杉田ツインズ、試練の一戦!新人王林、今西を下す(4.25後楽園ホール) |
「スヴェンソン・エキサイトボクシング」 ヨネクラジム主催
メインとセミは「最強ツインズ(双子)」
2005年同時新人王 杉田兄弟の試練の一戦
ランカーである両選手が闘志あふれるノーランカーの挑戦を迎え撃つ
特に、メインをつとめる杉田兄 純一郎選手の相手は、強敵
草加有沢ジムの原口清一選手だ
元日本フライ級8位、17戦13勝6KO4敗の24歳
2005年2月7日 現日本フライ級王者、吉田健司を8回判定で下した実績が光る
「ボクレポ」は、杉田兄弟については、特に注目
すべての試合をナマ観戦するように心がけてきた
以下、過去記事
2006年10月26日 杉田兄弟の前回の試合
2006年6月14日 杉田兄弟、前々回の試合
「杉田兄弟の試合にはずれ無し」というのが、ファンとしてみた実感
ボクシングの厳しさ、素晴らしさをリングを通して伝えることができる数少ないボクサーと
思う
杉田兄弟、奇しくも戦績が11勝1敗と全く同じ
同じ日に勝ち、同じ日に敗れている
兄弟唯一の敗戦は、2004年9月29日
初挑戦となった東日本新人王トーナメント準決勝で、ともに4回判定敗け
杉田ツインズ、今回もそろって、勝ち抜くことができるのか
また、セミセミには、2006年バンタム級新人王、緑ジムの林孝亮が試練の一戦
日本バンタム級11位、ワタナベジムの今西秀樹と激突する
林は、2006年西日本大会のMVP
右は一撃必殺の破壊力 手数、スタミナも旺盛で、精神力も強い
全日本決勝では、東の代表、角海老宝石ジムの大北と対戦
1回に、ダウンを奪われながらも、あきらめず、右を振るい続け、打ち合いに持ち込み、5回
逆転のTKO勝利
( この林対大北の全日本決勝戦については 過去記事 あります)
全日本新人王に輝いた林はタイで一戦
その後、間隔をあまり置かずに、二戦目
やや軽めの対戦相手を選び、さらに自信をつけさせて、大事に育てていきたいところ
だが、林陣営は、あえて「格上」の対戦相手、今西との一戦をマッチメイク
吉と出るか 凶と出るか
「スヴェンソン・エキサイトボクシング」から、杉田兄弟と、林孝亮
注目の3試合の模様をレポート
第5試合 バンタム級8回戦 ○林孝亮(2-1判定)今西秀樹●
2006年全日本バンタム級新人王、緑ジムの林(11勝6KO)と、日本バンタム級11位、
ワタナベジムの今西(12勝3KO4敗1分け)の一戦
1回 先手をとったのは林
様子見の今西に、ワンツー
この右が、予想外に伸び、かつ威力があったようで、今西、明らかに面食らった表情
2分30秒過ぎには、右がヒットし、足元がぐらつく場面も
10-9で、林
しかし、2回から今西は、林のパンチをしっかりブロック
頭を低くして、距離を詰め、フック、アッパーのコンビネーション
アウトサイドからの左ボディフックから、中に引いて、インサイドからアゴを狙った左アッパー
下から上への左のダブル
距離が詰まると、林は持ち味を殺されてしまうようで、コンビネーションが巧みな今西の
ペースに
2回から5回まで、私は今西にポイント
不利な流れを変えようと、ラウンド開始直後から、強引にラッシュをかけるなど林も工夫する
が、今西の試合運びの巧さの前にペースを握れない
しかし、6回 5回あたりから、意識的に繰り出されていた林のボディブローがやや効いてきた
のか、今西がペースダウン
一方、林も疲れの色がありあり
最長でも6ラウンドまでしか経験がない林もスタミナ失速の兆候
6回は10-10とした
両選手とも疲れが見えて
「我慢比べ」の様相となったこの局面
先に抜け出したのは、今西よりも8歳年下の若い林
7回 一気に前に出て、攻勢をとる林
大半のパンチはブロックしていたように見えた今西だが、押される展開で見栄えはよくない
