攻めるディフェンスマスター「ニュー木村」不敗の宮を下す (3.10後楽園ホール) |
第407回ダイナミックグローブ 「弾丸」VOL 1
主催、ビータイトプロモーション
明らかに、戦意を欠いているとしか思えない無気力ファイトを常習的に展開する外国人
ボクサーを完全排除
全7試合、すべてが日本人対決という緊張感あふれるマッチメイクに
第7試合 メイン 56キロ契約10回戦 ○木村章司(3-0判定)宮将来●
日本スーパーバンタム級2位、17戦16勝12KO1分け、ヨネクラジムの無敗のホープ
宮と、同級5位、元日本王者、花形ジムの木村(19勝7KO2敗1分け)のランカー対決
事実上の次期日本王座挑戦者決定戦
宮は、「ディフェンスマスター」の異名を持つ木村の鉄壁の防御を崩し、どこまで詰めきれる
か
木村は、右ファイタータイプ、宮のプレスをどこまでさばき切れるか
1回 いきなり波乱
2分20秒過ぎ 木村が、ジャブの打ち出しから、左フック
迎える宮が、左フックを合わせようとした瞬間
ガードの真ん中を抜いて、木村の右ストレートが、宮のアゴにクリーンヒット
宮、プロ入り初の、ダウン
舌を出しながら、笑みを浮かべて立ち上がる宮
2回 いきなりのダウンを奪われた宮だが、動揺の色は見えず
1回以上にプレスを強め、左フックを上下に散らし、木村に迫る
木村は、左のジャブをつきながら、左に回り、宮が中に入ってくるところに左右のアッパー
を織り交ぜたコンビネーション
左にダッキングしながら、左フックを打つ宮は、右のガードの位置が下がりがちに
その隙をついて、大きなモーションからの変則的な左フックを打ち込む木村
この迫力ある左フックを見せられた影響もあってか、この日の宮はいまひとつ右が出ない
私の採点は2回は10-10
3回 宮はさらに、圧力
しかし、この日の木村は、足を止めて打ち合ってみせる
宮の距離に入って、手数を振るう木村
セコンドについたマック栗原の指導のもと、230ラウンド以上のスパーを行ったという木村
防御重視のアウトボクサーから、打ち合いにも応じられる「ニュー木村」スタイルへのモデル
チェンジか
しかし、宮の攻撃も素晴らしい
左ジャブから左フック さらに左アッパーをフォローして、ショートの右
みたこともない独特のコンビネーションが炸裂する
3回は10-9で宮に
1回にダウンを奪われたものの、体勢の立て直しに成功しつつある宮
しかし、4回 木村は、2回、3回の「打ち合い」モードを修正
足を使って、執拗なプレスをさばき、宮の前進に合わせ、アッパーをヒットさせる
この回、右目上をカットし、流血の宮
4回は10-9で木村
5回も木村のペース
フットワークに、クリンチも多用し、宮の攻撃をかわす木村
左ジャブからの右アッパー
宮の左に合わせた左アッパー
「アッパー」を織り交ぜた木村の連打で、宮のアゴが跳ね上がる場面も
6回 右目上の傷が開き、ダメージが色濃い宮
この回は明らかな手数不足
ラスト10秒、ワンツーフックからの右アッパー
木村のきれいなコンビネーションが決まる
6回を終わって、私の採点では、59-55で木村
ここまでで、指摘したいポイントは、木村の「アッパー」
低い姿勢から、パンチを上下に散らしつつ、ガードを固めて、ぐいぐいと前進してくる
スタイルの宮
この「ファイタースタイル」をとる選手が多いのがヨネクラジムの特徴だ
対戦相手の立場から見ると、このようなファイタースタイルに対抗する有効なパンチは
「アッパー」だ
「アッパー」を巧く用いることができれば、戦いを有利に進めることができる
7回 このまま木村が一気に決めにかかるかと思われたが、宮も頑張る
宮のボディブローが効いてきたのか、木村、消耗の色
この回は10-10
8回 スタミナが切れかかってきた木村に、宮は猛追
なかなか出なかった右をヒットさせる
しかし、木村もたくみに、足を使って、宮の攻撃をさばく
10-10
9回は明らかに宮のペース
前に出て、木村を攻める
10-9で宮
最終10回を迎え、私の採点では88-85 3ポイント差で木村
この回、宮はなりふり構わず、捨て身で前に
ポイントの優位を自覚か 木村はクリンチで距離をつぶす
試合終了のゴング
10回は攻勢をとっていた宮の10-9
私の採点では、97-95 2差で木村
公式のジャッジの採点は、97-95 98-95 99-95 3-0で木村の勝ち
木村が、不敗のホープ、宮を下し、日本王座挑戦に向けて大きく前進
第6試合 60キロ契約8回戦 ○会田篤(3-0判定)豊島耕志●
ワタナベジムの会田(13勝9KO2敗1分け)が、ファイティング原田ジムの豊島(16勝8KO
13敗1分け)に、3-0の判定勝ち
( 78-75 78-75 78-74 )
サウスポーの豊島に、リーチに恵まれた会田は、距離をとって、右を打ち込む展開
ところが、2回2分40秒過ぎ 豊島の右フックがクリーンヒットし、会田、ダウン
しかし、3回以降、会田は手数を振るって、再度、ペースを握る
詰めたい豊島だが、会田のジャブ、右ストレートで突き放され、押されがちに
