亀田家四男 牛若丸あきべえ豪快KO!(11.20後楽園ホール) |
第336回ガッツファイティング 協栄ジム主催
メインは、日本ウエルター級2位 亀田家四男
江戸乃牛若丸 牛若丸あきべえが登場
2005年ウエルター級新人王、MVP
「ボクレポ」のベストファイトは、2005年9月27日の前川戦
強打、豪腕の両選手が真っ向からぶつかった白熱の東日本新人王決勝戦
空振りのパンチからも、凄まじい迫力が伝わって、見応え十分
牛若丸あきべえこと、渡部信宣(わたなべあきのり)は、2回、前川をキャンバスに沈めた
アマチュア経験もあり、基本がしっかりできたサウスポー
リーチも長く、スピードもある
右フック、左ストレートは、必殺の破壊力だ
あきべえ選手の前回の試合は、例の乱闘事件?が起こった9月27日
過去記事 あります。
「日本一であることを証明します。大曲だか、小曲だかしらねえが、おめえのベルト、
とってやるから覚悟しとけ」
1回KOで、キムチャンジョン選手を破ったあきべえ選手
日本ウエルター級王座奪取宣言が飛び出した
今回の相手は、インドネシア・ウエルター級2位のシャムスル・ヒダヤット
順当に勝利して、来年中の日本タイトルマッチにこぎつけられるかどうか
アンダーカードには、協栄ジムが誇る二人のランカーが登場
一人は、スーパーフェザー級7位の松崎博保
松崎はデビュー戦に敗れて以降は14連勝 5連続KO中
2004年全日本新人王に輝いた基本に忠実な右ボクサーファイター
一発一発のパンチを、当て際にきっちり握って、しっかりと打ち込む
性格もとにかく真面目で謙虚
弱点は、唯一、「涙腺」か
松崎選手、感激屋というか、感受性が強すぎるというのか
すぐに涙が出てしまう
それだけ、一途に、一生懸命にボクシングに賭けている証拠
もう一人はスーパーバンタム級5位の瀬藤幹人
今年2月4日、帝拳ジムの下田を判定で破る番狂わせを演じ、ランク入り
2004年6月21日には、現スーパーバンタム級日本王者山中(白井具志堅ジム)にも
判定勝ちをおさめている
天性の運動神経を生かしたノーガードのハメドスタイル
あぶなっかしくもあるが、被弾の「リスク」より、トリッキーな攻撃という「リターン」を重視する
2004年6月の山中戦に勝って以降、10連勝中
下田戦に勝って以降、3連続KO勝利中の瀬藤
来年には日本王座への挑戦も期待される
あきべえ、松崎、瀬藤
3人の日本ランカーの戦いを中心に協栄ジム主催ガッツファイティングの模様をレポート
したい
第7試合 メインイベント 67.5キロ契約8回戦
○牛若丸あきべえ(1回1分10秒TKO)シャムスル・ヒダヤット●
日本ウエルター級2位、協栄ジムの牛若丸あきべえ(10勝9KO)が、インドネシアウエルター
級2位、シャムスル・ヒダヤット(12勝5KO7敗2分け)に、1回TKO勝ち
例の乱闘事件後、自粛を余儀なくされているのか、亀田史郎氏はこの日は、あきべえの
セコンドにはつかず、リングサイド最前列から、「愛する四男」の戦いぶりを見守る形
亀田三兄弟も仲良く観戦
代わって、セコンドについたのは、御大、協栄ジム金平会長
「水戸黄門」のテーマ曲に乗って、登場したあきべえ
金平会長、史郎氏の期待を背に奮い立つ
凄まじい表情で、対戦相手シャムスル・ヒダヤット選手をにらみつける
このヒダヤット選手、どうみても、一回り小さい
本来は一階級下のスーパーライト級の選手だ
試合が開始されるや、あきべえは、右フック、左ストレートをふるって、前進
圧力をかけ、まず、右フックをクリーンヒットさせる
よろけるヒダヤットにおそいかかるや、右のフックでダウン
この右フック、完全にオープンブローなのだが、レフェリーはカウント開始
ただし、両選手の実力差は歴然
