西澤さん、王座陥落!嶋田、バレロに「挑戦状」 (1.30後楽園ホール) |
「第13回スヴェンソンエキサイトボクシング」 ヨネクラジム主催
メインは、OPBFライトヘビー級選手権
41歳、「中年の星」西澤ヨシノリの、初防衛戦
西澤さんについては、あらためて詳しく説明する必要はないだろう
1966年1月11日生まれ 現在41歳と現役最高齢のプロボクサー
「ネヴァー・セイ・キャント(できないというな)」をモットーに、世界王座獲得の夢に向けて
今も戦いつづける不屈のカリスマ 「中年の星」
そのカリスマぶりは、半端なものではない
試合前日の29日午後7時30分、NHK「クローズアップ現代」では、30分にわたり、西澤さん
の特集が組まれたほど
題して「中年の星 西澤ヨシノリ 41歳の挑戦」
国営放送のゴールデンタイム枠を、30分にわたり占拠できるプロボクサーがほかにいるか
亀田三兄弟???
あれは、所詮、TBSだ
NHKとは、組織の規模もマンパワーも社会的影響力も、比較にならない
相撲にたとえれば、横綱と、十両
インドネシア人にたとえれば、クリスジョンと、モハマド・サディック(ウイド・パエスでも可)
タイ人にたとえれば、ソムサク・シスワンチャ-と、キティポップ・サンディジム(サマート・
シットサイトン でも可)
それくらいの違いがある
離島、山奥、片田舎
全国至る所、どんな地方にいっても、NHKは放送されている
つまり、NHKの視聴率1%は、TBSを含む民放の1%とは、視聴者数において、比較に
ならない
影響力に格段の開きがある
マンパワーという面で見ても、草野仁、森本毅郎、木村太郎、久保純子・・・・・
NHK出身のアナウンサーを、こっけいなくらいありがたがるのが民放の体質
その逆はない
天下のNHKのゴールデンタイム枠を30分にわたって占拠できるプロボクサーがほかに
いるか
「プロボクサーとして、どこまで強くなれるか その限界を見てみたい」
41歳の現在のほうが、身体能力が向上しているという驚くべき事実が明らかにされたこの
番組での、西澤さんの頼もしい一言
西澤さんの戦い、「ボクレポ」は、過去2試合をレポートしている
2006年5月16日に行われた「フィジーの重戦車」ラケッシュ・クマ-との激闘
( 過去記事 こちら )
2006年11月21日に行われた「フィジーの怪人」マリカ・カトニヘレとの死闘
( 過去記事 こちら )
「フィジーの重戦車」を2回TKOで、破壊
「フィジーの怪人」のほうは、1回、ボディブローでキャンバスにへたりこませる
2002年4月2日のギャビー・ニマセレ戦以来約4年半ぶりの「1回KO勝ち」
過去5戦5勝5KOの「フィジー人キラー」ぶりを発揮し、史上最高齢でのOPBFライト
ヘビー級新王者に君臨
「驚異の41歳」西澤さんの今回の対戦相手は、OPBF同級1位 豪州ライトヘビー級王者
ヒース・ステントン 31歳 戦績29戦11勝2KO17敗1分け
青コーナーから、入場のステントン
ライトヘビーとしては、小柄 お腹にややたるみ
赤コーナーから、西澤さん
入場するや、四方に礼
礼をしながらニコニコ笑顔の「西澤スマイル」
この余裕たっぷりのパフォーマンスに、ステントンは、早くも萎縮気味の表情
西澤さんのパンチが決まり、早い回ですってんトン、と倒されるかと思いきや
(ジョーさん風しょうもない系ジョーク)
この試合、1回から5回まで、ペースを握り続けたのは、ステントンさん
左を突きながら、左に回り、立ち位置を変えつつ、ワンツー、さらに左フック
西澤さんの上へのパンチは、ことごとくブロックされ、有効打は、ボディストレートのみ
