第20回A級トーナメント決勝戦 (10.31後楽園ホール) |
第20回A級トーナメント決勝戦
8月29日に行われた準決勝戦を勝ち抜いたライト、フェザー、バンタム、ミニマムの4階級
8人のボクサーが決勝に
東日本ボクシング協会HPより、A級トーナメント表
ライト級決勝は熊野和義(宮田ジム)対日高慎一(尼崎ジム)の8回戦
通算3回目のA級トーナメント挑戦になる熊野は前に出る圧力と旺盛な手数が持ち味
の右ファイター
日高は昨年度B級トーナメントを制した右ボクサーファイター
戦績13勝8KO2敗 23歳
KO率では戦績20勝4KO4敗の熊野にまさる
熊野は日本ライト級10位
日高にとっては、ランカーへの初挑戦
熊野がジムの先輩、内藤大助選手と同じく「3度目の正直」でA級トーナメント優勝を果たす
のか
日高が若さと勢いでB級トーナメントに続き、A級トーナメントも制覇するのか
フェザー級決勝は李冽理(横浜光ジム)対円谷篤史(アベジム)の8回戦
李はアマ55戦47勝25KOの輝かしい戦績を誇る右ボクサーファイター
4月23日 ランカーの竜宮城と対戦するが67-66李 68-67竜 68-67竜
2-1の僅差で敗れたもののランカーにも引けをとらない実力者ぶりをアピール
( この一戦については 過去記事 あります )
円谷は頭を振って前に出て手数を振るう右ファイター
ライト級に続き、ボクサーファイター対ファイターの対決に
バンタム級決勝は山中慎介(帝拳ジム)対白石豊土(協栄ジム)の8回戦
山中はアマ時代、現日本フェザー級王者「高校六冠」粟生隆寛(帝拳ジム)に土をつけたこと
もあるサウスポー
アマ戦績は47戦34勝 プロ戦績はわずかに5戦
4勝2KO1分け
アップライトのスタイルからのワンツー
特に切れのある左ストレートが主武器
白石は日本スーパーフライ級9位 11勝5KO1敗1分け
手数とスタミナで前に出て押し込む右ファイタータイプ
リーチでは山中に劣るが、持ち味の手数と圧力で距離をつぶし連打をまとめたいところ
ランカー初挑戦となるトップアマ山中がA級トーナメント優勝を果たし、ランキングを
獲得するのか
プロのキャリアにまさる白石がランキングを守り、A級トーナメントを制するのか
メインイベントはミニマム級のランカー対決
日本ミニマム級1位の堀川謙一(SFマキジム)対9戦全勝、同級7位の田中教仁(ドリーム
ジム)の一戦
田中は「ボクレポ」注目の好選手
多彩なコンビネーションに優れた防御勘
スタミナにやや課題あり
前の試合はA級トーナメント準決勝
ランカーの熊田和真(オサムジム)を下し決勝に進出した
( この一戦については 過去記事 あります )
1位の堀川はこのままなら来年のチャンピオンカーニバルで現王者黒木(ヤマグチ土浦ジム)
に挑戦できるところ
ランキング維持を目的に外国人ボクサーと対戦する選択もあったにも関わらず
あえて、リスクの高いA級トーナメントに参加
この勇気は賞賛されるべきもの
全勝の田中が一気に日本一位の座を奪い、A級トーナメントを制するのか
田中より5歳年上、キャリアも倍の堀川が全勝の田中に土をつけ、優勝を果たすのか
A級トーナメント決勝4試合の熱闘をレポート
A級トーナメントライト級決勝戦 ○ 熊野和義(8回1分18秒TKO)日高慎一●
日本ライト級10位、宮田ジムの熊野(20勝4KO4敗)が尼崎ジムの日高(13勝8KO2敗)
を8回1分18秒、TKOに下し、A級トーナメント、ライト級優勝
熊野が上下に散らす多彩なパンチと旺盛な手数、前に出る圧力で一貫して日高を
押し込む流れ
熊野はもみ合い、インファイトでの頭の位置の置き方が巧み
