大毅「右」で、2回KO勝ち!あきべえ、課題が残る13連続KO!(4.30ツインメッセ静岡) |
「亀田の全国巡業」亀田大毅プロ第九戦「静岡場所」
今年の2月23日 タウミルを3回KOに下し、結果として、WBAフライ級10位にランクイン
した亀田大毅のプロ第9戦
さらに、あの元WBCスーパーライト級王者、浜田剛史氏の持つ日本記録15に迫る12連続
KO勝利中の牛若丸あきべえ選手も参戦
また、セミでは、協栄ジムフェザー級期待の吉住選手の約一年ぶりの復帰戦も
亀田史郎氏による「浦谷レフェリー恫喝事件」のその後の顛末
さらに「ボクレポ」がこだわり続けている「オーロラビジョン」問題はどうなったのか
リング内はもちろん、リング外についても、いろんな意味で?みどころタップリの「静岡場所」
第一試合から、メインまで、完全レポート
「ボクレポ」が、亀田興行について、一貫して、こだわりつづけているのが「オーロラビジョン」
問題
会場に設営されたオーロラビジョンに、亀田家サイド以外のボクサーの戦いについては、
全く映されることがないのはなぜか
プロボクシング界全体の利益よりも、自分の利益のみをエゴイスチックに主張する亀田家
サイドの問題点がここに象徴されているのではないか、という問題提起だ
プロボクシング界全体を発展、繁栄させることが、回りまわって、自分達の中長期的な利益
につながる、ということに気づいてもらって
外国人を多用するマッチメイクの改革も含めて、自分達だけではなく、プロボクシング業界
全体を盛り上げるように、視野の広い賢明な行動を心がけてほしい、と要望し続けてきた
以下、過去記事参照いただければ幸い
2006年3月 両国亀田場所興行
2006年5月5日 亀田けんか祭り 有明コロシアム興行
2006年8月2日 亀田興毅対ランダエタ 夢の始まり興行
2006年12月20日 亀田興毅対ランダエタ2 有明コロシアム興行
2007年3月24日 亀田興毅対モラレス 両国国技館
結論からいうと、今回も状況は変わらず
メインの大毅選手の試合 三男、知毅のスパーリング 第二試合のあきべえ選手の試合
この試合のみ、オーロラビジョンに映された
あとの試合は、一切、映されない
予想していたこととはいえ、きわめて残念
次に、注目したいのは「浦谷レフェリー恫喝事件」のその後
今年3月24日の興毅対モラレスの試合後
JBC浦谷氏のレフェリングに不服の亀田史郎氏が試合後、レフェリーの控え室に「乱入」
冷静な話しい合いを求めた浦谷氏に、「なんじゃ、こら!」と身を乗り出して暴行しようとした、
という一件
この「浦谷レフェリー恫喝事件」について、JBC職員サイドと、史郎氏は激しく対立
JBC職員サイドの抗議の意思は固く
史郎氏の「直接の謝罪」がない場合、レフェリー、ジャッジ、リングアナ、ドクターも含めて
4月30日の「静岡場所」興行のボイコットも辞さない、としていた
協栄ジムと、亀田家は、「静岡場所」興行について、中日本ボクシング協会に協力を要請
ボイコットによる興行中止という最悪の事態を回避
さらに当事者の亀田史郎氏
自身の署名がある「謝罪文」をJBCに提出
「直接の謝罪」はなかったものの、二度とこのような恫喝行為は行わないことを文書で誓った
この日の「静岡場所」興行
東日本協会サイドからも、レフェリー、ジャッジが派遣され、ボイコット、という事態は回避され
た。
ただ、当の浦谷氏自身の姿はない
また「亀田場所」では恒例のリングアナウンサー、冨樫氏の姿も今回はなかった
特に、リングアナウンサーについては、会場で出会った複数のファンから、残念、という声が
多かったことを明記しておきたい
この日の興行は、午後1時40分スタート
客入りのほうは、スタート段階で、ほぼ半分くらい
メインのころには、8割以上と、前回3月24日の両国興行に比べるとかなり好調
第1試合 64キロ契約4回戦 ○青木クリスチャーノ(3-0判定)葛原尚久●
駿河ジムの青木クリスチャーノ(2勝2KO)が、中日ジムの葛原(2勝1KO)に3-0の判定
勝利
( 40-36 40-37 40-37 )
両選手ともハードパンチャー
ただし、葛原は、パンチが大振り、外側からのフック気味のパンチが中心で、きちんとした
ストレートがほとんどない
大振りで、打ち終わりのバランスが悪く、体が流れて、パンチをもらってしまう
他方、青木は、ストレートが打てる選手
しかし、打ち終わりにガードが下がり、葛原の大振りの左フックがヒットする場面も度々
試合は、1回から、青木のペース
葛原の打ち終わりを、青木のコンパクトなストレートがとらえ、有効打を積み重ねる
