操対恵一!ホールを揺るがすARAI対決! (12.3後楽園ホール) |
「クリーンファイトボクシングパート5」 草加有沢ジム主催
見どころは何といってもメイン
ランカー対決
日本スーパーウエルター級3位 荒井”野人”操(草加有沢ジム)対
日本ウエルター級8位 新井恵一(高崎ジム)
荒井操は2004年全日本ウエルター級新人王
13戦10勝8KO3敗 30歳
日本重量級ではあのクレイジーキム選手(ヨネクラジム)に匹敵する存在感、迫力を
持つ右ファイター
過去記事から「野人ファイト」の数々
写真から、その迫力が伝わってくるはず
2006年4月24日 高橋隆介(MTジム)戦
2006年9月5日 斉藤仁(ヨネクラ)戦
2006年12月6日 岡田山金太郎(オサムジム)戦
2007年3月31日 今井桃太郎(三迫ジム)戦
2007年9月3日 真木和雄(倉敷守安ジム)戦
キャリア8戦目まではスタミナに難があり、2回を過ぎると「ガス欠」
短期決戦志向の玉砕ファイターだったがキャリア9戦目高橋隆介(MTジム)戦からその
スタイルに変化
足場が不安定なアイススケート場で足に力を入れて踏ん張るトレーニングを積み重ね
課題のスタミナ面を強化
高橋戦ではポイントを考慮に入れつつ「流す」場面は流して8ラウンドを戦い抜いて判定
勝利
8回をフルに戦えるファイターに成長したことを証明してみせる
他方、荒井の対戦相手、高崎ジムの新井恵一はファイトスタイルは対照的
一発のパンチ力には欠けるが、恵まれたリーチを生かし足を使って自分の距離で戦うこと
を持ち味にした右ボクサータイプ
2003年B級トーナメントウエルター級優勝の実績
18戦12勝4KO5敗1分け 31歳
新井選手のもうひとつの顔は「名勝負製造機」
試合に負けてもそのファイトぶりはファンの心に強くアピール
新井の評価は落ちない
前に出るファイタータイプとは特に「名勝負」になる確率が高くなる
筆頭にあげるべきは2006年9月19日 日本ウエルター級タイトルマッチ
王者、「豪腕」大曲(ヨネクラジム)に挑んだ一戦だ
大曲の圧力をさばき続け試合をリード
レフェリーストップ寸前に追い込みながら一発の左フックの前に轟沈
逆転KO負け
劇的な結末に
ただし敗れた新井選手も大いに光った戦い
両選手とも持ち味を存分に発揮した日本ボクシング史に残る名勝負だった
( 過去記事 あります )
その後、今年1月21日には、日本ウエルター級1位の湯場忠志(宮崎レオスポーツジム)
と激突
4回KO負け
( 過去記事 あります )
次に新井選手が対戦したのは大曲選手と同様にパンチがあるファイタータイプの川崎
タツキ(草加有沢ジム)
この試合もまた白熱した名勝負に
10回TKOで敗れたものの会場は両選手への賞賛の歓声に包まれた
2007年9月3日 川崎タツキ(草加有沢ジム)戦
ファイトスタイルは左を突いて足を使って距離をとる「ボクサータイプ」
しかし「逃げ」のボクサータイプではなく「攻め」のボクサータイプ
打ち合うべき場面ではしっかりと打ち合ってみせる気の強さも持ち合わせ
常にリングでは闘志むき出しの表情
パンチを被弾しても顔を横に振り「効いていない」
気迫を前面に打ち出した挑発も行ってみせ、これが強くファンにアピールし試合をヒート
させる
「名勝負製造機」たるゆえん
「野人ファイター」荒井操 対 「名勝負製造機」新井恵一
期待感マックスのメインイベント
セミではあの「カツラボクサー」小口雅之(草加有沢ジム)が登場
日本スーパーフェザー級ランキング獲得後初戦
目標とする日本タイトルマッチに向けてノーランカーの遠藤智也(ドリームジム)と激突する
