川崎タツキ、壮絶に散る!石田、スーパーウエルター初防衛!(4月5日後楽園ホール) |
「クリーンファイトボクシングⅡ」 草加有沢ジム主催
見どころは、なんといってもメイン
日本スーパーウエルター級タイトルマッチ
王者、石田順裕 対 挑戦者、川崎タツキ
チャンピオンカーニバル重量級、屈指の好カード
ともに、クレイジーキム(ヨネクラジム)の王座に挑戦し、敗れたもの同士
王者、石田(金沢ジム)は、身長186センチのリーチを生かしたアウトボクシングを得意とする
右ボクサータイプ
アマチュアで99勝15敗の実績
プロ戦績は23戦16勝5KO5敗2分け 31歳
OPBFスーパーウエルター級1位につける
挑戦者、川崎(草加有沢ジム)は果敢に前進し、左右のフックを得意にするファイタータイプ
のサウスポー
戦績は22戦20勝16KO2敗
日本スーパーウエルター級3位 OPBF同級10位
元暴力団構成員、覚せい剤中毒者であった過去を持つ
ボクシングに一心に取り組むことで、破滅の道に陥ることなく、「プロボクサー」として更正
川崎を一貫して、支え続けたのは、このほど入籍した恋人、佐藤優香さんの変わらぬ愛情
この二人のストーリーは、フジテレビ系列で、ドキュメンタリー番組として放映
大きな反響を呼んだ
1972年4月3日生まれの川崎は、現在35歳
あとがない年齢
事実上のラストチャンス
しかし、過去二度敗れているクレイジーキムへのリベンジに燃える石田にとっても生き残りの
かかった決して負けられない一戦
勝つのは、川崎か 石田か
また、セミには、元フライ級日本ランカー同士の一戦
元日本フライ級4位中釜兵武(白井具志堅スポーツジム)対元日本フライ級7位斉藤友彦
(草加有沢ジム)
中釜は9勝7KO5敗、斉藤は10勝8KO7敗1分け
ともに、フライ級としては、高いKO率を誇るハードパンチャー
さらに、セミ前には、草加有沢ジム期待の岩渕真也が登場
昨年度B級トーナメントライト級準優勝、15戦8勝8KOの、池田俊輔(角海老宝石勝又)
と激突
左ボクサーファイター、攻防兼備の岩渕か 右ファイター、ハードパンチャーの池田か
アンダーカードは4回戦6試合
全9試合 草加有沢興行を完全レポート
第9試合 チャンピオンカーニバル 日本スーパーウエルター級タイトルマッチ
○王者、石田順裕(6回1分39秒TKO)挑戦者、川崎タツキ●
長身の右アウトボクサー、王者、石田対左ファイター、川崎の一戦
1回 頭を振って、中に入り、左右のフックで攻め込もうとする川崎だが、石田のふところは
深い
左を突かれ、距離を作られる川崎
中に入ろうとしても、石田は、アッパーで迎え撃つか
ステップワークでいなされ、あるいはクリンチで距離をつぶされる
1分30秒過ぎ 攻め口を探しあぐねていた川崎に、石田のロングの右がクリーンヒット
川崎、ダウン
立ち上がるも、ダメージは深そう
今日の石田の右は、コンパクトで、シャープ
2回 頭を振って、プレスをかけ続ける川崎
石田は入ってくる川崎に、アッパー
川崎、鼻血
石田の左ジャブは的確
川崎は、効果的に距離を詰められない
完全に、石田のペースに
3回 2分過ぎ 川崎の左フック
場内は、大きく湧くが、被弾は肩の上
クリーンヒットとは言いがたく、石田のアッパー、ストレートが川崎を苦しめる
4回は、言葉は悪いが、「公開処刑」の様相
ジャブ、ストレート、アッパー
あらゆるパンチをまともに打ち込まれ、川崎の顔は腫れあがり、顔面は血まみれに
ダメージが重なるばかりで、反撃の展望が全く見えない展開
もう止めたほうがよい
ホール常連客から
「おい、止めないと死んじゃうぞ」
5回 展開は変わらず 石田のメッタ打ち状態
川崎は、この回 2度、マウスピースを吐き出す
アゴの骨が折れている懸念あり
それでも、レフェリーは止めない
2日前に、35歳の誕生日を迎えた川崎にとって、事実上のラストチャンス