ところが、葛原もタフで、あきらめない
両選手、流血
勝敗は判定にゆだねられ、3-0で青木の勝ち
第2試合 ウエルター級10回戦
○牛若丸あきべえ(4回2分23秒KO)ダルシム・ナンガラ●
OPBFウエルター級9位、日本ウエルター級1位、協栄ジムの牛若丸あきべえ(13勝12KO)
が、OPBFスーパーライト級5位、インドネシア同級1位、ダルシム・ナンガラ(13勝6KO7敗
2分け)に、4回KO勝利
連続KO記録を、歴代3位タイの「13」に伸ばす
1回から、ガードをしっかり固めて、前に出てプレスをかけるあきべえ
ロープを背負うダルシムに、あきべえの左右のボディ
さらに、アッパーのフォロー
ダルシムは、打たれながらも腹筋を固めて、あきべえのパンチに耐える
終了間際 打たれっぱなしだったインドネシア人が反撃
あきべえの打ち終わりに、左アッパーがヒット
1回は10-9であきべえ
2回 あきべえは、ガードを固めて、プレスし、ロープに詰め、一発、一発をしっかり打ち込む
しかし、ダルシムも、打たれっぱなしでは終わらない
打ち終わりに、右フック、左アッパーを合わせてくる
このダルシム、ほぼ無抵抗のまま、キャンバスに倒れこむ対戦相手とは、全く違う
2回も、手数、攻勢、有効打にまさるあきべえのラウンド
ここで、通路の奥から見ていた亀田史郎氏がコーナーに「突進」
コーナーのあきべえの傍らにかけよると、大声で叱咤
今までの相手とは違って、骨のありそうなダルシムの戦いぶりに、史郎氏も心配で黙っては
いられないといった雰囲気
3回 やはり前に出て詰めるあきべえ
しかし、インドネシア人も、打ち終わりに、パンチを合わせてくる
あぶないタイミングで、被弾するあきべえ
技術的には
詰めて、打つのは良いのだが、打ったあと、頭が振れていない
また、頭を振って、リズムをとりながら詰める、といった動きのやわらかさが欠けていて、正面
から力任せに、単調にパンチを打ち込むばかり
また、打ったあと、次のパンチを打ち込むまで、その場に突っ立っている場面が多く、この
タイミングに、ダルシムにパンチを入れられてしまう
ガードを固めて「亀」状態
防戦一方とはいえ、打たれ強いダルシム
単純に、正面から詰めるのではなく、サイドに回って、違った角度から打ち込んでみたり
あるいは、あきべえ選手、リーチが長く、ロングの左は、予想以上に伸びがある
新人王トーナメントのときなど、このロングの左ストレートを絶妙のタイミングで決めて、ダウン
を奪う場面が多かった
詰めてのショートもよいが、それで倒れない相手には、少し、展開を変えてみせて、あえて
距離をとってみる
そして、ロングの左を入れるタイミングを狙ってみたり
「押してもだめなら、引いてみな」
「あるいは、サイドに回ってみな」
そういった「工夫」がもう少しあってよかった
3回も、ポイントは10-9であきべえ選手
4回 この回も強引に前に出て、ロープに詰めて、ボディに打ち込むあきべえ
しかし、2分過ぎ
耐えに耐え続けてきたダルシムも、ついにギブアップ
あきべえの左ボディで、キャンバスに
4回2分23秒 あきべえのKO勝ち
これで、現役の連続KO記録保持者、大曲(ヨネクラジム)の「12」を超えて、歴代3位タイの
連続13KO勝利
「連続KO記録もいいけど、ちゃんと実力の伴った選手になりたいと思います」
「倒し屋としての仕事はできましたが、この内容では、チャンピオンベルトにはほど遠いです」
試合後の勝利者インタビュー
思わぬ「苦戦」に勝ったあきべえ、反省しきり
「これからも、一生懸命、がんばりますので、応援、よろしくおねがいします」
第3試合 フライ級6回戦 ○土方諭(2-0判定)若葉凛友●
中日ジムの土方(4勝1KO4敗3分け)が、平石ジムの若葉(3勝3敗2分け)に、2-0の判定
勝ち
( 59-56 59-56 58-58 )
土方は、トリッキー、変則サウスポー
飛び込みざまのフックに切れ味
若葉は、正統派的なサウスポー
3回までは、ほぼ互角ながら、どちらかといえばアグレッシブな土方のペース
4回 若葉は戦い方を変える
右のリードを切らさず、距離をとり、打ち終わりを狙う
土方が入ってくると、距離をつぶしてクリンチ
4回は、有効打にまさる若葉
5回 若葉、マウスピース装着義務違反で一点減点
この回、若葉の消耗が激しく、打ってはクリンチを繰り返す
最終6回も、若葉は「打ってはクリンチ」を繰り返す
勝敗は、判定に
2-0で、土方の勝ち
約15分の休憩後、午後3時から、亀田家の「最終兵器」三男知毅のスパーリング
フィリピン選手相手に3分2ラウンド
スピードにあふれた動きで、手もよく出る
優れた素材であることは間違いない