ところが、西澤さん、不利な状況であるにも関わらず、3回ラスト10秒あたりから「ニコニコ」
と余裕の笑み
ステントンさんのパンチは、明らかに、西澤さんのアゴをとらえているように見えるが、
スマイルを絶やさない西澤さんには全く効いていないようだ
29戦して、11勝、うちKO勝ちは、わずか2試合のステントンさん
西澤さんが「打たれ強い」のはもちろんだが、ステントンさんに、パンチがないのも明らか
5回 ポイントの優位を確信したのか、ステントンさんは、アウトボックスモード
足を使って、リードジャブを主体に、左に回りながら、「流す」展開
私の採点は、5回まで全ラウンド、ステントンさんの10-9
笑っている場合じゃないぞ、西澤さん
6回 5回同様「流し」にかかるステントンさん
この回は、リードジャブの手数も乏しい
西澤さんのボディブローを評価して、この回は私は、西澤さんにポイント
7回 この回はステントンさん、一転して、手数を増やす
偶然のバッティングで、西澤さんの右眼上、流血
8回 9回も、ステントンさんのペース
前に出るのは西澤さんだが、ステントンさんのブロック技術は巧み
西澤さんの有効打は、ボディのみ
逆に、ステントンさんは、小さいパンチを的確に、ヒットさせる
ラスト3回を残し、私の採点では、89-81 8ポイント差でステントンさんのリード
試合全体の印象としては、そこまで差が開いているようには思えない
有効に決まっているはずのステントンさんのパンチはあまり効いておらず、一貫して、前に
出ているのは西澤さんだからだ
10回は、ほぼ互角
11回は、ボディブローの手数をとって、西澤さんのラウンド
最終12回は、ほぼ互角ながら、私はステントンさんに
118-111
私の採点では、ステントンさんのワンサイドゲームに
公式のジャッジの採点は、117-113 118-111 118-110
3-0で、ステントンさんが、新王者に
大喜びのステントンさん
盛んに、西澤さんの名前を叫び、健闘を称えている
西澤さんは、ファンに頭を下げると控え室に
「ポイントのとり方がうまかった」と、ヨネクラジム、米倉会長
ところが、西澤さんは「2-1で勝ったと思った」
「勝って、次に進むつもりだったので、今は何も考えられない」
いくつになっても夢を追うこと、あきらめないことの大切さを、身をもって、訴え続け、多くの
オヤジたちに、勇気を与え続けてきた西澤さん
引退か それとも再起か
一部報道によれば、週明けにもJBC(日本ボクシングコミッション)は、西澤さんに「引退勧告」
を突きつけるという
こういう無粋な行動は、やはり慎むべき
JBCに、西澤ヨシノリという不世出の偉大なボクサーに対するリスペクトの気持ちがあるなら
西澤さん本人の決断を静かに見守るべきではないだろうか・・・・・・・・・・
と、ここまで書いたのが試合1日後の1月31日午後10時頃
さらに1日たった2月1日午前11時、西澤さんのHPの「BBS」コーナー
本人のコメント
「1月30日の試合は、12R判定負け。皆様の期待に応えられずスミマセンでした。
HP,手紙、電話、差し入れ等で激励してくれた皆様、会場に応援に来てくれた皆様、有難う
ございました。
多々お問い合わせがある進退についてですが、自分の意思は現役を続行する事とステントン
との再選を希望しています」
「現役続行」の意向を表明した西澤さん
これを受けて、JBCが、どのような対応をとるのか、週明けの動向が注目される
この日の興行は全8試合
セミでは、WBAスーパーフェザー級14位、ヨネクラジムの嶋田雄大が、登場
本来ならば、今年1月3日のボクシンググランプリで、WBA同級王者、エドウイン・バレロへ