日高のアゴの下のあたりに頭をもぐりこませて被弾を防ぐ
同様にインファイトでの肩の使い方も巧み
ショルダーブロックでパンチを防ぎ、肩を押し込んで日高を下がらせる
詰まった距離での攻防は熊野に一日の長
熊野は試合を自分の得意な距離での攻防に持ち込み、ペースを握る
6回日高、鼻血
それでも果敢に打ち返すが熊野の手数、圧力に後退する流れは変わらず
8回 日高 激しい流血
ドクターチェックが入って、レフェリーストップ
熊野のTKO勝ち
自身3度目のA級トーナメント挑戦で優勝を果たす
A級トーナメントフェザー級決勝戦 ○ 李冽理(6回1分47秒TKO)円谷篤史●
横浜光ジムの李(7勝4KO1敗1分け)が、アベジムの円谷(12勝6KO5敗1分け)に
6回1分47秒TKO勝ち。
A級トーナメントフェザー級優勝
右ボクサーファイターの李に、右ファイターの円谷
頭を振って、距離を詰め、中に入る円谷
しかし、李はバックステップ、サイドステップで円谷のプレスをいなし、有効打を集める
足を使って、距離をとるアウトボクシングにも巧みな李
さばかれ続ける円谷
6回、李の右アッパーがクリーンヒット
さらに、李の右が決まり、ロープにふらつく円谷
スタンディングダウンが宣告されるが、カウント途中、円谷のダメージが深いと判断した
レフェリーが試合を止めた
勝った李は喜びのあまり、「バック転」を披露
A級トーナメント バンタム級決勝戦 ○ 山中慎介(2-0判定)白石豊土●
帝拳ジムの山中(4勝2KO1分け)が、日本スーパーフライ級9位、協栄ジムの白石
(11勝5KO1敗1分け)を2-0 の判定に下し、A級トーナメントバンタム級優勝
サウスポーの山中はワンツーを中心とした攻め
リーチに劣る白石は距離を詰めて中に入ろうとするが、山中はクリンチで距離をつぶす
有効打では山中がまさるが、攻めが左の一発に頼りすぎていて単調
引き出しの数に乏しく「左」に慣れてきた白石は後半、盛り返す
左をはずし、中に入ってのショートの連打
5回 山中、偶然のバッティングで左目上をカット
山中にスタミナ消耗の兆候
6回以降、両選手、距離が合わず、もみ合い、クリンチの連続
前半、劣勢の白石が後半にかけて手数とスタミナで挽回する流れ
ただし、白石も有効打は少なく山中の優位は崩せず
試合終了
勝敗は判定にゆだねられ、77-77 78-76 79-75
2-0で山中の勝ち
A級トーナメント ミニマム級決勝戦 ○ 堀川謙一(2-1判定)田中教仁●
日本ミニマム級1位、SFマキジムの堀川(14勝4KO5敗1分け)が日本ミニマム級7位
ドリームジムの田中(9勝4KO)に2-1の判定勝ち
A級トーナメントミニマム級優勝
さらに今大会のMVPも獲得
思い切った踏み込みからの攻めで距離を詰めたい田中
リーチにまさる堀川はふところが深い
特にバックステップ、サイドステップが巧み
田中が攻めても距離を作られ、いなされてしまう
堀川は打ち込むや、すぐに頭を振り、立ち位置を変える
田中に攻め入る隙を与えない
有効打で、6回まで堀川優位
7回 8回は、あえて堀川が田中の距離に入ってみせた印象
足を止めての打ち合いに
この打ち合いでは田中がややまさる
しかし、あえて安全策をとらず、最後に打ち合ってみせる堀川のハートはまさにプロ向き
最終8回 打撃戦の中、堀川にホールドで減点1
勝敗は判定にゆだねられ、78-77田中 77-76堀川 78-75堀川
2-1で堀川が勝ち、A級トーナメントミニマム級優勝
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