角海老宝石ジム5人衆、地獄の水戸キャンプレポート |
東洋太平洋フェザー級チャンピオン 榎洋之選手(角海老宝石ジム)
靴下を下ろしながら
「足にこんなに大きな血豆ができています」
「本当に、きついっす」
日本スーパーフェザー級チャンピオン、小堀佑介選手
表情はいつも以上に?脱力系・・・・
「自分、頑張ってます」
角海老宝石ジムでは、7月12日から10日間
茨城県水戸市にキャンプを張った。
参加選手は、榎、小堀のチャンピオン2名を含む精鋭5名
メニューを考え、指導にあたったのは、田中栄民チーフトレーナー
参加5選手を簡単に紹介すると・・・・・
まずは、東洋太平洋フェザー級王者、「エノキング」こと榎選手
日本スーパーフェザー級王者、「ネイチャーボーイ」こと小堀佑介選手
元日本フェザー級王者、「金太郎」こと渡邊一久選手
日本ミニマム級7位、「角海老一のイケメン」=「カドエビ王子」?斉藤直人選手
そして、2005年フライ級新人王、このほどグリーンツダジムから移籍してきた
「バイオレンス」こと奈須勇樹選手
この5選手とも9月に予定される角海老宝石ジム主催興行への出場が決まっている
まずは、OPBFフェザー級王者、榎選手
9月15日、後楽園ホールで、真教杉田選手(畑中ジム)の挑戦を受ける
この一戦をクリアーすれば、現日本フェザー級チャンピオン「高校六冠」粟生隆寛選手
(帝拳ジム)との対戦が実現する可能性大
また、8月19日 神戸ファッションマートで行われるWBA世界フェザー級タイトルマッチ
で、挑戦者、武本在樹選手(千里馬神戸ジム)が、王者、クリスジョンを破り、世界のベル
トを奪取した場合
武本選手は、防衛戦の相手に、榎選手を指名する意向を明らかにしている
2005年4月2日に行われた日本フェザー級タイトルマッチ
武本選手は、王者(当時)、榎選手に、判定負けを喫している
そのリベンジを、世界戦の場で、果たしたいという思惑だ
まずは、9月15日に予定される真教杉田選手(畑中ジム)との防衛戦の勝利が
当面の目標
次に、日本スーパーフェザー級王者、小堀佑介選手
同じく9月15日 保持する日本王座の防衛戦を行う
対戦相手は、同級1位、指名挑戦者の三浦隆司選手(横浜光ジム)
13戦12勝10KO1分け 22歳のサウスポー
あまりのハードパンチャーぶりに、ジムではスパー相手がみつからない、という噂も
小堀選手の前回の防衛戦は5月19日
対戦相手は、八王子中屋ジムの村上選手
7回TKOで勝利し、東洋太平洋王座をも獲得
世界ランクも8位に上がり、いよいよ夢の世界戦が見えてきた
そんな小堀選手、本気で世界を目指す決意のあらわれか
自身、二度目の坊主頭に
一度目は、あのマルコ・アントニオ・バレラのキャンプに合流し、バレラとスパー
打ちのめされた直後のことだった
この6月末「師匠」田中トレーナーの住居の隣に移転
田中先生の監視下に置かれることに
この結果、「サボリ」になれなくなってしまった小堀選手
なんと朝のロードワークにも田中トレーナーが自転車で追走
ハイペースの充実した練習をこなしている
「ボクレポ」実際に、ロードワークに、つきあってみた
といっても、もちろん自転車で
驚いたのは、「ボクレポ」が普通に自転車をこぐスピードで、小堀選手が走っていたこと
かなりピッチの早い走り
これを毎日約5キロ以上
さらに、ラスト200メートルは猛ダッシュ
全力疾走
7月13日発売のボクシングマガジン8月号59ページの小堀選手特集記事
「頑張っています。毎朝、走っているし・・・」の表題にうそ偽りはない
そして、元日本フェザー級チャンピオン、渡邊一久選手
昨年10月、梅津選手(ワタナベジム)を相手にした防衛戦に敗れ、王座陥落
一時は引退を決意したが、ファンの「カムバック」コールに応えて、復活
本年5月24日に行われた涼野選手(五代ジム)との復帰戦で、みごとに白星
( 過去記事 あります )
復活2戦目は、9月26日の「角海老ボクシング」興行
メインに登場する
「目立つことがすべて」
これが一久のモットー
念願の粟生戦に向けて、モチベーションはいやがうえにも盛り上がる
4人目の水戸キャンプ参加選手は、日本ミニマム級7位、斉藤直人選手
「勝負師」秋葉慶介選手に次ぐ「移籍組」の出世頭
角海老ジム随一の「イケメン」ボクサー
しかも、性格もまじめで、とてもやさしい
気配りが効いていて、礼儀正しく思いやりにあふれた好青年
