第53回全日本新人王決勝戦! |
熾烈なトーナメントを勝ち抜いてきた東西両軍の「未来の世界チャンピオン候補」がついに
激突
3月30日に開幕した「東日本新人王トーナメント」
「ボクレポ」は、出来るかぎり、ナマ観戦し続けてきた。
以下、過去j記事
3月30日開幕戦
6月29日準々決勝戦
7月5日準々決勝戦
7月31日準々決勝戦
8月1日準々決勝戦
8月16日準々決勝戦
9月28日 29日準決勝戦
11月3日 東日本新人王決勝戦
西日本については、スカパーや、ネットの情報でしかフォローできず、ナマ観戦ができな
かった
「強豪」の呼び声高い「注目株」の選手をピックアップしてみると
まずは、西日本決勝大会MVPの林選手(緑ジム)
今年の西日本大会で、高い評価を得ていた井岡ジムの橋詰を、6回判定で下した強打の
右ボクサーファイター
9勝5KOと負け無し 豪快な連打と切れない手数が武器
対戦相手は、アマ出身の技巧派サウスポー、大北選手(角海老宝石ジム)
西日本決勝大会、技能賞獲得のフライ級、廣瀬選手(フジタジム)も要注目
6勝3KO2分けと、負け無し
上体を柔らかく使ったディフェンスと、決勝戦で2回KOを決めた右のアッパーには、十分な
破壊力
対戦相手は、安定感抜群、攻防兼備の金城選手(ワタナベジム)
また、もっとも楽しみな選手は、ライト級の川端選手(カシミジム)
中日本決勝大会では敢闘賞受賞
6戦全勝5KOのハードパンチャー
あまりにもパンチ力が強すぎるためか通算3度の右拳骨折のアクシデント
同じくあまりのハードパンチャーぶりが仇となり、利き腕の故障が絶えなかったのが、浜田
剛史元世界ジュニアライト級王者
いわば「北陸の浜さん」ともいうべき川端の後楽園ホール、デビュー戦
対戦相手は、ファイタータイプのサウスポー、佐々木悟選手(ヨネクラジム)
打ち合い必至の好カード
ライトフライ級からミドル級まで、全11階級
全日本新人王の栄光に輝き、同時に日本ランク入りを果たすボクサーは誰か
白熱の全日本新人王決勝大会をナマ観戦レポート!
ライトフライ級 ○黒田雅之(新田) (1回2分12秒KO)山本剛詩(守口東郷) ●
東日本決勝大会技能賞、新田ジムの黒田(7戦6勝5KO1敗)と、西日本代表、守口東郷ジムの山本
(10勝4KO1敗)の一戦
積極的に前に出るファイタータイプの山本だったが、黒田、開始早々、右アッパー
さらに、左フックで山本、ダウン
しかし、立ち上がった山本は、ひるまず 前に
黒田、左フック、右アッパーのコンビネーション
KOを狙い、やや大振りが目立ってきた黒田に対し、コンパクトな山本の連打が的確にヒット
しはじめる
黒田、ロープに後退する場面も
しかし、激しい打撃戦の中、黒田、左フックから右フック
この右で、キャンバスに崩れ落ちる山本
しばらく動けず、担架が用意されたほどのダメージ
勝った黒田は、新田ジム新田会長に肩車され、インタビューでは「世界王者奪取」宣言!
