第19回A級トーナメント決勝戦!山口・冨山・望月・長瀬優勝(11.7後楽園ホール) |
第19回A級トーナメント決勝戦
今年から、規約改正、優勝者は賞金のほか、OPBFランカー、あるいは王者との対戦権
来年からは、優勝者には、日本王座への挑戦権が与えられることに
8月29日に行われたA級トーナメント開幕戦(準決勝戦)の模様は
過去記事 ご参照いただければ幸い
優勝に向けたA級ボクサーの熱い戦いをレポートしたい
フライ級決勝8回戦 ○山口伸一(計量オーバーにより棄権)本田猛●
FIジムの山口(9勝3KO2敗2分け、)が、不戦勝で優勝
尼崎ジムの本田(9勝7KO3敗3分け)は、1.8キロの計量オーバー
体重計が狂っているのでは、と点検されたが、体重計は問題なし
再度、計量したものの、約200グラムほどしか落ちず、本田の棄権が確定
本田は、座り込んで、悔し涙
優勝した山口は、同じFIジムのジェット勇選手と、2分2ラウンドのスパーリング
「来年一月から三月までに、OPBFフライ級ランカーと対戦し、最後は、OPBF王者になる」
山口の決意のマイクアピール
バンタム級決勝8回戦 ○冨山浩之介 (3-0判定) 畠野幸雄●
船橋ドラゴンジムの冨山(12勝4KO)と、宮田ジムの畠野(12勝7KO10敗2分け)の
一戦
1回から4回まで、ペースを握ったのは冨山
低い姿勢から、プレスをかける畠野に、足を使い、上体を振って、かわしては、ショートの
パンチを的確に決める
ボディーを狙って、冨山の足を止めたいところだが、この日の畠野は、上狙いに終始
5回 左眼上を負傷し、流血の冨山 ややスタミナ失速の兆候も
畠野のプレスはさらに強まり、冨山も正面から受け止めて、インファイトに
短い距離の打ち合いでは、畠野がリード
5回は畠野のラウンドか
インターバル時、必死の形相で、コーナーで奇声をあげて、気合いを入れなおす富山
あえて、6回も足を使ってかわさずに、打ち合いに出る冨山
今度は畠野の左目上が負傷
6回も、やや畠野が優位
このまま流れが変わるのでは、と思われた7回
冨山が、戦法を修正
畠野との打ち合いを避け、回り込みながら、打っては離れるアウトボクシング
偶然のバッティングで、畠野が左目上を負傷、試合続行不能と判断されて、勝敗は判定に
私の採点は、68-66で冨山
1、2、3、7回を冨山 5、6回を畠野に入れた 4回は10-10とした
ジャッジの採点は三者とも69-65で冨山
冨山がバンタム級優勝を飾り、無敗をキープ
「来年、再度A級トーナメントに出て、V2を果たして、日本王座に挑戦したい」
と、今後の抱負をアピール
フェザー級決勝8回戦 ○望月義将 (2-1判定) 堀川昌憲●
大橋ジムの望月(11勝5KO3敗3分け)と、千里馬神戸ジムの堀川(12勝7KO3敗1分け)
の一戦
低い姿勢で、ウイービング、ダッキングをしながら、前に出て、アッパー、フックの望月
望月のプレスに、堀川は、上体を立てて、入ってくるところにアッパーを狙う
ただし、私の目には、堀川はひざが固く、アッパーがヒットする場面があっても手打ち
また、近づいて、距離を詰めてから、手数を振るう、といったパターンが多く、手数を出しな
がら、距離を詰める、というやり方が見られない
攻撃が単調になりがちで、遠い距離からのパンチを警戒する必要がなくなり、せっかくの
圧力が半減してしまう
5回にはラスト10秒、左右フックの連打
6回には、堀川をコーナーに詰めての連打
最終8回には、ラスト10秒で、まとめてみせるなど、「山」の作り方も望月は巧みで、
試合運びの面でも、一日の長
7回には、バッティングで減点されたものの、私の採点では、79-72で望月
堀川のよい点は、打たれ強さとスタミナ
あとは、動きが全体に固く、ひざも立ってしまっていて、体重の乗ったパンチを打ち切れな
かった印象
ところが、正式なジャッジの採点は、78-75望月 77-75望月、と意外な僅差
さらに一人のジャッジは、77-76で、なんと堀川を支持
前に出ているのは、望月だったが、よくみると有効打は少なかったのかも・・・・・
2-1で、望月が判定勝利し、バンタム級優勝に
「この優勝は、あくまでも通過点。今日は準決勝のつもり。OPBFタイトルマッチが決勝戦
のつもり」
入場時と同じく、サングラスをかけた望月は、ラウンドガールを従えて?強気のマイクアピール
さらに続けて
「新築なった大橋ジムを、どうぞ、よろしく」