の挑戦が内定していた嶋田
ところが、練習中、右拳を骨折し、タイトルマッチは中止に
その嶋田がケガから復帰し、昨年6月以来、約半年ぶりに、リングに上がる
そのほか、6回戦2試合、4回戦4試合、が行われた
第7試合 セミファイナル 62.5キロ契約8回戦
○嶋田雄大(5回2分27秒KO)エンシフォック・ソーオラシン●
WBCライト級13位、WBAスーパーフェザー級14位、ヨネクラジムの嶋田(19勝12KO
3敗1分け)が、タイのソーオラシン(3勝1KO3敗)に、5回KO勝ち
1回、2回と様子見に徹し、ほとんど手を出さなかった嶋田
約半年、試合から遠ざかっていただけに、一気に決めにいかずに、じっくりと時間をかけて、
実戦の感覚を取り戻そうとしているかのよう
4回にワンツーを入れ、続く5回に、ボディ攻撃
ソーオラシンをキャンバスに沈めた
試合後の嶋田選手のインタビュー
聞き手は、スカイAの中尊寺アナ
「勝てたのはうれしいですが、今日の試合はやばかった。ムチャクチャ、やりにくかった。
強いというより、やりにくい」
「お客さんも白けていたので、ボディを狙いにいったが、けっこう、打ち返された。そこで、
ジャブからの攻めに切り替えて、KOすることができた」
試合を振り返った上で、嶋田選手、世界王者エドウイン・バレロに覚悟の「挑戦」表明
「1月3日、バレロと世界戦を行う予定だったが、右拳の骨折でキャンセルになってしまった。
一度、流れたバレロとの決戦を今年中に実現したい」
場内から「頑張れ!嶋田」
大きな拍手
嶋田選手の夢は実現するのか
王者バレロは次期防衛戦を、春にも、日本人選手と行う予定
挑戦者は、角海老宝石ジムの本望選手が最有力
スーパーフェザーというこの階級で、日本王座を獲り、さらにOPBF王座も獲り
防衛戦を着実にこなして、WBA世界ランクを2位にまで、引き上げてきた
1位のパッキャオ選手が、バレロとの対戦を拒否する意向である事から、2位の本望選手は、
バレロへの「指名挑戦権」を実質的に獲得
優先権は、公平に見て、本望選手にある
問題はその次の試合
バレロ陣営は、今春にも予定される本望戦を最後に、日本人選手相手の世界戦はやめて、
ビッグマネーが稼げる海外での世界戦を計画していると伝えられる
しかし、方針が変わり、再度、日本人選手相手に防衛戦を決断した場合
そこに、嶋田選手のチャンスがある
可能ならば、バレロ対本望の世界戦に続く次期日本人挑戦者は、何よりもファンの納得する
選手に決めるべき
そこで、提唱したいのが、事実上の「世界挑戦者決定戦」となる夢のカード
ヨネクラジムの嶋田雄大選手 対 角海老宝石ジムの小堀佑介選手の一戦だ
小堀選手は、現日本王者、WBC同級11位の世界ランカー
WBA同級14位の嶋田選手と、日本王座をかけて戦い、勝った方が次期挑戦者として
バレロと戦う、というプラン
盛り上がること、必至と思うのだが・・・・・・
第6試合 スーパーバンタム級6回戦 ○室田康平(5回15秒TKO)木村毅●
アマ25勝12敗、慶応大学出身のヨネクラジム、室田(2勝2KO1分け)と、緑ジムの木村
(5勝1敗)の一戦
アマ出身らしく、アップライトの構えの室田は、カウンターの右ストレートを次々に決めて、
試合をリード
ファイタータイプの木村は、前に出て、プレス
カウンターをとるセンス、防御技術は素晴らしい室田だが、前に出る木村を押し返すパワー
に欠ける
試合は有効打にまさる室田が優位に
4回には、突進を繰り返していた木村が、偶然のバッティングでおびただしい流血
5回 室田の連打が決まり、レフェリーが試合を止めた