典型的な「優等生キャラ」=「王子さまキャラ」
そこで、角海老宝石ジムの「王子さま」ということで「カドエビ王子」と勝手に命名
現日本ミニマム級王者、ヤマグチ土浦ジムの黒木選手への挑戦の機会をうかがう
9月26日 一久メインの角海老興行で、大橋ジムのノーランカー、松信俊一選手
(14戦7勝3KO4敗3分、25歳)と対戦
そして、最後に紹介するのは、グリーンツダジムから移籍の2005年フライ級新人王
「バイオレンス」奈須勇樹選手
奈須選手の移籍については、奈須選手のお父様と協力して「ボクレポ」もバックアップ
田中栄民トレーナーの直接指導を仰ぐ環境に、という条件が当方の要望
大塚の角海老宝石ジム近くに引っ越し
朝のロードワーク、日中のジムワークと、田中「先生」の指導を受けることに
「田中先生の引き出しは無尽蔵。日々、新たな発見があります」
笑顔で語る奈須選手
「自分がどんどん強くなっているのが実感できます。毎日が楽しいですね」
奈須選手が、早速、田中先生から与えられた課題は、きちんとした「右ストレート」
田中先生にいわせれば、ボクシングの基本、「右ストレート」がなっていないのだという
どこがどうなっていないのか
詳細は、企業秘密
どうしても知りたい方は月謝を払って、角海老ジムにぜひ入門しましょう?
というのはもちろんジョーク
ヒントをいうと、田中先生流の「右ストレート」は肩の使い方にポイントがある
「小堀の右の打ち方が理想。あれが本当の右ストレートなんだ」
現実に、奈須選手によれば、スピード、威力、ともに、飛躍的に増しているのだという
ほかにも、基本的なステップワークにはじまり、ボディブローの打ち方、さらに応用編として
局面に応じたコンビネーションの選び方など
田中先生の指導を受けてめきめきと腕を上げているようだ
ジム移籍初戦は、9月26日の「角海老ボクシング」興行
いきなりセミファイナルに抜擢
榎、小堀、一久、斉藤、奈須、の5選手に、田中栄民トレーナーの6人の「水戸キャンプ」
9月の試合に向けて、徹底的なスタミナ強化と体作りをはかろうというのがキャンプの狙い
「今回は、あえて、ジムワークを排除。やつらを限界まで、走らせることにしたんだ」
田中トレーナー考案の練習メニューは至ってシンプル
「午前8時から、と午後4時から。朝夕、宿舎近くの千波湖を3から5周、走ってもらう」
「その上で、50メートルダッシュを10本、150メートルダッシュを10本」
千波湖は一周が約3キロメートル
参加5選手は、一日、約20キロは走ることになる
キャンプ2日目の7月14日
キャンプ最終日前の7月20日
「ボクレポ」はこの合宿を見学に行ってみた
7月14日は、ちょうど台風4号が、日本列島に接近していた日
この台風4号
7月としては、観測史上最大の勢力とか
案の定、日中から雨
午後4時から予定された夕方のロードワークは中止になるかと思いきや、雨天決行
田中先生のバンの中から、選手の走りっぷりを視察
ずぶ濡れになって、5選手は千波湖のロードコースを走りぬく
この台風の中、走っている変わり者は、もちろん、角海老5人衆のみ
14日は、所用あり、早めに水戸駅を発った
そして、7月20日にも、合宿を見学に
水戸駅に着いたのが午後3時45分
もう、夕方のロードワークが始まる時間だ
駅からロードコースの千波湖に向かって歩く
この日は、打って変わって、天気もよく
湖の周りは、ジョギングを楽しむ方々の姿も多い
湖にそって、ロードコースを歩いていくと
向こうから、よく知った顔の5選手が次々に
先頭をしっかりした走りっぷりでキープしているのは斉藤直人選手
続いて、渡邊一久選手、榎選手
渡邊選手は、なぜか上半身、裸
「目立つことがすべて」といういかにも彼らしい格好
さらに遅れて、奈須選手
最後尾は、やっぱりというか
期待に違わず?小堀選手
今にも倒れそうな半分死んでいるような
そんな表情
この選手の姿を見て、なぜか「ボクレポ」もじっとしていられなくなってしまった
アドレナリン全開
ドーパミン大放出
田中先生の許可を得て、実際にロードコースを一周、走ってみることに
「普段、運動してないんだからあぶないですよ」
先生は冷静な表情
「やめたほうがいいですよ」
「あぶない」
「やめて」
そういうことをいわれると、よけいにやってみたくなるのが人間というもの
選手の進行方向とは逆向きに、走ってみる
5選手とすれ違う