他に8回戦3試合 4回戦3試合
計8試合の熱闘を完全レポート
第8試合 スーパーウエルター級8回戦 ○新井恵一(2-1判定)荒井”野人”操●
日本スーパーウエルター級3位、草加有沢ジムの荒井(10勝8KO3敗)と日本ウエルター級
8位、高崎ジムの新井(12勝4KO5敗1分け)の対戦
1回 荒井操(以下、操と記す)は前進して左右のフック
新井恵一(以下、恵一と記す)は左ジャブを打って突き放し距離をとろうと努めるが操の
圧力は強い
立ち上がり2回までは、攻勢をとる操のペース
3回は一転、恵一優位に
2回を越えて操のプレスがやや弱まる
4回 操が盛り返す
しかし5回 これまで押され気味の恵一がシャープなストレート系のパンチをまとめる
操、深いダメージ
ゴング直後 ニュートラルコーナーへふらふらと
コーナーを間違えるほどのダメージ
操、限界かと思われた6回
恵一のパンチをもらっても耐えて前に
両選手、激しいパンチの交換
ド突きあいモードに
7回中盤 操の左フックが炸裂
ところが恵一も粘り「もっと打ってみろ」
顔を前に突き出してみせる
場内、ヒートアップ
またも激しいド突き合いに
最終8回も死力を尽くした打ち合いが続く
操のパンチは外側からたたきつける左右のフックが中心
攻撃面でバリエーションが少なく単調
恵一のガードに阻まれクリーンヒットは少ない印象
恵一のパンチは破壊力では劣るが確実にヒット
大歓声の中 試合終了
勝敗は判定に
操の圧力とビッグパンチか
恵一の有効打、ディフェンス技術か
どちらを高く評価するかが判定の分かれ目に
判定結果は77-76荒井操 77-76新井恵一 78-75新井恵一
2-1で恵一の勝ち
お互いの健闘をたたえあう両選手
ホールを声援で揺るがす激しい試合を制したのは
「名勝負製造機」新井恵一
第7試合 60キロ契約8回戦 ○小口雅之(5回終了TKO)遠藤智也●
日本スーパーフェザー級12位、「ズラボクサー」草加有沢ジムの小口(14勝4KO4敗2分)
がドリームジムのノーランカー、遠藤(8勝2KO6敗)に5回TKO勝ち
右ファイタータイプの遠藤は低い姿勢から中に入って左右の連打
足を使ってさばきにかかる小口だが遠藤の圧力の前に押され勝ちに
3回までは遠藤が押し気味
しかし4回 小口は前に出る遠藤にアッパーを多用
アッパーで起こしてからのストレート、フックもヒット
遠藤の右ほほは大きく腫れる
5回 流れをつかんだ小口はさらに攻勢を強める
遠藤の右ほほの腫れはさらにひどくなり、ドクターチェックも
試合は再開されたがやはり小口の優位に
5回終了
遠藤側ドリームジム陣営は試合放棄を決定
5回終了TKOで小口の勝ち
小口が日本ランク獲得後初戦を白星で飾る
第6試合 52.5キロ契約8回戦 ○原口清一(3-0判定)田畑光輝●
日本フライ級11位、草加有沢ジムの原口(14勝7KO5敗1分け)がノーランカー、花形ジム
の田畑(7勝3敗3分け)に3-0の判定勝ち
( 78-77 78-76 79-76 )
田畑はA級昇格2戦目で初の8回戦
1回 キャリアにまさる原口が好調な出だし
ところが2回以降 田畑の粘り強いボクシングの前に攻めあぐんでしまう展開に
6回は田畑が優位なラウンド
しかし7回 原口が一気に攻勢
勝負をかける
打ち合いに応じる田畑
クロスレンジから中間距離での「打ち合い」では原口が押し勝つ
7回 最終8回も原口のラウンド
試合終了
勝敗は判定にゆだねられ 78-77 78-76 79-76
3-0で原口の勝ち