フライ級 ○金城智哉(ワタナベ) (3-0判定) 廣瀬健太(フジタ) ●
東軍、ワタナベジムの金城(9勝2KO1敗1分け)と、西日本決勝大会技能賞、フジタジムの廣瀬(6勝
3KO2分け)の一戦
廣瀬は、1回から頭を振って、果敢に前に
様子見か手数不足の金城のボディにパンチを集め、上々のスタート
左ジャブをボディに、散らす廣瀬
ただし、緊張で力みすぎなのか、右の振りは大きい
かわされやすく、打ち終わりを狙われやすい
1回は手数で、廣瀬のラウンドか
2回 ようやく金城が「始動」
ワンツー、あるいはワンツーからのボディフック、ボディアッパーが的確に決まる
対する廣瀬の攻撃は、ほとんどが、金城のブロックの上 しかも単発気味
金城の固いブロック技術は、今大会に向けて新たに磨いてきたものか
3回から、金城の圧力はいよいよ強くなり、廣瀬は押し込まれて、下がらされる展開
2回、3回は明らかな金城のラウンド
4回、防御センスにすぐれた廣瀬
金城の右に目が慣れてきた印象で、空振りが増える
すると、金城はパンチをボディに散らして、じわじわと廣瀬を弱らせる作戦
要所要所で、決まる金城の左ボディアッパーが、廣瀬からスタミナを奪っていく
攻防兼備の金城、危なげない試合運び
最終6回ラスト10秒、金城は、廣瀬をロープに詰めて、連打
ダウン寸前
勝敗は判定に持ち込まれ、59-56 60-55 60-55 の3-0で、金城が完勝
スーパーフライ級
○大庭健司(FUKUOKA) (6回3分6秒KO) 立山信生(船橋ドラゴン)●
東軍代表は、船橋ドラゴンジムの立山(7勝2KO1分け)
東日本決勝で、今大会のMVP候補、月花(八王子中屋ジム)をノーモーションの右ストレート
で下す大番狂わせを演じ、敢闘賞に輝く
西軍代表は、FUKUOKAジムの大庭(7勝4KO1分け)
元世界フェザー級王者、越本隆志FUKUOKAジム新会長と前会長のご尊父、英武氏の越本
親子がセコンドに
1回 両選手、足を使い、左を刺しあう
立山は緻密なにディフェンスから、ノーモーションの右、打ち終わりを狙った左フック
偶然のバッティングで、左眼の上をカットした立山だが、影響はなさそう
2回、大庭もリーチが長く、ふところの深い立山の中に果敢に入って、インサイドから有効打
3回には、立山の左フック、右アッパーが、大庭に決まるが、大庭も耐えて打ち返す
4回、5回は、立山のペース
立山の長いノーモーションの右が入り、大庭、苦しい展開
立山判定勝利と思われた最終6回 思わぬ波乱が
最終回、ラスト15秒、立山の右打ち終わりに、大庭の左ジャブがカウンターでやや細く尖り
気味のアゴに
さらに、大庭の右ストレートが、アゴにヒット
ぐらつく立山
チャンスとみた大庭は一気にパンチをまとめて、右フックで立山ダウン
なんとか立ち上がった立山
ファイティングポーズをとるが、ダメージが深いと判断したビニー・マーチンレフェリーは、
試合をストップ
最終6回3分6秒、まるで、あのキム対ママニ戦を思わせる劇的な逆転KOで大庭が優勝
コーナーの越本親子と抱き合って、大庭は、歓喜の涙
バンタム級 ○林孝亮(緑) (5回2分25秒TKO) 大北正人(角海老宝石)●
西軍の「大将格」西日本決勝大会MVPの林(9勝5KO、緑ジム)と、アマで実績を積んだテクニシャンのサウスポー、大北(7勝3KO1敗、角海老宝石ジム)の一戦
林は、右構えから左構えにスイッチしながら、ロングの迫力ある連打、連打
しかし、大北は、大振りの林に対して、ショートのパンチで対抗
打ったら、すぐに、右に回って「外を取る」大北
林の右の打ち終わり、カウンターで大北の右フックが炸裂
林、ダウン
2回 ダウンをとられた林が必死の反撃
大北は、的確に右フック、左アッパーなどショートのパンチを合わせて、サイドに
大北が、林をさばく流れだったが、ラスト30秒、林の右ストレートがクリーンヒット
大北のアゴがはねあがる
3回も林は、大振りのパンチを振るいながら、前へ
さばきに回ろうとするが、林の手数、圧力は強く、押し込まれがちな大北