今回は、最終ラウンド終了間際に、対戦相手が倒れて、スパーリングが中止になる「ハプニング
(過剰演出?)」は起こらず
スパー終了後、お互いの健闘を称えあう
第4試合 スーパーフェザー級6回戦 ○吉住壽祐(3-0判定)安達剛志●
協栄ジム、フェザー級期待の吉住(7勝4KO4敗1分け)の約一年ぶりの復帰戦
対戦相手は、平石ジムの安達(8勝3KO4敗)
安達は2005年7月、中日本スーパーフェザー級新人王に輝いた右ボクサーファイター
西軍代表決定戦で、千里馬神戸ジムの武本康樹に5回KOで敗れている
吉住選手の前回の試合は、昨年3月1日 相手は、草加有沢ジムの工藤貴次
この試合、初のメインということで、試合前から、舞い上がってしまった、という吉住
ゴング直後から、我を忘れて、がんがんと攻めるが、冷静な工藤のカウンター一発でダウン
その後、6回まで戦うが、KO負け
ダメージは重く、担架で運ばれる
1回にダウンを奪われて以降の記憶はほとんどなく、KO負けしたのは6回ではなく、2回だと
思い込んでいたという吉住
精神的なショックは大きく、一ヶ月、ジムから離れ、一時は引退を決意
そんな吉住に、再度、グローブを握らせたものは何か
「このまま、ボクシングをやめてしまったら、何に対しても、自信が持てなくなってしまう」
そんな思いだったという
1年、飽きることなくジムで汗を流し続けた吉住
この復帰戦の約一ヶ月前
「試合をやらせてください」
吉住のほうから、ジムサイドに「直訴」して、この試合が組まれた。
「いま思えば、ジムのほうも自分が決意を固めて、試合を組むよう、言い出すのを待っていた
のかもしれません」
そう、振り返る吉住
1回 ぎこちなく動きの固い吉住
緊張で足ががくがく。肩に力が入りすぎてしまった、という
10-10
2回 ようやく動きがほぐれた吉住
アッパーを織り交ぜた連打が続き、安達は後手に
3回も吉住のラウンド
しつこく、切れ目なく、吉住の連打が続く
ただ、手打ち気味というか、やや軽い印象で、パンチの威力は感じられない
むしろ、単発ながらも、安達のパンチの方が重そうで、距離が詰まった打ち合いの場面では
安達のパンチが入る危ないシーンも
4回 吉住は、手数に加えて、大胆にフットワークを使ってみせる
打っては離れ、を繰り返す「出入りのボクシング」で、安達に反撃の糸口を与えない
ただし、パンチは相変わらず、軽い印象
一方、安達はボディが弱い
ボディを打たれると、動きが一瞬、固まってしまう
5回も、「打っては離れ」のアウトボクシングで、吉住のペース
最終6回も、吉住優位
勝敗は、判定にゆだねられ、59-56 60-55 60-55 3-0で、吉住の勝ち
復帰戦を白星で飾った吉住
「緊張した、の一言。自己採点では30点」
試合後のコメント
「相手のパンチは重かった。終わって、水分を摂ったら、みるみる顔が腫れてきた」
「自分本来のボクシングは、アウトボクシング。むきになって、相手に合わさずに、自分の
ペースで試合をすることが課題」
とのこと。
2006年新人王の加治木選手と並び、協栄ジムフェザー級の看板選手になれるかどうか
吉住選手の今後に注目
第5試合 メインイベント 51.5キロ契約10回戦
○亀田大毅(2回2分12秒KO)クリストファー・テポラ●
WBAフライ級10位、WBCスーパーフライ級25位、日本フライ級2位、協栄ジムの亀田
大毅(8勝6KO)が、フィリピンスーパーフライ級12位、クリストファー・テポラ(9勝4KO7
敗5分け)に、2回KO勝ち
1回 ガードを固めて、プレスをかけ、左右のフックの大毅
テポラをロープに詰めて、左の上下
大毅サイドのセコンドからは「頭振れ」の指示
指示に従い、振ってみせる大毅だが、スムーズなムーブとはいえず、思わず失笑
ただし、相手をロープに詰める圧力
一発一発のパンチ力はかなりの迫力
ただし、テポラもがんばり、大毅のパンチに耐えてみせる
1回終了間際には、反撃も
1回は、手数、有効打にまさる大毅のラウンド
2回 またもや詰めて、左ボディの大毅
ところが、この回、左を見せた直後、スイング気味の右ストレート
一瞬、踏ん張ったテポラだが、耐え切れず、崩れ落ちるようにダウン
立ち上がるも、大毅はさらに追撃
「右」で再度のダウン
立ち上がったテポラにさらにおそいかかる大毅
ここから、テポラが捨て身の反撃
大振り気味の大毅と真っ向から打ち合いに
大毅のアゴに何発かテポラのパンチ
耐えて、さらに打ち続ける大毅
とどめの「右」がテポラをつらぬき、テポラ、キャンバスに
この回、3度のダウンを奪い、大毅のKO勝ち
KO勝利のあとは、「大毅タイム」?