パワー、スピード、ともに、あきべえが圧倒
このダウンが取り消されたとしてもKOは時間の問題
何とか立ち上がったヒダヤットに、あきべえは連打
最後は、みぞおちに左アッパーを決めて、ヒダヤットはキャンバスに
レフェリーが試合を止めた
コーナーポストにのぼるやあきべえは、勝利の咆哮
バック転も決めて、場内を沸かせる
さらに、敗れたヒダヤット陣営のコーナーに歩み寄り、健闘を称えるすがすがしい場面も
「亀田の親父さんには、1日6時間の練習をみてもらって、ご飯まで作ってくれている」
「お返しに、自分に何ができるか、教えられたことをしっかり、試合で出すこと」
「勝てたのは親父さんのおかげです」
と、史郎氏に感謝の言葉
「東京に出てきて3年、ついに、埼玉にベルトを持ち帰るときがきた。来年中には日本王座に
挑戦したい」
日本王座への挑戦を再度、表明した
現在の日本ウエルター級王者は、豪腕、大曲選手(ヨネクラジム)
減量苦から、階級を上げる可能性も取りざたされている大曲選手
しかし、ウエルター級にとどまって、あきべえ選手の挑戦を受ければ、オーソドックス対
サウスポーの豪腕対決、ヨネクラ対協栄、という因縁対決にもなり、盛り上がること必至
第6試合 60キロ契約8回戦 ○松崎博保(3-0判定)酒井義信●
日本スーパーフェザー級7位、協栄ジムの松崎(14勝8KO1敗)が、鎌ヶ谷ジムの酒井
(6勝1KO3敗)に3-0の判定勝ち
(79-75 79-73 80-74)
攻防兼備の右ボクサーファイター松崎に、右ファイタータイプの酒井
酒井は低い姿勢から、距離を詰めて、左右のアウトサイドからのフック 中からのアッパー
松崎はしっかりと打ち込まれる左ジャブで距離をとって、右ストレート、左フック
さらに、前傾姿勢で入ってくる酒井にアッパーを合わせる
有効打は松崎が圧倒
3回ラスト10秒に、酒井の右フックをまともにもらった場面
5回にもラスト10秒、やはり酒井の右フックをもらう場面があったが、明らかに、効いた
パンチはこれぐらいか
ペースを掌握した松崎は5回から、ボディ狙いで攻勢を強めるが、酒井は耐え切り、6回には
逆に押し返して、攻勢をとる
ただし、クリーンヒットはほとんどない
5連続KO中の松崎
連続KOを狙いたかったのだろうが、30歳のノーランカー酒井は、不屈の闘志で粘り抜き
勝敗は判定に
79-75 79-73 80-74 の3-0で松崎の勝ち
ただ、勝ちはしたものの、KOできなかったこともあってか松崎は
「すみませんでした」
と四方の観客に向けて、頭を下げて、またも涙
第5試合 スーパーバンタム級8回戦 ○瀬藤幹人(3-0判定)堀茂雄●
日本スーパーバンタム級5位、協栄ジムの瀬藤(20勝10KO6敗1分け)が、ワタナベジムの
堀(12勝3KO7敗)に3-0の判定勝ち
(79-75 79-75 79-75)
サウスポーだが、上体が固く、左のパンチが脇が開いて、アウトサイドからフック気味になって
しまう堀
瀬藤は、ノーガードのハメドスタイルながら、サウスポーの堀に対して、左回りを徹底
堀が動くタイミングを見計らって、右を合わせて、着実にポイントを重ねる
堀は全体的に動きが固く、瀬藤にサイドに回られると、ついていけない感じ
ほぼ毎回のように、ポイントアウトを重ねる瀬藤だが、スタミナと打たれ強さで、持ちこたえる
タフな堀から、KOを奪うには至らず。
三人のジャッジはいずれも79-75で瀬藤 3-0で瀬藤の勝ち
第4試合 フェザー級8回戦 ○鈴木淳(3-0判定)中村友彦●
ランドジムの鈴木(5勝1KO3敗5分け)と、FIジムの中村(6勝4KO5敗1分け)の一戦
8月2日に行われたあの亀田興起対ランダエタのWBAライトフライ級王座決定戦の前座