第5試合 ライト級8回戦 ○岩渕真也(6回2分59秒TKO)豊島耕志●
アマ名門花咲徳栄高校ボクシング部出身 アマ20戦13勝 プロ転向後は8勝6KO2敗
草加有沢ジム期待の岩渕とファイティング原田ジムのベテラン豊島(16勝8KO14敗1分)
のサウスポー対決
岩渕は草加有沢ジムでもっとも将来楽しみな選手
パンチがあってスピードに優れ、バランスもよい
ところがこの日の岩渕は対戦相手を甘くみてしまったのか雑なボクシング
右ガードをだらりと下げている上、あごの締めも不十分
豊島のパンチをまともにもらう場面が多々
1回 2回と上下に打ち分けるコンビネーションで岩渕は豊島を圧倒
しかし3回 ガードの甘さをつかれクリーンヒットを立て続けにもらう
岩渕、鼻血
3回は豊島のラウンド
4回 1分20秒過ぎ 岩渕の左カウンターが痛烈にヒット
豊島の顔面は腫れあがり流血
4回は岩渕のラウンド
5回も岩渕のパワフルな攻めが続くがラスト20秒
豊島の左がまともにヒット
ぐらつく岩渕
6回 岩渕の連打に防戦一方の豊島
この回終了間際 ダメージが深いと判断したレフェリーが試合を止めた
結果として勝ったもののこの日の岩渕は内容的には不出来
大味で集中力を欠いたボクシングに
強すぎて警戒されてしまってなかなかランカーが対戦を受けてくれないといわれる岩渕
モチベーションが下がってしまっているのでは、と気がかり
第4試合 58キロ契約8回戦 ○山崎武人(3-0判定)橋本歩和●
本多ジムの山崎(7勝2KO5敗)が草加有沢ジムの橋本(9勝1KO8敗1分け)に3-0の
判定勝利
( 78-76 79-75 78-76 )
山崎はガードをしっかり固めた上で足を使って橋本の攻撃をさばく狙い
橋本が前に出るところ、山崎の右アッパーがヒット
3回以降 打ち合いに
このパンチの交換はガードの固い山崎に有利に
ただし橋本もタフ
キャンバスには沈まない
勝敗は判定にゆだねられ
78-76 79-75 78-76
3-0で山崎の勝ち
第3試合 ライトフライ級4回戦 ○加藤裕(3-0判定)村尾和也●
右ファイタータイプ 草加有沢ジムの村尾(3勝3KO1分け)と右ボクサータイプ、新日本
木村ジムの加藤(3勝)の無敗対決
リーチは加藤が圧倒的にリード
低い姿勢で中に入ろうとする村尾だが加藤はステップワークでいなしてパンチ
ただパンチはオープンが大半
しかも手打ち気味で威力に欠ける
必死に距離を詰めようとする村尾だが加藤のふところは深い
勝敗は判定にゆだねられ40-38 40-37 40-37
3-0で加藤の勝ち
村尾はプロ初黒星
第2試合 58キロ契約4回戦 ○萩原貢(2-1判定)針が谷淳●
草加有沢ジムの萩原(1敗2分け)がランドジムの針が谷(2分け)に2-1の判定勝ち
プロ初勝利をあげる
1回 萩原は右フックでダウンをとる
2回も萩原のペース
しかし3回以降 スタミナ切れ
針が谷が押し気味
勝敗は判定にゆだねられ
39-37萩原 38-37針が谷 39-37萩原
2-1で萩原の勝ち
第1試合 スーパーフェザー級4回戦 ○打馬・王那(1回24秒TKO)三谷晴彦●
両選手ともデビュー戦
モンゴル・ウランバートル出身、25歳 ワタナベジムの打馬・王那(ダバオナ)が全日本
パブリックジムの三谷(29歳)に1回24秒TKO勝ち
サウスポーの打馬はパワフルな右フックで三谷をキャンバスに
即座にレフェリーが試合を止めた
豪快なKOでデビュー戦を白星で飾った打馬選手
「駄馬」にあらず?
クリックいただければ励みになります。人気ブログランキング
こちらもクリックいただければ励みになります。【ブログの殿堂】