下田昭文、佐藤幸司 初防衛に成功! (8.4後楽園ホール) |
第418回ダイナミックグローブ 帝拳ジム主催
見どころは、日本スーパーバンタム級タイトルマッチ
王者、下田昭文(帝拳ジム) 対 挑戦者、同級5位、塩谷悠(川島ジム)
王者、下田にとっては、4月9日 山中大輔(白井具志堅ジム)から「激闘」の末に奪った
日本タイトルの初防衛戦
( この一戦については 過去記事 あります )
天才的なセンス、卓抜した運動神経をフルに動員
スピード、バランスともに優れた万能型のサウスポー
初黒星を喫した瀬藤戦(2006年2月4日)がよい薬になったのか
やや「練習嫌い」な傾向があり、スタミナに難があった下田が、地道に練習
持って生まれた才能に、たゆまぬ努力が加わって、日本タイトル戴冠(2007年4月9日)
につながった
他方、挑戦者、塩谷は、デビュー以来、17連勝、9KO
無敗のサウスポー
「アンタッチャブル」の異名を持つ元WBC世界スーパーバンタム級チャンピオン、川島郭志
氏率いる川島ジムの生え抜きのエース
フジテレビ系列の「ダイヤモンドグローブ」で、解説席に座ることが多い川島会長
怜悧、論理的かつ的確な解説ぶりは、群を抜いていて、印象深く、「ボクシングIQ」は相当の
レベルにあるものと感じられる
徹底した「下田対策」を練り上げて、この一戦に臨んでくることは明らかだ
戦前の予想は、王者、下田有利
果たして、塩谷は「大番狂わせ(ビッグ・アップセット)」を起こし、川島ジムに初タイトルを
もたらすことができるのか
セミには、OPBFミドル級タイトルマッチ
チャンピオン、2007年ビータイトミドル級優勝、帝拳ジムの佐藤幸治(9勝8KO)の初防衛
戦
これに勝って、日本ミドル級王者、江口啓二との二冠戦実現を目指す
さらに、セミセミには、日本スーパーライト級9位、5戦5勝5KO、帝拳ジムの亀海が、
経験豊かなA級ボクサー、角海老宝石ジムの近藤康弘と激突
全6試合 第418回ダイナミックグローブの模様を完全レポート
第6試合 日本スーパーバンタム級タイトルマッチ
○王者、下田昭文(3-0判定)挑戦者、塩谷悠●
チャンピオン下田 昭文(16戦15勝8KO1敗、帝拳ジム)が、挑戦者、日本5位塩谷 悠
(17戦17勝9KO、川島ジム) に、3-0の判定勝ちで初防衛に成功
( 96-95 97-94 98-93 )
場内は、超満員
入場時、照明が落とされる演出
タイトルマッチのムードが盛り上がる
王者、挑戦者、ともに、サウスポー
試合開始
立ち上がり、やや固さが見える塩谷
下田がノーモーションの左をヒット
さらに、右フックから、左もヒット
2回2分40秒過ぎにも
下田の左ストレートがクリーンヒット
塩谷は、慌てて、クリンチ
1回 2回と、下田が優位
しかし、3回以降
塩谷は「左回り」を徹底するとともに
リーチを生かし、大胆に距離をとって、下田の左をはずしにかかる
左ストレートが以前ほど当たらなくなってきた下田
あせりのためか、大振り、やや粗いボクシングに
3回は、ほぼ互角のラウンドながら、下田の左が空転するシーンが際立って増える
試合の流れが変わったのは4回から
ワンツーからバックステップと慎重な攻めをみせていた塩谷だったが、4回以降、ワンツー
からフック、アッパーをフォロー
よりアグレッシブなファイトに
さらに、多彩なフェイントを駆使、ロングの右を再三、下田にヒットさせる
さらに、下田が前に出てくると、クリンチをいとわず、距離をつぶし
離れ際に、右フック
5回 6回 7回と、ペースは塩谷
しかし、7回終了直前、下田の左がまともに、塩谷のアゴに
この一発から、流れは再び下田に
8回、7回ラスト直前にもらった左のダメージが残る塩谷
1回から、ていねいに入れ続けた下田の左ボディストレートのダメージも蓄積され
スタミナも消耗気味
下田は、左ストレート、右フックを上下に
8回 9回と、下田優位
最終10回、塩谷も最後の反撃、迎え撃つ下田と壮烈な打ち合いに
試合終了
勝敗は判定にゆだねられ、96-95 97-94 98-93 3-0
王者、下田が判定勝利で、初防衛に成功
「もう、ボクシング、やめたい気持ちですね」
リング上で行われた勝利者インタビュー
王者、下田の第一声
「毎回、毎回、(やめたいと)そう思っているんですけど・・・・・」
「でもオレ、ボクシング、好きなんで、頑張ります」
挑戦者、塩谷選手については
「うまかった、というか・・・・はい・・・」
「自分は・・・相手が、格上じゃないと燃えないのかな・・っていう」
場内、笑い
さらに、ファンに向けてのメッセージを問われ
「本当、オレは自分のために、ボクシングやってるんですけど・・・」
