亀田興毅「二階級制覇」に前進!(3.24 両国亀田場所) |
「二階級制覇への道、第一章」
メインは、ライトフライ級に続いて、フライ級での「二階級制覇」を目論む亀田興毅選手が
WBCフライ級12位、WBC米大陸フライ級王者、エベラルド・モラレスに挑む10回戦
また、セミ前には、「亀田家の最終兵器」三男和毅の2分2ラウンドのスパーリングも
亀田選手関係の興行については、一般の関心も高く、圧倒的な人気の現状、その背景から
「試合」そのものにについての技術分析に至るまで、様々な報道がなされ、有名無名を問わ
ず様々な人たちの議論の対象になっている
重複を避けて、「ボクレポ」独自の視線という面をあえて強調すれば、やはりこだわりたい
ポイントは「オーロラビジョン」の問題
なぜ、亀田選手関係の試合のみ、ビジョンに映し、その他のアンダーカードに出てくる選手
の試合は映さないのかということだ
自分達さえアピールできれば、あとはどうなろうとかまわない
いや、逆に、自分達が人気を得るためには、他のボクサーは、なるべく目立ってもらいた
くない
たかが「オーロラビジョン」 されど「オーロラビジョン」
亀田人気が盛り上がっているにも関わらず、ボクシング人気が盛り上がらない現状
その背景には、この「オーロラビジョン」問題に象徴されるような亀田家サイドの問題
つまり「自分達さえよければあとはどうなろうとかまわない」といった「家族エゴ」がある
のではないか、と指摘してきた
日本人選手との対戦を避け続ける亀田家サイドの一貫した姿勢
その理由もこの「家族エゴ」の問題に行き着いてしまうのでは
対戦相手の日本人にも、スポットライトが当たってしまうことが我慢ならない
さらに、万一、負けてしまった場合、ここまで築き上げてきた亀田人気の一切をその選手に
「食われてしまう」可能性がある
それだけは、なんとしても避けなければならない
たとえば、坂本博之選手と畑山隆則選手、あるいは辰吉丈一郎選手と薬師寺保栄選手の
一戦
全国ネットのゴールデンタイムで、テレビ放送され、試合内容も素晴らしく、ボクシング人気
の盛り上げに大いに貢献した
なにがきっかけで、プロボクサーになろうと思ったのか
そんな質問をすると、現在、第一線で活躍するプロボクサーの多くから「あの畑山、坂本戦
に感動して」とか「辰吉対薬師寺の試合を見て」といった回答が
もしも、いま、「亀田興毅対内藤大助」あるいは「亀田大毅対河野公平」
「かませ犬の無気力ファイト」を排除したこのような日本人対決が実現したら、全くボクシング
に関心がない人たちにも大いにアピール
ジムの門を叩く若者が一気に増えるかもしれない
しかし、亀田家サイドには、そうしようとする気配さえ見えない
自分達家族さえ経済的に成功できれば、あとはどうなろうとかまわない
いや、逆に、自分達が経済的に成功するためには、他のボクサーは、なるべく目立ってもらい
たくない
亀田家サイドが、こういう視野の狭い「家族エゴ」から脱却しない限り、亀田人気は一向に
ボクシング人気には、結びつかない
他者や、自分が拠って立つ周囲との関係や自分もその一員であるはずのボクシング業界
全体の利益を一切、無視して、自分たちの利益だけを追求するこの自己中心的な姿勢
この「家族エゴ」こそが、ボクシング業界内のみならず世間からも異様なほどのバッシング
を受けてしまう原因にもなっている
興毅、大毅は、情熱を持ち、夢に向けてひたむきに努力を重ねる真摯なプロボクサー
彼らもいずれは現役生活に別れを告げ、ジム経営か、あるいは、ボクシング解説者か
大なり小なり、ボクシング業界に関わって、生活していくことだろう
彼らの将来のためにも、「家族エゴ」から脱し、自分達だけの短期的な利益のみを追求する
のではなく、ボクシング業界全体を盛り上げることを真剣に考えるべき
それが、回りまわって、自分達の「短期的利益」ではなく「中長期的な」利益にもつながり
「亀田三兄弟」の幸せにもつながるはず
やるべきことはいくつもあるが、「隗(かい)よりはじめよ」で、まずは身近で簡単にできる「オー
ロラビジョン」から手をつけてほしい
亀田選手のみでなく、その他のプロボクサーの試合も「オーロラビジョン」に映して、亀田見た
さに会場に足を運んだ人たちに、ボクシング自体の魅力をアピールしてもらえれば
「ボクレポ」は一貫して、このことを訴え続けてきた
以下「過去記事」も合わせて、ご参照いただければ幸い
2006年3月 両国亀田場所興行
2006年5月5日 有明コロシアム興行
2006年8月2日 亀田興起対ランダエタ 夢の始まり興行
2006年12月20日 亀田興起対ランダエタ2 有明コロシアム興行
そして、今回の両国興行
会場に入ってみて、驚かされた
悪い意味での「驚き」と、よい意味での「驚き」が