中村は、協栄ジムの松崎と、倒し倒されの壮絶な戦いの末、TKO負けを喫している
この松崎対中村については 過去記事 あります。
端正なマスクに似合わず、激しい気性 アグレッシブなファイトが持ち味の中村
ところが1回 いきなり中村選手、ダウン
中村のワンツー、打ち終わりを狙った鈴木の左フックが、クリーンヒット
立ち上がるもダメージは深そう
2回も、同じように、ワンツーの打ち終わりに、左フックを合わせられる中村
この回半ばから、中村は、右から左を返す攻めを試みるが、鈴木のガードは固い
3回は、手数で中村優位
鈴木は、様子見、待ちに徹した戦い
4回は、左フックを、右の打ち終わりに合わせてくる鈴木の優位
5回は、逆に、上下に散らした中村の優位か
鈴木は、ガードも固く、左フックでカウンターをとるタイミングも抜群
しかし、やや「見てしまう」ところがあり、手数不足の傾向
スタミナ面でも、やや問題があるようで、5回は呼吸が苦しげ
1回のダウンを見る限り、早い回での鈴木のKO勝ちと思われたが、踏ん張る中村
ただし、ポイントは、鈴木が優位
6回以降、「受け」に回らされていた鈴木が再度、攻勢
踏みとどまる中村だが、有効打では、明らかに鈴木
勝敗は判定に持ち込まれ、78-75 78-75 77-74 3-0で鈴木の勝ち
中村はワンツーに合わせての、鈴木の左フックを最後まで被弾し続けていた
左フックを狙われているのは、わかっているのだから、左にダッキングして、逆に左を打ち込
んで、右を返す、といった工夫がほしかった
第3試合 スーパーライト級4回戦 ○小沼直也(3-0判定)小林和優●
3勝2KO、協栄ジムの小沼と、同じく3勝2KO、不二ジムの小林の全勝対決
身長、リーチにめぐまれ、インサイドからきれいなワンツーを打つ小林
対する小沼は、低い姿勢から、しっかりとガードを固めて、前に出ての左ボディアッパー
右ボディフックに威力
小沼の固いガードを、小林のワンツーが打ち抜けるか
小林が、小沼のボディブローにどこまで耐え切れるか
1回は小沼 2回は小林のラウンドと思われたが、小林は、ディフェンスで、ガードを固め
ガードの上を一方的に叩かせてしまう傾向
もっと足を使わないと見栄えがよくない気が
3回は、小林のインサイドからのパンチ 小沼のボディブロー、ともに冴えて、ほぼ互角
ただし、小沼のボディブローは、迫力十分で、小林はかなり効いている雰囲気
4回 小沼はボディの連打 さらに、上にも返す
一方的に打ち込まれる小林
「ワンツー」対「ボディブロー」の対決にもなったこの一戦
三人のジャッジはともに、39-37で、小沼を支持
第2試合 53キロ契約4回戦 △古川高広(1-0ドロー)茂木公弘△
2戦全勝、協栄ジムの古川と、ナカハマジムの茂木(2勝1KO2敗)の一戦
古川は中から、アッパー、ストレート、外からオーバーハンド
茂木は外側からのフック中心のファイタータイプ
1回、2回とパンチも多彩で、打ち分けも巧みな古川がリード
ところが、3回、茂木の右ストレートがクリーンヒット、古川ダウン
最終4回は、両選手の意地が激突 互角の打ち合い
判定は、一人のジャッジが38-37で、古川を支持したが、他の二人のジャッジは38-38
のドロー
1-0の引き分けに
第1試合 フェザー級4回戦 ○澤井大祐(3回2分17秒KO)宝創●
シャイアン山本ジムのサウスポー、澤井(1分け)と、FIジムの宝(1分け)の一戦
スムーズな連打で、手数にまさる澤井
宝は、澤井のノーモーションの左に、全く反応できていない
3回50秒過ぎ 澤井、左ストレートから右フックがクリーンヒット
2分過ぎ 澤井の左が入って、宝はキャンバスに沈んだ
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