ファッションは、コワモテのアウトロースタイルでありながら、こまやかな気配り
ライト級決勝8回戦 ○長瀬慎弥 (3-0判定) 熊野和義●
参加した唯一の日本ランカー、日本スーパーライト級4位、フラッシュ赤羽ジムの長瀬(11勝
6KO1敗1分け)と、宮田ジム、熊野(17勝4KO3敗)の一戦
脇をしぼったショートの左右の連打をふるい、前傾姿勢で、頭から前にプレスの熊野
準決勝の相手、太田(帝拳ジム)は、熊野の強い圧力に押され、じりじりと後退
いよいよ熊野のペースになってしまっていたが、長瀬は違う
熊野より、本来、二階級上という利点もあり、体格負けがない上に、天性の運動神経を
生かして、サイドに回り、アッパー、フックを叩き込んで、熊野をさばく
しかし、打たれても熊野は下がらずに前へ
このタフネスぶりと、とにかく前に押し込もうとする姿勢は、熊野の持ち味
有効打の数で、長瀬ペースのまま、試合は6回に
この回2分20秒過ぎ 長瀬のアッパーで、ぐらつかされる熊野
この日の長瀬、スピードもバランスも、あるいは懸念があったスタミナ面も完璧に近かった
が、気になったのは、「詰め」の甘さ
いいパンチが入るや、あせってしまうのか、振りが大きくなって、アウトサイドからのフックを
力任せに強振
あわてて打っているためか、オープンブロー気味で、大きな音がするにも関わらず、熊野に
決定的なダメージを与えて、KOすることができない
7回ラスト30秒には、前に立ってしまった長瀬に、熊野が強烈な右フック
この一発をとって、この回は熊野に振った
最終8回。両選手、死力を尽くした打ち合いに
ジャッジの判定は、78-75 79-75 80-73 3-0で長瀬の勝ち
長瀬がライト級優勝を決めるとともに、今大会MVPに輝いた
敢闘賞、技能賞は該当者なし
優勝の長瀬は、首に、シューズをぶら下げる
このシューズは、リング過で、この世を去ったフラッシュ赤羽ジムの故能登選手の遺品
故能登選手は、現在のフラッシュ赤羽ジムの精神的支柱、ともいえる存在
同ジムの選手の、トランクスやガウンに注目
「今は亡き能登の魂を受け継ぐ」 「能登に捧げる」といった故能登選手にまつわる縫い取り
がしてあることが多い
リングで戦おうにも、戦えなくなってしまった故能登選手の無念、を背負って戦っている、と
いう意味
「スーパーライト級王者の木村選手と日本王座を賭けて再戦したい」
日本王座奪取の野望と、唯一の敗戦を喫した木村への雪辱を誓う長瀬
優勝者は、OPBFランカーか王座に挑戦というのが特典だったはず
一途で激情タイプの長瀬らしい「フライング」
この日の興行、アンダーカードは4回戦4試合
第1試合 ライト級4回戦 ○山口洋 (3-0判定) 伊藤和也●
ヨネクラジムの山口(1勝1KO5敗1分け)が富田ジムの伊藤(2勝2KO)に3-0の判定勝ち
(39-38 39-38 39-38)
体の圧力と手数にまさる山口が、3回以降、スタミナ失速の伊藤を攻めて優位に立って、
3-0の判定勝利
第2試合 スーパーバンタム級4回戦
△清水一輝 (三者とも38-38でドロー)早坂真佳△
八王子中屋ジムの清水(1勝1敗1分け)と、ワタナベジムの早坂(2勝)の一戦はドロー
リーチに恵まれた長身の早坂は、カウンターが巧み
清水は上下の打ち分け、ワンツーに優れている印象
1回は、清水が優位 しかし、2回、3回と早坂がアウトボクシングで、的確なカウンター
4回はやや、清水が打ち勝ち、三者とも38-38で引き分けに
第3試合 フェザー級4回戦 ○斉藤剛史 (1回23秒KO) 橋本翼●
フラッシュ赤羽ジムの斉藤(1勝1敗)が、FIジムの橋本(1勝1KO1敗)を、ワンツーで、
23秒KO勝ち
この斉藤も、フラッシュ赤羽ジムの選手らしく、尊敬するボクサーは「能登選手」
ジムの中でもそのハードパンチャーぶりは定評
秒殺KO後、ダンスパフォーマンスを披露し、笑顔
第4試合 スーパーフェザー級4回戦 ○名雪貴久(3-0判定)福島伸大●
船橋ドラゴンジムの名雪(1勝)が、FIジムの福島(1勝)に、3-0の判定勝ち
(39-38 39-37 40-37)
船橋ドラゴンジムの選手らしく、名雪はディフェンスに優れ、ノーモーションの右で有効打
を重ねる
最終4回、ダウンを奪わないと勝ちはないと見た福島の反撃に、手数負けしたが、3-0の
判定勝ちに
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