まずは、悪いほうから・・・・・・・
この日の興行、午後4時半試合開始と告知され、ポスターにも、チケットにも、そのように明記
されていた
ところが、会場に入ってみると、すでに、第一試合が終了
第二試合がもう始まっている
なんでも、急遽、当日になって、試合開始時間が変更されたのだという
こんな「アバウト」な話があっていいのか
たとえば、K1やプライドの興行ではありえない話だ
K1、プライドのみならず、演劇でも歌謡ショーでも、コンサートでも
およそ「興行」と名のつく世界で、開始時間が遅れることはあっても、主催者の都合で、早ま
ってしまうというのは、考えられない
コンサートや映画と同様、発行されたチケットは、第一試合から、メインに至るまで、すべての
試合に対する対価であるべき
第一試合、伊藤直行選手(新和川上ジム)と、三浦茂樹選手(18古河ジム)のバンタム級
4回戦
第二試合、桐平勝賢選手(シャイアン山本ジム)と、クロコダイル浦田選手(ワタナベジム)
のライト級4回戦
この二試合は、観戦することができなかった
この二試合、登場する4選手すべてがデビュー戦という「フレッシュ対決」
結果のみ、いうと、第一試合は、伊藤選手の勝ち
3回1分44秒、TKO
第二試合は、クロコダイル浦田選手の判定勝ち
次に、よい意味での「驚き」
なんと、第二試合のライト級4回戦が「オーロラビジョン」に映されていたのである
これが、その証拠
まさか、「ボクレポ」に説得されたわけではないだろうが、いずれにしても喜ばしい
ところが、「喜び」は一転、「失望」に
第三試合から、またしても、「オーロラビジョン」には、試合の映像は映らず
映ったのは、第4試合の「亀田家四男」あきべえ選手の試合
セミ前の三男和毅のスパーリング
そして、メインの興毅対モラレス
亀田ファミリーの試合のみ
同じ協栄ジムの武田浩佑選手、鎧塚真也選手、さらに、セミの日本バンタム級8位高吉選手
の試合は、全く「オーロラビジョン」に映されない
後楽園ホールのような小さい会場なら、「オーロラビジョン」などなくてもよく見える
しかし、両国国技館のような大会場では、やはり、「オーロラビジョン」に試合の映像を映さ
ないと、その迫力は伝わりにくい
どうにも理解に苦しむのは、では、なぜ第二試合は映していたのかということだ
試合開始時間が、急に何の断りもなく早まったりしたことも含めて、「謎」としかいいようが
ない
では、早速、第三試合から、この日の戦いをレポートしたい
第3試合 ウエルター級4回戦 ○武田浩佑(3-0判定)宮本成日●
協栄ジムの武田(3勝1KO1敗1分け)が、JBスポーツジムの宮本(3勝1KO1敗1分け)
に3-0の判定勝ち
( 39-38 39-38 39-38 )
「打って、打って、打ちまくる!よっしゃ」
この日のパンフレットに書かれた武田選手のメッセージ
1回から、ガードを固めて、頭を低くして、ぐいぐいと前に出てきたのは、宮本
計量会場でも、武田選手をにらみ続けていた、という宮本
旺盛な闘志でやや押し気味の展開
しかし、2回 武田の左ボディアッパーが決まるや、宮本のプレスが弱まる
武田は2回以降、宮本のボディをしつこく攻めて、優位に
しかし、宮本も、タフで、武田の強いパンチを浴びながらも倒れない
勝敗は、判定にゆだねられ、3者ともに、39-38 3-0の判定で武田の勝ち
第4試合 ウエルター級10回戦
○牛若丸あきべえ(1回30秒KO)マルコ・トゥフムリー●
日本ウエルター級2位、OPBFウエルター級9位、協栄ジムの牛若丸あきべえ(12勝11KO)
が、インドネシアウエルター級6位、マルコ・トゥフムリー(11勝4KO7敗1分け)を、1回30秒
KOに下す。
ゴング直後から、あきべえがラッシュ
マルコの右のアッパーに合わせたあきべえの右フックが、ボディに決まるや、マルコはキャン
バスに倒れこむ
そのまま立てず、KO負け
デビュー2戦目からの12試合連続KO勝利のあきべえ
歴代5位タイで、浜田剛史(浜さん)の持つ15連続KOの日本記録にあと3つと迫った
第5試合 ライト級6回戦 ○鎧塚真也(3-0判定)諏訪雅士●
協栄ジムの鎧塚(7勝4KO1敗1分け)が、ピューマ渡久地ジムの諏訪(5勝4KO4敗)に
3-0の判定勝ち
( 59-57 59-56 59-56 )
「練習の成果を出せるように頑張ります」
パンフレットに載っていた鎧塚選手のメッセージ
2回、諏訪の右ストレートがカウンターでヒットする場面もあったが、全体としては鎧塚が
試合を支配
3回以降、足を止め、頭をつけあってのインファイト
勝敗は、判定にゆだねられ、3-0で、鎧塚の勝ち
セミ前には、「亀田家最終兵器」三男和毅、の2分2ラウンドのスパーリング
スパー相手は、ムーリーバッティネ選手
