切らさない
メキシカン特有の距離の長いレバーブローを」決めて、ガードを下がらせて、アッパーを
打ち込んでみせる
しかし、2回までは、手数ではサンチェスがまさっていたものの、大毅の方が、有効な
クリーンヒットを数多く決めていた
3回は、ほぼ互角のラウンド
ただ、大毅の空振りが増え、手数も微妙ながら滞り勝ち
一方、サンチェスの手数は衰えず、ガードの隙間から着実に大毅にダメージ
大毅の鼻からおびただしい鮮血
プロ入り初の鼻血
私は、この回は、微差ながら、サンチェス優位と判断
4回は、逆に、大毅が巻き返す
左フックをダブル、トリプルで強振
サンチェスのボディブローもかなりきつい角度で入っているのだが、大毅は平然としている
やはり、ボディは徹底的に鍛えているようだ
だが、大毅が優位だったのはここまで
5回から、最終8回まで、ペースを握ったのは、サンチェス
正面から、状態の動きを駆使して、足を止めて打ち合っていたサンチェスが、5回以降、
小刻みにステップワーク
立ち位置を頻繁に変えて、大毅にとって、みえにくい角度からパンチを打ち込んでくる
一発一発のパンチの破壊力は大毅が上
しかし、サンチェスは、パンチに強弱をつけ、手数を切らさず、的確にガードの隙間を
突いてくる
兄、興起選手にも言えることだが、もっとも効いていたように見えたパンチはアゴへの
「アッパー」
ボディは、ほとんど効いているように見えない
6回には、サンチェスの有効なヒッティングで、右目上を切り、鼻血も止まらず、凄惨な表情に
7回 サンチェスは、大毅の目の傷を狙って、パンチを顔面に集中
最終8回 2分過ぎまで、サンチェスのペースで進んだが、ラスト30秒、大毅が反撃
「うおー!」と自らに気合いを入れて、なりふりかまわず突進
有効打は少なかったように見えたが、ジャッジには攻勢を印象付けた
私は、やはり2分以上にわたって、サンチェスが、優位にラウンドを支配していたことを重視
して、この回もサンチェスに振った
私の採点は77-75と2ポイント差でサンチェス
1 2 4回は大毅 その他のラウンドはすべてサンチェスに
公式のジャッジは、77-77 77-76 77-76
2-0の僅差で、大毅選手の勝利
この判定結果はいちおう、「許容範囲内」
「不当判定」とはいえないと思う
大毅選手の光る点も多々あった
パンチの強さ、鋼鉄のボディ、兄興起選手を上回るのでは、とさえ思われる打たれ強さ、
無尽蔵と思わせるスタミナ
そして、あれだけ血まみれになっても、最終8回、ラスト30秒で攻めていける「気持ちの強さ」
ただし、課題も多く残る
左フックの強振に頼らずに、リードブローを大切にして、攻撃を組み立てていかないと、
世界レベルの選手には、パンチを見切られてしまう
5回以降、サンチェスのペースになったのも、大毅の単調な攻撃パターンを見破られて
しまったからではないか、と思われる
また、ある程度は改善されてはいるものの、やはり上体が固い
頭が十分振れていない
もっと、柔軟なボディワークを駆使して、ガードだけに頼らずに、パンチをかわしていかないと
手数負け、してしまう。
フットワークも課題だ
せっかくの強いパンチも、追い足が乏しいので、距離をとられると空転してしまう
鋭いステップイン、サイドに回っての攻撃など、攻め口を広げて、引き出しの数を増やさない
と、世界には通用しないだろう
ただし、まだ17歳 「のびしろ」は無限大だ
性急な世界戦を目指すより、ひとつひとつ、「課題」をクリアーして、じっくりと地道に、着実に
自分のボクシングの「幅」を広げることに今は、専念すべきと思う。
歌も歌わず、マイクを向けられても、いつものようなビッグマウスはなく
兄、興起選手の肩を借りて、控え室に消えていった大毅選手
顔は腫れ上がり、目の上に痛々しい傷跡
かわいた血の跡で覆われている大毅選手のぼろ雑巾のような17歳の顔
しかし、それは・・・・
つたない技術、経験の差に、苦しみながらも死力を尽くして戦った「男」の顔
マイクを持って、陶酔しきった表情で歌うそれより、100万倍もかっこいい「男」の顔だ
金儲け、視聴率第一主義の商業メディア主導の「亀田三兄弟」という虚像の物語(フィクション)
「物語」を構成する馬鹿げたパフォーマンスや、「ビッグマウス」には、正直、しらけてしまう
だが、渦中で、命を賭けて、頑張っている「プロボクサー亀田興起」「プロボクサー亀田大毅」
の「真摯(しんし)」は素直に認めてやらなければならないと思う。
頑張れ!!大毅!!
次に、例の「乱闘事件」について一寸、書いておきたい
実は、偶然、大きく報じられた「乱闘事件」を身近で体験することになった次第
私の席は北側B20
ちょうど、この位置で乱闘が起こり、その一部始終を見ることが出来た
大毅選手の勝利が告げられた瞬間は、静かなもの
たんたんとリング内は勝った大毅選手のインタビュー
すると私の前の席の男性、おそらく大毅選手と同じ協栄ジム関係の後援者の方と思われる
が大して大きな声でもなく
「そんなにまでして勝ちたいのか」
と、呼びかける
悪意や憤りのこもった声ではなく、「勝った、勝った」と誇れる内容ではなかった、ということを
いいたかったのだと思う
決して報じられているように「八百長」とか「不当判定」といった言い方ではないし
亀田選手陣営の人格を誹謗するような「野次」ではない
ところが、これに亀田応援団の一人の男性が、明らかに過剰反応
喧嘩腰、敵意むき出しで、「なんじゃ、われ、おら!!」と恫喝してくる
これに、件の男性とその友人が、立ち上がり、小競り合いに
するとこの様子を見ていた亀田史郎氏
写真のような凄まじい表情で、にらみつけるや、まるで、ミルマスカラス(古っ!!)