EXILEの「道」
森友嵐士の「LOVESONG」
二曲を熱唱!!
大毅陣営は、7月1日に予定される坂田対バスケスの統一戦に、バスケスが勝てば、年内に
挑戦のかまえ
おわりに
大毅は、WBAフライ級10位、興毅はWBA1位、WBC3位
そして、今年中に、内藤選手(宮田ジム)のWBCフライ級王者、ポンサクレックへの挑戦
さらに、7月1日のWBA王座統一戦、坂田対バスケスが組まれている
ここからは仮定の話
もしも、坂田がバスケスに勝って
内藤が、ポンサクをやぶれば
WBAフライ級王者、坂田 WBCフライ級王者、内藤に
こうなった前提で、ここで、提唱したい
亀田家のマッチメイクの全権を握る史郎氏
もしも、こうなったら・・・・・・
今度の今度こそ、愛する息子達に、ギャンブルをさせていただきたい!
つまり・・・・
内藤対興毅 坂田対大毅
兄弟同時のダブル世界戦の実施だ!
入れ物は、ホールにあらず 両国やら武道館やら、有コロやらにあらず
ずばり、東京ドームだ!
興行名は
「ALL OR NOTINNG 」(すべてかゼロか)
「禁断の日本人対決・・・亀田兄弟ドーム血戦」
「亀田の最終決着・・・ドームけんか祭り」
なんでもいい
年齢から考えて
王者、坂田と内藤は引退を賭けてくるだろう
「坂田、内藤、負けたら引退スペシャル」だ
坂田対大毅は、協栄ジムの同門対決になるが、大きな問題はないだろう
現に、練習環境から、マネジメントからまったく別
亀田兄弟は、形式的には協栄ジム所属だが、実質的には、そうではない
史郎ジム所属ではないか
さらにいえば、新人王戦やB級トーナメントなどでも、組み合わせの関係で、同じジム同士
の選手が対決することもたまにある
史郎氏には、息子達の中長期の利益のためにも
日本ボクシング界の発展のためにも
大英断を下していただきたい
二人の息子たちが。日本人と戦わずして、亀田ブームを、プロボクシング自体のブームに
結びつけることはできないだろう
興毅と大毅 そして、知毅
こんなに、日々、一途に練習しているボクサーはほかにいないはず
史郎氏は、どうか、息子の努力、実力を信じ
「賭け」に打って出てほしい
「負けたら終わり」という強迫観念に近い思い込みが亀田家サイドには、あるようだが、
そんなことはない
ランダエタとの初戦などは、負けていたほうが、かえって、人気がさらに盛り上がったはず
要は、試合内容だ
ボクシングの醍醐味が伝わるようなしっかりした試合を見せれば、結果的に負けたとして
も、ファンは去っていかない
むしろ、「どうせ日本人とやるはずがない」と冷ややかな目で見てきたアンチ亀田派を、ファン
に取り込めるはずだ
亀田ブーム自体が、ややかげりを見せ始めている現在
さらに、ブームを盛り上げるためには、そろそろ「賭け」に打って出るべき時機なのではない
だろうか
ファンの一人としても
内藤対興毅 坂田対大毅
なら、なにがあっても見てみたい
関係者の前向きな検討を大いに期待!
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