フィリピン国内ランカーとのことだが、スパー相手くらい、日本人でもよかったのでは
肝心の和毅選手の動きだが、ガードを固めて、べた足で前に出て、左右のフック系のパンチ
を振り回す、といった亀田スタイル(別名闘拳スタイル)とは全く異なる
しっかりとジャブを突き、足を使って、コンビネーションで打つ
バランスもスピードもなかなかのもので、場内からは暖かい拍手
2ラウンドに入るや、相手選手にロープを背負わせ、連打
レフェリーを務めていた亀田家専属の篠田トレーナーが「危険」と判断し、スパーを中止
させた
まあ、これは「ご愛嬌」というところ・・・・・・
こんなよけいなことをしなくても、和毅選手が「逸材」であることは十分に伝わった
第6試合 バンタム級6回戦 ○高吉勝之(3-0判定)伊佐主税●
日本バンタム級8位、協栄ジムの高吉(8勝2KO1分け)が、沖縄ワールドリングジムの伊佐
(9勝2KO7敗)に3-0の判定勝ち
( 59-57 59-56 59-56 )
サウスポー高吉選手は、毎試合、指摘しているのだが、ガードが低過ぎて、とにかくあぶな
っかしい
天性のセンスとスピードで、伊佐の有効打はもらわないが、現実に、過去、このガードの低さ
をつかれて、何回かダウンを奪われている
1回から、高吉の優位な流れ
高吉のロングのパンチが決まるが、ノーランカーの伊佐は決して下がらない
打たれても前に 前に
距離をつぶして、接近戦に持ち込めば、ガードの低い高吉にパンチを当てることが出来る
打たれても前進をやめない伊佐に、高吉は戦いにくそう
3回には、伊佐のバッティングで右側頭部をカット
4回には、足を使って、流しにかかる高吉だが、伊佐はただただ愚直に追い続ける
結局、最後まで、伊佐の前進はやまなかったが、高吉に決定的なパンチを当てることは
できず
有効打にまさる高吉が、3-0の判定で9勝目
第7試合 フライ級10回戦 ○亀田興毅(3-0判定)エベラルド・モラレス●
対戦相手モラレスは、1976年7月生まれ、30歳のメキシカン
WBCフライ級12位、WBC米大陸フライ級チャンピオン
あのポンサクレックにも挑戦した右ボクサーファイター
戦績は、28勝20KO11敗2分け1無効試合
戦績を見る限り、パンチもありそう
ただし、メキシコは、ストップが異様に早いそうで、メキシカンのKO率の高さはあまり当てに
ならないという意見も
「3回までのKO」を予告していた興起
1回から、ノーモーションの左をヒットさせて、ペースをつかむ
ランダエタとの第2戦では、足を使ったみごとなアウトボクシングを展開してみせた興毅だが
この日はガードをがっちり固めて、ジャブを使わず、身体ごと前に移動させて、プレス
いわゆる「亀田(闘拳)スタイル」
対するモラレスは、ガードの隙間をついて、丹念にショートの左アッパー
左ボディアッパーを入れて、腕を引いて、内側から左アッパーというコンビネーションも
目立つ
どうやら、興毅のアゴが弱い、という情報はつかんでいるようで、コンビネーションの最後の
パンチは「アゴへ」というパターンが多い
しかし、興毅のガードは固く、クリーンヒットは許さない
4回には、左ボディアッパーに、ノーモーションのスピードあふれる左ストレートをカウンター
でヒットさせてモラレスをぐらつかせ
5回には、モラレスがバックステップした場面、足がそろったところに、やはり左を打ち込んで
ダウンを奪う
1回から5回まで、私はすべてのラウンドを興起に
「3回KO」の予告は実現できなかったものの、このまま興毅が圧勝するかと思われた
しかし、6回
ラスト30秒、ロープ際で、ラッシュをかけた興毅のアゴにモラレスの左フックがクリーンヒット
テレビでも確認したが、思わず解説の鬼塚氏も「ああ・・・」とさけぶほど、まともに入ったパンチ
この一撃から、試合の流れは、一転してモラレスに
7回 8回 9回
6回の左フックのダメージが消えない興毅は、足の踏ん張りが利かないのか、手数も足りず
受けに回らされる展開
9回には、モラレスのアッパー、ワンツーを浴びて、ぐらつく場面も
しかし、最終10回には、猛練習で鍛え上げたスタミナを発揮して、手数を繰り出す
試合終了
私は6回から9回は、モラレスの10-9に
最終10回は、興毅に振った
私の採点では、96-93で興毅の勝ち
ジャッジの採点は、97-93 97-92 99-91!!
3-0で興毅の勝ち
ただ、印象的だったのは、試合後の興毅のインタビュー
顔は勝者のそれではない
「フライ級に戻って最初の試合で10回までやったのはええ経験になった」
「俺はまだまだキャリアが足らん」
謙虚に反省の言葉を繰り返す興毅には、好感が持てた
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