勝敗は判定にゆだねられ、3-0で会田の勝ち
右の迫力で、ダウンのロストポイントを挽回し、勝利した会田だが、課題も
全体的に、ガードに難
ガードが常に低く、特に右の打ち終わり、左のガードが下がり、左頭部ががら空きに
ここに、右フックをまともに入れられたのが、2回のダウン
また、右の引きが遅く、右を打ったあと、身体が流れるクセも
右に、右を合わせられたら、まともにもらってしまいそう
2005年11月19日ビータイトスーパーフェザー級決勝
「右に右を合わせる」戦法で、1ラウンドKOに会田を下したのは、ヨネクラの小沢大将
この一戦の教訓を生かし、早急に、さらなる修正、をはかるべきと思う
第5試合 ライト級8回戦 ○方波見吉隆(4回2分25秒KO)金晳徹●
ドリームジムの金(9勝6KO3敗)と、伴流ジムのサウスポー、方波見(10勝7KO2敗1分け)
の一戦
1回 右を打っては右に回るサウスポーの方波見
正面から入る金だが、方波見のワンツーがヒット 金、ダウン
2回も、右で距離をとり、金が入ってくると鋭いアッパーを打ち込む方波見が優位
ドリームジム金サイドのセコンドからは、右を伸ばして金の頭を押さえようとする方波見の
右肘に、アッパーを突き上げて、左に回りこむよう指示があるが、金には聞えず
なんとか距離を詰めて、方波見のふところに入ろうとするが、スピード不足
動きにいまひとつ切れを欠いている印象で、方波見に見切られてしまう
3回後半、方波見ラッシュ 金、打たれっぱなしに
そして、4回 右アッパーからの左ストレートをまともに浴びて、棒立ちの金
さらに連打が入り、KO負け
ダメージの深い金は担架
伴流ジムのエース、方波見が、2004年10月29日のB級トーナメント決勝、三神戦以来の
鮮やかなKO勝ち
第4試合 フェザー級6回戦 ○石田隆次(1回2分23秒TKO)千木良恒平●
国分寺サイトージムの石田(7勝2KO6敗)が、角海老宝石ジムの千木良(6勝2KO4敗)
を1回TKOに下す
サウスポーの千木良をロープに詰めた石田は、左フックをアゴにヒットさせて、ダウンを奪う
立ち上がった千木良だが、かなりのダメージ
石田がパンチをまとめ、レフェリーストップを呼び込んだ
第3試合 50キロ契約4回戦 ○橋本翔太(2-1判定)野崎雅光●
高校生大会全国3位、アマ戦績20勝7敗、八王子中屋ジムの野崎のプロデビュー戦
相手は3戦3勝2KO、の協栄ジム、橋本
1回から、橋本は頭を低くして、前に
右オーバーハンド、右フックを打ち込んで、野崎を押し込む流れ
スピードでは負けてない野崎だが、橋本の手数とパワーの前に、後手に回らされる
私の判定では、40-37で橋本
1回のみ10-10 2回から4回は橋本に
しかし、ジャッジの判定は、一人は40-37で橋本だが、もう一人は39-38とわずかに
1ポイント差で橋本
さらに、残り1名のジャッジは、39-38と野崎に
2-1で、橋本が勝ったが、どうにも違和感が残る判定
第2試合 54.4キロ契約4回戦 ○荻野淳(3回2分27秒KO)臼井正信●
本職は消防士、ワールドスポーツジムの荻野(デビュー戦)と、本職、町役場職員、石川
ジムの臼井(デビュー戦)の「公務員対決」
ワンツー主体の攻撃で、足を使うボクサーファイタータイプの臼井
荻野はパワフルに詰めて、戦うファイタータイプ
1回から、荻野のパンチがヒット
臼井は、下がらされる流れ
3回 さらにプレスを強めた荻野の右フックが炸裂し、臼井は立ち上がれず
両選手デビュー戦の「公務員対決」は消防士、荻野のKO勝ち
第1試合 スーパーフライ級4回戦 ○井上博生(3回TKO)稲葉鉄平●
セレスジムの井上(2敗)が、新日本タニカワジムの稲葉(1勝1KO6敗)を3回TKOに下し
プロ初勝利
サウスポーの井上は、1回から左を入れて、ペースをつかむ
稲葉は、上体が固く、正面から突っ込みすぎる印象で頭も振れていない
井上のパンチを一方的に被弾し続けてしまう
3回、井上の連打の前に、棒立ち状態の稲葉
ダメージが深いと判断したレフェリーが試合を止めた
最後に・・・・・
この興行、「ボクレポ」はじめて、関係者受付係というのをやってみた
当日、ホール5階の受付にいた慣れない雰囲気のニット帽が実は「ボクレポ」
簡単なようで、奥が深い仕事
とても楽しかったのだが、自覚症状はなかったもののかなり疲れてしまったようで、
打ち上げ後の二次会では途中から熟睡状態に・・・・
また、このサイトだが、写真を担当している人が3名いる
一人は「ボクレポ」で、一番下手のどうしようもないド素人 デジカメ専門
もう一人が、プロカメラマンのAさん
もう一人が同じくプロカメラマンの井口匡さん
この井口さん、今年の2月から手伝ってもらっているのだが、素人の私から見ても、印象的
な写真を撮る
以下に、この興行での井口さんの写真を「ボクレポ」のセンスで、ピックアップして掲載。
題して「後楽園ホール」???
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