「ほかに、金稼ぐこともないですし、やりたいこともないんで、ボクシング、自分のために
やってるんですけど・・・」
「でも、みんなが応援してくれてるのが力になるんで・・・・」
「ありがとうございます」
次の目標について
「10ラウンド、スタミナをつけることです」
「(次の試合については)少し、ゆっくり考えたいです」
発言内容だけ追うと、ネガティブな印象
しかし、本音がそのまま表現されていて、少年のように、とてもピュア
ボクシングへの純粋な愛情がストレートに伝わってくる魅力的なインタビューに
第5試合 OPBFミドル級タイトルマッチ
○王者、佐藤幸治(2回1分54秒TKO)挑戦者、デビッド・コスワラ●
チャンピオン佐藤 幸治(9戦9勝8KO、帝拳ジム)が、挑戦者、OPBF4位、インドネシアの
デビッド・コスワラ(39戦26勝9KO9敗4分け)に、2回1分54秒TKO勝ち
1回から、佐藤は左右のボデイブローで、挑戦者にロープを背負わせ攻勢
2回左ボディからの右フックで、ダウンを奪う
立ち上がったコスワラだが、ダメージからひざが揺れ、足元が定まらずレフェリーストップ
佐藤のTKO勝利
勝った佐藤は、Tシャツを次々に、観客席に投げ入れる
冨樫リングアナも大受け
さらに勝利者インタビューで
「もうひとつのベルトを目指します」
佐藤は、日本ミドル級王者、江口啓二(姫路木下ジム)との二冠戦を目指す決意を明らかに
第4試合 スーパーライト級10回戦 ○亀海喜寛(4回2分55秒TKO)近藤康弘●
日本スーパーライト級9位、帝拳ジムの亀海(5戦5勝5KO)が、角海老宝石ジムの近藤
(16戦10勝5KO4敗2分け)に、4回2分59秒TKO勝ち
亀海は、シャープな左ジャブで距離をはかり、脇をしぼったコンパクトな右ストレートで、
近藤を圧倒
近藤は、亀海の右に、左フックを合わせる戦い方
2回 2分過ぎ 亀海の右クロスが2発
そして、4回2分30秒過ぎ シャープな亀海のワンツーで、近藤、ダウン
なんとか立ち上がる近藤に、一気にパンチをまとめる亀海
ダメージが深いと判断したレフェリーが試合を止めた
なお、3回に、両選手の間に割って入ったククリット・サラサスレフェリーに、近藤の左フック
が誤爆してしまうアクシデント
レフェリーは、ビニー・マーチンに交代
なお、敗れた近藤は、 現役引退を表明
第3試合 50kg契約8回戦 ○五十嵐俊幸(7回1分20秒TKO)岡田正雄●
日本ライトフライ級11位、帝拳ジムの五十嵐(4戦4勝3KO)が、グリーンツダジムの岡田
(20戦8勝3KO9敗3分) に、7回1分20秒TKO勝ち
前に出て、中に入ろうとする右ファイタータイプの岡田
しかし、2回 サウスポーの五十嵐は、カウンターの左ストレートで、ダウンを奪う
その後も、右フック、左ストレート、左右のアッパーで、岡田を攻め立てる五十嵐
岡田は、パンチのダメージで右目が腫れ、ふさがりかけている状態
しかし、4回 偶然のバッティングで、五十嵐の右こめかみが切れる
5回以降も、五十嵐優位のペースは変わらず
7回、五十嵐の攻撃に、防戦一方の岡田の様子を見て、レフェリーが試合を止めた
敗れた岡田は、号泣
第2試合 ウエルター級6回戦 △吉田憲太郎(3回25秒負傷引分)下河原雄大△
ジャパンスポーツジムジムの吉田(10戦5勝4KO5敗)と、角海老宝石ジムの下河原
(12戦6勝1KO5敗1分)の一戦
デトロイトスタイル フリッカージャブを切らさない下河原
2分過ぎ その左ジャブがカウンターで入り、ぐらつく吉田
すかさず、たたみかけて、ワンツー
1回は下河原のラウンド
2回 下河原の右がヒット
ぐらつく吉田
しかし、ラスト10秒 吉田もカウンターの左フック
2回は10-10
そして、3回 偶然のバッティングで、吉田の眉間、カット 流血
ドクターチェック後、この傷が試合続行不可能と判断され、レフェリーが試合をストップ
3回25秒、負傷引分に
第1試合 バンタム級4回戦 ○安沢栄二(3-0判定)高室洋臣●
帝拳ジムの安沢(2勝1KO)が、角海老宝石ジムの高室(2勝1KO1敗)に、3-0の
判定勝ち
( 39-37 40-38 40-37 )
アップライトの構え ワンツー中心のきれいなボクシングの安沢
高室は、低い姿勢から、ボディ狙いで前に
1回 高室、右目上をカット
2回 ラスト20秒、安沢は高室をロープに詰める
3回には、中に入る高室に、カウンターの左フック
最終4回も、安沢は冷静に、高室のボディを攻撃
離れ際の左フックもヒット
勝敗は、判定にゆだねられ、3-0で、安沢の勝ち
クリックいただければ励みになります。人気ブログランキング
こちらもクリックいただければ励みになります。【ブログの殿堂】