完全燃焼させるまで、徹底的に戦わせたい、ということなのか
偶然、右隣の席には、川崎選手の夫人、優香さん
痛々しくて、夫人のほうには顔を向けることができない
「タンタン、タンタン!」
声を上げて、夫を応援していたが、そういうわけで、その表情はうかがえず
6回 1分過ぎ またもや川崎のマウスピースがはずれる
両まぶたの流血も止まらず
サンドバック状態の川崎
それでも、後ろに下がらず、前に出て、パンチを振るう
しかし、1分39秒、石田の連打で、棒立ちになったところ、セコンドからタオル投入
偶然だが、ほぼ同時のタイミングで、レフェリーストップ
最後まで、集中力を切らさず、川崎の強打を完璧に封じ込めた石田が、昨年12月に獲得
したタイトルの初防衛に、成功
第8試合 フライ級8回戦 ○中釜兵武(3-0判定)斉藤友彦●
フライ級元ランカー
ハードパンチャー同士の一戦
1回 中釜のワンツーが、クリーンヒット
ぐらつく斉藤
一気にパンチをまとめる中釜
近い距離での打ち合いの中、中釜の右が炸裂
斉藤、ダウン
立ち上がった斉藤だが、中釜はさらに、詰めて、左フック
斉藤、二度目のダウン
立ち上がるが、ダメージは色濃い
ところが、2回 中釜は強引に行き過ぎて、パンチが大振りに
ダメージは抜け切ってはいないものの、斉藤は冷静に、中釜の打ち終わりに左ショートの
フック、右ショート
この回は10-9で斉藤のラウンド
3回 一転して、斉藤は、中釜のボディ狙いに
これが奏功
この回、中盤から中釜の背中が丸まって、くの字に
4回も斉藤が優位
ボディに加え、左フックが何度もクリーンヒット
中釜は、ボディが弱い また、右のガードに難あり
私の採点では、前半4回を終わったところで、37-37
斉藤が1回のダウンで喫した失点を、挽回した形に
ところが5回 両選手の距離が詰まり、足を止めての打ち合いの中
中釜の右フックが炸裂
斉藤、ダウン
立ち上がる斉藤だが、さらに続く打ち合いで、中釜の左フック
腰から、キャンバスに沈む斉藤
この試合、4度目のダウン
しかし、斉藤はまたもや立ち上がってくる
壮烈な打ち合いの中、5回終了
中釜には、独特のすぐれた「当て勘」があるようだ
1回も、そして5回も
足を止めての打ち合い、距離が詰まった打撃戦では、最後には斉藤に打ち勝ってしまう
反面、ボディが弱く、ガードも甘い
6回は、一転して、ダウンをとられていた斉藤の優位
中釜は、打ち疲れの上、ボディが効いている事もあって、手数不足
7回はほぼ互角
そして、最終8回 ポイントでは、4度のダウンを喫した斉藤が圧倒的に不利
逆転KOを狙う斉藤は、果敢に前に
「打ち合い」に自信のある中釜も正面から迎え撃ち、白熱の打撃戦
ゴング後も、場内は大きな歓声、拍手
判定は、77-74 77-73 77-72 3-0で中釜の勝ち
第7試合 ライト級8回戦 ○岩渕真也(5回2分9秒KO)池田俊輔●
草加有沢ジム期待のサウスポー、岩渕(6勝4KO2敗)が、昨年度B級トーナメント準優勝
角海老宝石勝又ジムの池田(8勝8KO6敗)に5回、KO勝ち
岩渕はボクシングセンス抜群 攻防兼備のサウスポー
池田は8勝のうち、すべてがKOのハードパンチャー
右ファイタータイプ
1回 1分50秒過ぎ 池田のワンツーに合わせて、岩渕、カウンターの右フック
池田、ダウン
ラスト15秒には、岩渕の左ストレートがヒット
コーナーに詰められる池田
2回以降、ペースは完全に岩渕に
前に出る池田に、岩渕は、右フックのフェイントからの左ストレート
あるいは、左のフェイントを入れての右フック
返しのパンチもフォローし、池田は打たれっぱなし
一方的な展開に
4回 岩渕、右のボディから、左ストレート
ふらつく池田をロープに詰めて、岩淵、果敢に連打
しかし、「接近戦はやや難がある(草加有沢ジムHPより)」ということなのか、池田に粘られ、