3回ラスト30秒、意を決したのか、大北は、足を止めて、正面から打ち合いに
しかし、この打ちあいは、パワーにまさる林が有利
4回も足を止めての打ち合い
林のヒッティングで、大北が左眼尻をカット
おびただしい流血
林も、大北のショートのダメージで、鼻血
5回も、大北は、林を前に一歩も引かず、打ち合いに
しかし、大北の左眼尻の傷が悪化 流血がさらにひどくなり、レフェリーストップ
ダウンをとられたピンチから盛り返した林が、みごとに優勝
3回から、強気で、打ち合いに出た大北だったが、この選択が結果としては裏目に
スーパーバンタム級 ○上野康太(三谷大和) (3-0判定) 木村友紀(明石)●
東軍代表は、三谷大和スポーツジムの上野(7勝4KO1分け)
「会長命」を掲げる19才のサウスポー 三谷大和ジムのプロ第一号選手
西軍代表は、明石ジムの木村友紀(6勝2KO1敗1分け)
178センチの長身から繰り出されるロングの右、は脅威
正面から圧力をかける木村はロングの右 クロスレンジではアッパー
上野は、サイドへの動きを重視し、サウスポーの利点を生かした頭脳的なボクシング
正面から前進の木村に、上野は、まっすぐ下がらず、サイドに動く
右に回っての、右フック、左に回っての左ストレートが的確に、ヒット
初の6回戦ということもあったか、5回、6回はやや、動きが鈍る上野
勝敗は判定にゆだねられ、3-0(58-56 60-56 59-56)で上野の勝ち
木村は、右の一発に頼りすぎ
返しの左があれば、もっとよい戦いができたはず
現に、5回には、多少は、右にフォローした左の返し、が出ており、このラウンドは木村が優勢
だったと思う
フェザー級 ○加治木了太(協栄) (3-0判定) 山本敏充(江坂)●
東軍は東日本決勝大会MVP、協栄ジムの加治木(5勝5KO2敗)
西軍は、7戦7勝6KO、強打のサウスポー、江坂ジムの山本
東西ハードパンチャー対決
加治木は、ガードをしっかり固め、脇をしめた安定感抜群のフォームで力強いパンチ
特に、左ボディアッパーは迫力十分
メンタル面でも、自信のなせる業か
気負わず、焦らず、しっかり集中、落ち着いていて冷静な印象
右を打った後は、左フックの返しを入れることを忘れず、パンチをボディにも散らして、有効打
を積み重ねる
加治木の圧力に押されがちの山本だったが、3回から、いきなりの左が、加治木にヒット
単発ではあるが、加治木にもややダメージ
しかし、4回 加治木の左フックで山本ダウン
5回 劣勢の山本は、捨て身の反撃
いきなりの左が加治木にヒット
加治木が防戦一方になり、ぐらつく場面も
最終6回も、開き直ったかのように、前に出る山本だが、タイムアップ
3-0の判定で加治木の勝ち
スコアは、58-56 59-56 60-55
加治木はサウスポー山本の左のパンチに、硬直してまっすぐ下がってしまう傾向
ブロッキング、パーリングをディフェンスの軸にしている加治木だが、もう少し、上体を柔軟に
動かして、左のパンチを、まっすぐ下がらず、サイドに回りながらよける技術があればさらに
完成度が高まるはず
スーパーフェザー級
△清水秀人(木更津グリーンベイ) (三者三様のドロー、清水の優勢)金丸清隆(正拳)△
東軍は、木更津グリーンベイジムの清水(7勝2KO2敗)
長身の左アウトボクサー
西軍は、正拳ジムの金丸(9勝3KO1敗)
天性の運動神経を生かした変則ファイター
金丸は、大胆なステップインから、軌道が読みにくいパンチで清水をかく乱
ふところに入っての、細かいパンチ 遠い距離からは、オーバーハンド気味のロングフック
ロングアッパー
1回は、金丸のペースか
しかし、2回 金丸の動きに慣れてきた清水は、長い左をヒットさせて、足を使って、右に回る
「打っては動く」アウトボクシング
ところが、3回 クロスレンジで、はなたれた清水の左アッパーに、金丸が左フックを合わせる
このフックがカウンターでまともに決まり、清水、大きなダメージ
しかし、金丸も決めきれず、逆に、4回は左ストレート、右フックをヒットさせる清水の優位に