のように、リングから、観客席に「ダイブ」
あとはもみあい、つかみあいで、もうめちゃくちゃ
私の席のとなりには顔を真っ赤にした男性が倒れこみ、馬乗りになった男性が怒号咆哮
亀田パパも、関係者に取り押さえられつつも、吼えまくる
渦中の「ボクレポ」は・・・・・
「子供じゃあるまいし、大の大人が平日の真昼間から一体何をやらかしてるのか」
あきれかえってしまって、なんだか、笑いがこみあげてくる
もう、これは笑うしかない、ということで、一人大笑い
このときの模様をおさめた写真が「9.28付けサンケイスポーツ」「9.27付け夕刊デイリー
スポーツ」に掲載されてしまった(知人が教えてくれた)
黒いニット帽をかぶって、笑っているのが、実は「ボクレポ」
とにかく、興奮体質としかいいようがない亀田史郎氏
「やくみつる」をナマ番組で、恫喝しまくっている分には、十分、楽しめるし、今思い出しても
笑いがこみあげてくるのだが
今回のように一般のファンに、暴力をふるおうとするのは、ちょっとシャレにならない
幸い、けが人は一人もなく、警察に被害届も出されていないので、刑事事件にはならない
模様
ただ、万一、史郎氏の右フック?が一般のファンに決まって、脳震盪でも起こされたら、
トレーナー資格剥奪、ボクシング業界追放
ひいては、息子たちにまで何らかの累が及ぶ事態にもなりかねなかった
息子たちの将来のためにも、大いに反省してもらいたいと思います・・・・・・・
この日の興行は全5試合
その他の試合の模様は以下の通り
第1試合 48.2キロ契約4回戦 ○田口良一(3回1分40秒TKO)紺谷陽広●
ワタナベジムの田口(1勝1KO)が3回TKOで、協栄カヌマジムの紺谷(1勝)を下す
紺谷は、アウトボクシングというより、逃げ回っているようにしか見えず
それだけ、田口の圧力が強かったのかもしれないが、1回から一方的な展開
3回、コーナーに詰めての連打で、レフェリーストップ
田口のTKO勝ち
第2試合 67.5キロ契約6回戦
○牛若丸あきべえ(1回2分31秒KO)キム・チャンジョン●
日本ウエルター級2位、協栄ジムの牛若丸あきべえ(9勝8KO)が韓国スーパーライト級
2位、キム・チャンジョン(12勝2KO7敗2分)に1回KO勝ち
あきべえ選手、亀田スタイル?で、ガードを固めて、べた足で、左右のフックを振り回して
前進
しかし、腕が長いあきべえ選手
この長い腕がジャマになってしまうのか、ふところに入られると、攻め手を欠き、かえって
キム選手のショートのアッパー、フックをもらってしまう
ジャブで距離を測って、ロングの左を決めるというボクシングこそ、本来のあきべえ選手の
戦い方と思うのだが
試合は、クリンチで膠着の両選手を、レフェリーが引き離し、キム選手が背中を向けて
コーナーに向かう最中、後ろからあきべえ選手が右フックを決めてKO勝ち
レフェリーが間に入っている最中に、攻撃を加えた場合は反則だが、引き離したあとに
背を向けた相手を攻撃するのはルール違反ではないそうだ
実はこの攻撃を指示したのは、セコンドの亀田史郎トレーナー
「いいから今、行け」
といった掛け声にあわてて、あきべえ選手が走りこんで、攻撃したというのが真相
勝利したあとのインタビューで、あきべえ選手
「日本一であることを証明します。大曲だか、小曲だかしらねえが、おめえのベルト、とって
やるから覚悟しとけ」
と日本ウエルター級王者、ヨネクラジムの大曲への挑戦を表明
第3試合 スーパーライト級4回戦 △武田浩佑(負傷引き分け)細川繁△
協栄ジムの武田(2勝1敗)と、協栄カヌマジムの細川(1勝1KO2敗)の一戦
強い左フックを武器に、前に出る武田に、細川はカウンター狙い
2回 1分10秒過ぎ 離れ際に、武田の左フックがクリーンヒット
さらに攻め込む武田だがバッティングにより、武田の右目上が負傷
ドクターストップにより、負傷引き分けに
2回を優勢に進めていた武田は、ロープをたたいて悔しがる
「もっと、打ちながら頭を振れば、バッティングを防げた」とのこと
第4試合 62.5キロ契約6回戦 ○加藤健(5回55秒TKO)柴野薫平●
ワタナベジムの加藤(5勝3KO3敗1分)が、協栄札幌赤坂ジムの柴野(7勝3KO2敗1分)
に5回TKO勝ち
サウスポーの加藤は、距離をとって、足を使って戦うタイプ
柴野は、前に出て、距離を詰めて戦うタイプ
1回は、前に出て攻めた柴野のラウンド
2回 終了間際 加藤の遠い距離からの左ストレートが決まって、柴野ダウン
3回以降は加藤のペース
柴野は、パンチがアウトサイドから出てきてしまって、加藤はカウンターを合わせやすい
5回 加藤のTKO勝利
勝った加藤、勝利の感涙
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