最終8回 この回も攻勢をとる林
ブロックする今西は、そのまま距離を詰めて、インファイトに
ただ、打ち疲れか 今西は手数不足
ラスト10秒 両選手、意地の打ち合い
試合終了
お互いの健闘を称える両選手に、場内からは大きな拍手
7回、8回は攻勢を評価し、林の10-9
私の採点では、77-76で今西の勝ち
後半に一気に追い上げた林の闘志は光ったが、距離をつぶされ、今西のクロスレンジ
でのコンビネーションに苦しまされたラウンドが多かったという印象
公式のジャッジの採点は、77-76今西 78-74林 77-76林
2-1で、林の勝ち
第6試合 スーパーバンタム級8回戦 ○杉田祐次郎(3回10秒TKO)増田大気●
2005年全日本新人王、日本スーパーバンタム級10位、ヨネクラジムの杉田弟、祐次郎
(11勝5KO1敗)と、花形ジムの増田(6勝3KO3敗1分け)の一戦
ゆったりとした身のこなしから、柔軟に頭を振って、足腰のバネを使って、体重の乗ったパンチ
を打ち込む祐次郎
しかも、そのパンチ
上下の打ち分けが意識されたコンビネーションで打ち込まれてくる
増田も強気に前に出て、大きいフックを振るが単発気味
早くも1回 祐次郎のパンチで増田、左目上をカット 流血
2回も、祐次郎の一方的な試合展開
ラスト30秒には、パンチをまとめられ、ダウン寸前
3回 流血がおびただしい増田
ドクターチェックが入り、試合終了
有効なパンチによる傷の悪化
祐次郎のTKO勝ちに
第7試合 メインイベント スーパーフライ級8回戦
○杉田純一郎(3-0判定)原口精一●
2005年全日本新人王、日本スーパーフライ級9位、ヨネクラジムの杉田兄、純一郎
(11勝6KO1敗)と、元日本フライ級8位、草加有沢ジムの原口(13勝6KO4敗)の一戦
1回、先手をとったのは純一郎
左のリードを切らさず
大振りは避け、コンパクトに打ち込まれるワンツー、あるいは右アッパーがヒット
原口は後手に回らされる展開
これまで、弟の祐次郎に比べると、やや攻めに迫力を欠いていた純一郎
ところが、この日の純一郎の攻撃は、かなりの迫力
コンビネーションで、パンチが間断なく繰り出される
前半3回までは、明らかな純一郎ペース
「清一、ワンツーフック、三つまでだ!」
手数が足りない原口に、草加有沢陣営セコンドの檄
4回以降、体がほぐれてきたかのように、原口も手数を振るう
6回には、両選手、インファイトでの打ち合い
しかし、純一郎が、打ち終わりにもらわないよう、常に頭を動かし、ボディワークでリズムを
作っているのに対し
原口は、動きが固く、頭も動いていない
攻めるときも守るときも正面に立ちすぎている印象
それでも、原口は持てるスタミナを出し切って、ハイペースで攻め込む
迎え撃つ純一郎との間で、熾烈な打ち合いに
試合終了
会場は大いに沸き、両選手に大きな拍手
私の採点は、79-76 で純一郎
公式のジャッジの採点は、 78-76 77-75 79-76 3-0で、純一郎の勝ち
勝った純一郎
笑顔の直後、コーナーに顔を押し付けて、涙
おわりに
この日の興行、かませの外国人を排除した純粋な日本人対決のみのマッチメイク
林対今西
杉田弟対増田
杉田兄対原口
所用があって、ホール到着が遅れて
メインからセミ、セミセミ3試合のみナマ観戦となったが
お互いに大きなリスクを背負う緊張感あふれるマッチメイクが試合に熱を呼び込み、ファンも
その熱に引き込まれ
ボクシングの醍醐味を堪能させられる一夜になった
この日の興行の主催者、共催者、関係者
さらに人生を賭けて、リングに立って、戦ったボクサー達に
ボクシングファンとして、唯々、感謝
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