第5試合 ライト級6回戦 ○今泉陽介(3-0判定)田中宏昌●
沼田ジムの今泉(5勝1KO2敗2分け)が、角海老宝石勝又ジムの田中(5勝1KO4敗)
に、3-0の判定勝ち
(59-55 60-55 60-55)
ワンツーの切れがよく、上下の打ち分けも巧みな今泉のワンサイドゲーム
田中は打たれながらも前に出て、くっついて、ボディを狙うがクリーンヒットはほとんどない
ただ、「打たれ強く」タフであることは確か
最終6回は、顔を腫らしながらも前に出る田中がやや押し気味
勝敗は判定にゆだねられ、3-0で、今泉の勝ち
第4試合 スーパーウエルター級4回戦 ○八木勇一(3-0判定)村田有司●
ヨネクラジムの八木が、角海老宝石ジムの村田(1分け)を3-0の判定で下し、デビュー戦を
白星で飾る。
(40-36 40-36 40-36)
左フックの威力に定評のある村田
1回から、左フックを強振して、八木に迫る
ただ、このパンチにのみ頼りすぎていて、単発傾向
距離が詰まっても、大振りの左フックを振るい続け、逆にショートの的確なパンチをもらって
しまう
八木は、デビュー戦ながら、パンチも多彩で、手数もよく出る
手数、有効打、防御技術にまさる八木が、フルマークの判定勝利
村田は、破壊力のある左フックに、つなげるための組み立て、工夫が必要
いきなり、振り回しても、そうそうヒットするものではない
ワンツーからの左フック 相手の右に合わせた左フック 左ボディアッパーからの上に返す
ダブルの左フック 右のフェイントを交えての左フック 相手のパンチを左にヘッドスリップ
してからの左フック などなど
さまざまなコンビネーション、フェイント、攻防のつながりの中で、「左フック」を放つ工夫を
心がけて、練習していかないと、勝ち上がっていけないと思う
第3試合 ウエルター級4回戦 ○竹之内豊明(2-0判定)飯塚ひろき●
ヨネクラジムの竹之内(2勝1KO3敗2分け)が、高崎ジムの飯塚(2勝2KO4敗)に、2-0
の判定勝ち
(39-37 39-37 38-38)
1回、バッティングに抗議して、ガードを下げた飯塚に、竹之内は連打
いきなりダウンを奪う
これは、完全に、飯塚の油断
飯塚は、身体能力に恵まれ、スピードとパワーに優れた好選手と感じたが、気合いが入りす
ぎているのか集中力に欠ける傾向
打ち終わりが雑で、不用意にパンチをもらいすぎるほか、ガードを下げるクセも目立つ
それでも私の採点では、2回から4回まで、飯塚のラウンド
ダウンのマイナス2ポイントを挽回したかに思えたが、ジャッジの判定は2-0で竹之内の勝ち
第2試合 スーパーバンタム級4回戦○矢島拓也(1回2分19秒TKO)山口嘉之●
ヨネクラジムの矢島(1勝1KO)が、厚木平野ジムの山口(1勝1敗)に、1回TKO勝ち
右ストレートから左アッパーで、矢島がデビュー以来、2連続KO勝利
スピード、手数、パンチの多彩さ、防御技術、あらゆる面で矢島が対戦相手を上回った
矢島は本来の階級はバンタム級
今年度新人王戦にエントリーするとしたら、1月6日、やはり、見事なKO勝利をおさめた
バンタム級東日本新人王戦優勝候補、田中稔大選手(角海老宝石ジム)の好敵手にな
る可能性大
第1試合 ライト級4回戦 ○青木・クリスチャーノ(4回27秒TKO)田辺栄治●
駿河ジムの青木・クリスチャーノ(1勝1KO)が、ヨネクラジムの田辺(デビュー戦)に、4回
TKO勝ち
フィニッシュは、右ストレート
「応援ヨロシク!押忍!」
とマイク
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