5回以降、金丸のスタミナが明らかに消耗
口が開き、スピードが鈍り、パンチが流れ、上体が揺れがちに
清水は、足を使って、回りながら、ロングの左をヒットさせて、ポイントアウト
勝敗は、判定にゆだねられ、一人は58-57で清水 もう一人は58-57で金丸
最後のジャッジは57-57で、ドロー
優勢点は、清水に入り、清水が、優勝、全日本新人王に
距離をとりつづければ、無類の強さを発揮する清水だが、詰められるともろい面が
特に接近戦での攻防には、課題を残した
ライト級 ○川端康博(カシミ) (2回40秒KO) 佐々木悟(ヨネクラ )●
東軍は、ヨネクラジムの佐々木悟(4勝3KO1敗1分け)
サウスポーだが、ヨネクラジムの選手らしく低い姿勢から前に出て、上下に打ち分ける
ファイタータイプ
西軍は、中日本、北陸の豪腕、6戦6勝5KO カシミジムの川端
「後楽園ホールデビュー」の川端は、リングインするや、円を描くサークリング
待ちきれないとばかりに、闘志をアピール
ところが、1回、開始直後、低い姿勢から、連打で攻める佐々木が、左ストレートで、川端
からダウン
立ち上がる川端に、佐々木は一気に決めようとパンチをまとめる
ブロッキングでなんとか耐え抜いた川端
続く2回
佐々木は、前に
近い距離から、連打を振るって、攻める佐々木だが、左ストレートの打ち終わり、川端の
強烈な左フック一閃
ひざから、キャンバスに崩れ落ちる佐々木
なんとか立ち上がったが、ダメージが深いと判断したレフェリーが試合を止めた
川端が、優勝、全日本新人王に
スーパーライト級 ○吉田真(宮田) (棄権不戦勝) 千葉龍史(塚原京都)●
東軍
の「イケメンボクサー」、宮田ジムの吉田(8勝3KO1敗)が、西軍、千葉の棄権により、不戦勝
全日本新人王に
ウエルター級 ○出田裕一(ヨネクラ) (3-0判定) 若林豪(グリーンツダ) ●
東西全勝対決、6戦6勝4KO、東軍ヨネクラジムの出田と、6戦6勝2KO、西軍グリーンツダジム、若林の一戦
左を突きながら、右を打ち込み、前に出て、圧力をかける出田が1回から優位に
出田は、手打ち気味だが、連打がスムーズに
手数にまさる出田のペース
若林は、単発気味で、動きも固く、バランスもよくない
出田に詰められると、手が出ない
勝敗は判定にゆだねられ、59-57 60-56 60-55 3-0の判定で、出田の勝ち
ミドル級 ○淵上誠(八王子中屋) (3-0判定) 福森智史(正拳) ●
東軍は八王子中屋ジムの渕上(6勝1KO3敗)
最重量のミドル級にありながら、軽量級のスピードをアピールするサウスポー
西軍は、正拳ジムの福森(5勝3KO1分け)
1回から、手数、スピードで上回る淵上のペース
常に右のリードジャブを切らさず、距離を測って、左を打ち込み、即座に、頭の位置を変えて
打ち終わりのカウンター被弾を防ぐ淵上
ややアゴが上がり気味な点が気がかりの淵上だが、頭を振りつづけて、的を絞らせない
また、パンチに強弱がなく、全てが手打ち気味だが、その代わり、手数は豊富
ところが、4回から、渕上に疲れが見え始める
スタミナ失速の兆候
5回、6回は、やや福森がリード
勝敗は判定にゆだねられ、三者とも58-57 3-0の判定で渕上の勝ち
渕上が全日本新人王に
この日の興行、開始時刻は、17時 終了時刻は21時半頃
4時間半のロング興行に
MVPは、ライトフライ級優勝の黒田選手(新田ジム)
技能賞は、フェザー級優勝の加治木選手(協栄ジム)
敢闘賞は、スーパーフライ級優勝の大庭選手(FUKUOKAジム)
また、11月3日の全日本決勝戦の記事で、宣言した通り・・・・・・
「ボクレポ」が独自に選んだ東日本決勝三賞受賞者(MVP=フェザー級加治木選手
技能賞=スーパーフェザー級清水選手 敢闘賞=スーパーバンタム級上野選手)
に、些少ながら「激励賞」を送りました。
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