やはり、きつい
2キロを通過した時点で、さすがに息切れ
いったんはウオーキングモードに
しかし、ここであきらめたら、男じゃない
さらに息を整えて、心臓を休めて
最後のダッシュ
前方から、再度、5選手
「ボクレポ」が一周するのに、四苦八苦している間に、彼らは二周している計算に
なんとかゴール
芝生にへたりこんでしまう
おかげで、今もって(7/22)筋肉痛
脚が痛い
5選手は、ロードコースを走ったあと、さらに50メートルダッシュ 150メートルダッシュ
「初日は足が痛くて大変だったけど、じょじょに慣れてきました」
「カドエビ王子」斉藤選手
「スタミナがとてもついたと思います。東京に戻ってからのジムワークが楽しみです」
他の選手も異口同音に「成果」を強調
宿舎に戻り、入浴
その後、一向は水戸駅南口徒歩10分 「格闘酒場 貫一」 というお店に
水道橋の「コロッセオ」の水戸版のようなお店
リングに、サンドバッグも完備
お店のご主人、小林正さんから、お店の壁にサインを求められる5選手
お店に来ていたお客さまから、記念撮影の依頼も
このあたりから、すっかりニコニコモードになっていったのが「目立つことがすべて」の
一久選手
壁のサインも、他の4選手を圧倒するスペースで大書
写真でも、もっとも目立つ中央の位置をゲット
さらに去り際に小林店長
「プロの技を見せてほしいんです。サンドバッグを叩いてもらえませんか」
「ビータイトラジオ」 の瀬端節を聞けばわかるが
あたたかみとユーモアが伝わるのが茨城弁
この茨城弁で頼まれるとことわるのが難しい
「いやー、ちょっと・・・」
他の選手がしり込みする中、叩きたくて仕方がない、といった風情の一久選手
目がそう語っているとしかいいようがない
以心伝心、アイコンタクト
「ボクレポ」は一久選手に
「せっかくの頼みだから、渡邊選手、やってみなよ」
一瞬にして、眼が輝く渡邊選手
「いやー、俺なんか」とかなんとかかんとか
口では、遠慮しながらもなぜか足はリングに
「榎さん、小堀さんも一緒に上がってくださいよ」
「先輩を差し置いて俺が、というわけにはいかないですよ、まずいっしょ」
ところが、榎選手、小堀選手ともに、リングには上がらない
なら、サンドバッグはやめるのか、と思ったが、なぜだかぶつぶついいながらも
シャツを脱いで、上半身、裸に
グローブまではめちゃってる一久選手^^
この超ド級のわかりやすさが、彼の魅力か
ドスドス!!バシーン!!
凄まじい音が店内に響く
お店に来ていたお客様は大興奮
「今度はですね・・・あのー、プロのスパーリングをみせてもらえませんか」
小林店長
さすがに、スパーはまずいので、丁重に断ると
「では、お客様と、対戦してもらえませんか」
おいおい、それはもっとまずいだろ
ところが、ところが
「よし、俺がやるぞ」
お店に来ていた20代のサラリーマン風の青年が手を上げて
リングに入り、ワイシャツ姿のままグローブ装着
既成事実の積み重ねってやつですか
流れ的に、断りきれない状況に
一久選手は、当然「本気」ではやらないはずなので
考えてみれば、プロ同士のスパーリングより、安全なことは間違いない
わかってるよね、一久クン!
「そろそろ、電車の時間じゃないですか。駅まで送りますよ」
冷静な田中先生
時計を見るとたしかにその通り
この対戦、ぜひ見たかったのだが、仕方ない
これ幸いと、小堀選手も先生の車に乗車
「あのバカ、見ちゃいられないですよ」
以心伝心 アイコンタクト
いいたいことは、言葉に出さなくてもよくわかります
後日談
居合わせた関係者の情報によると
一久選手は、その後、飛び入りの対戦者4名を相手に奮闘
もちろん、怪我も事故もなく
お客様も大喜び
「今度の試合、見に行くよ」
「チケット、買うからね」
すっかり、「格闘酒場 貫一」のヒーローに
水戸合宿最後の夜
おいしいところを一切合財、もっていってしまったのは、元日本フェザー級チャンピオン
渡邊一久選手で、ございました
ごちそうさまでした??
写真
顔を反対方向に向けて、机の上に、頭を乗せて休んでいる生き物は
にぎやかなお店の中でも一人、平気で居眠りできてしまう「睡眠の達人」そして、ある意味?
「大物(おおもの)」の
「未来の世界王者」小堀佑介選手です
おやすみなさい
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