倒しきれず
しかし、5回
右フック、左ストレートを面白いように決める岩渕
2分過ぎ パンチをまとめた岩渕の攻勢に、池田、この試合、2度目のダウン
立ち上がるも、明らかに効いている池田の様子を見て、レフェリーはテンカウントを宣告
岩渕が、圧倒的な「才能」を見せつけてのKO勝利
メイン、セミ、セミセミと、内容が濃く、久々にボクシングの醍醐味が伝わる好試合
このほか、アンダーカードとして、4回戦6試合が行われた
第6試合 ミドル級4回戦 ○松信亮次(2回1分9秒KO)斉藤豪●
オーキッドカワイジムの松信(2分け)が、草加有沢ジムの斉藤(2勝1KO3敗1分け)に2回
KO勝ち
サウスポーの斉藤に、松信は左殺しの、ショートの右
クリーンヒット 斉藤、ダウン
立ち上がるもダメージの濃い斉藤
2回、松信の右フックが炸裂し、2度目のダウン
立ち上がれず、kO負けに
松信はプロ初勝利
第5試合 ライトフライ級4回戦 ○加藤裕(3-0判定)成田彰久●
アマ経験7年、戦績39勝20敗の実績を引っさげてのプロデビュー
新日本木村ジム期待の加藤が、草加有沢ジムの成田(2勝2K01敗)に3-0の判定勝ち
( 40-37 40-37 40-37 )
1回から加藤は、前に出て、攻勢
ワンツー、ワンツーの連打で、主導権を握る
成田は押されて、手数負け
しかし、3回、加藤に打ち疲れの気配
鼻血も出ており、スタミナ失速の兆候
最終4回は、ほぼ互角
成田も巻き返し、左右のフックをヒットさせる
勝敗は判定にゆだねられ、3者とも40-37で加藤の勝ち
加藤は動きはよく、手数も出るが攻撃が一本調子
また、フック系のパンチがあまり出ないアマチュアで長く戦っていたためか、横のガードが
やや甘い
第4試合 ミドル級4回戦 ○渡辺孝之(3-0判定)星野昌志●
ワタナベジムの渡辺(1勝1KO4敗)が、草加有沢ジムの星野(1勝1KO)に3-0の判定勝ち
( 40-36 40-36 40-36 )
リーチにまさる渡辺は、1回から、右ストレートをヒットさせて、試合の流れをつかむ
2回には、星野、流血
必死に食い下がる星野だが、パンチはヒットせず、渡辺のカウンターを浴びる
勝敗は判定にゆだねられ、3者とも40-36で、渡辺の勝ち
第3試合 スーパーフェザー級4回戦 △松本洋紀(1-0引き分け)杉田拓也△
KTTジムの松本(1敗)と、館山牛若丸原田ジムの杉田(2敗)の一戦は、1-0のドロー
( 39-38松本 38-38 38-38 )
両選手ともデビュー以来、勝ち星に恵まれず
1回、松本のワンツーが決まり、ロープにふらつく杉田
この回は明確に松本のラウンドだが、2回以降はほぼ互角の展開
最終4回は、杉田のカウンターの右が、かなりヒット
勝敗は、判定
1-0の引き分けに
第2試合 フライ級4回戦 ○川松秀永(2-0判定)西館辰也●
ファイティング原田ジムの川松(1敗)が、新日本木村ジムの西館(デビュー戦)に、2-0の
判定勝ち
( 39-38 39-38 39-39 )
川松は、左ボディアッパーの打ち方が巧い
2回以降、ていねいに左ボディを打ち続け、3回から、快調に飛ばしていた西館の手数が
細る
最終4回は、川松のラウンド
勝敗は判定に
2-0で川松がうれしいプロ初勝利
第1試合 スーパーフライ級4回戦
○大槻拓也(3回2分57秒TKO)大川内天心●
館山牛若丸原田ジムの大槻(1勝1KO1敗)が八王子中屋ジムの大川内(1勝3敗)に3回
TKO勝ち
大川内は気負いすぎか、前には出るが、手がついていかない
前に出ては、大槻に打たれる展開
冷静にパンチをまとめる大槻
3回、大槻の連打で、大川内が棒立ちになったところレフェリーが試合を止めた
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