アグレッシブな「ニュー粟生」上野を下しV2達成!(11.3後楽園ホール) |
第426回ダイナミックグローブ 帝拳プロモーション主催
見どころはなんといってもメイン
日本フェザー級タイトルマッチ
王者、粟生隆寛(帝拳ジム)対挑戦者、上野則之(ワタナベジム)
日本ボクシング界のスーパースター
粟生選手の過去記事
2006年11月13日 ガブリエル・ペレス戦
2007年3月2日 日本フェザー級タイトルマッチ 梅津宏治戦直前情報
2007年3月3日 日本フェザー級タイトルマッチ 梅津宏治戦
2007年6月22日 「ビータイトラジオ」ゲストに登場
2007年7月7日 日本フェザー級タイトルマッチ 秋葉慶介戦
左ストレートでカウンターをとるセンス
ハンドスピード、バランス、防御勘はたしかに一流
しかし、現時点で完璧に完成されたボクサーとはいえない、というのが私の見解
発展途上にあるチャンピオン
まだまだ「のびしろ」があるということ
3月3日の梅津戦、7月7日の秋葉戦
いずれも判定勝利
ただし粟生選手本人は試合内容に納得がいかない様子
たしかに過去2戦の日本タイトルマッチ
盛り上がりを欠く内容に
その要因として多くの指摘が集まったポイントは、距離が詰まったり、打ち合いに移行しそう
な場面でクリンチを多用する王者、粟生選手の戦い方
最後まで、倒して勝とうという「アグレッシブな姿勢」が見えない、という厳しい声も
今回のタイトルマッチを前に粟生選手
マニー・パッキャオ戦を控えたマルコ・アントニオ・バレラのキャンプに合流
「チームバレラ」入りを果たし80ラウンドにもおよぶスパーリングを敢行
バレラサイドは粟生選手に「パッキャオのように強引にラッシュする」スタイルでのスパー
リングを求める
「アグレッシブ」な姿勢に欠けるという指摘がなされる粟生選手にとって、自分のボクシング
をさらに磨きあげる絶好の好機
現在WBAでは4位、WBCでは8位にランクされている粟生選手
来年には世界戦の可能性も
約1ヶ月に及ぶ「バレラキャンプ」を経て迎える2度目の日本王座防衛戦
バレラキャンプの成果を発揮
ファンを満足させ、また自身も納得できるボクシングができるかどうか
他方、挑戦者、上野則之選手(ワタナベジム)は日本フェザー級7位
戦績19戦9勝3KO7敗3分け 25歳
ただし、この7敗はすべて4回戦時代のもの
さらにうち6敗はワタナベジム移籍前に喫したもの
全日本パブリックジムからワタナベジムに移籍以後は7勝1敗2分け
2007年5月22日 ランカーの阿部元一(ヨネクラジム)を2-0で下しランク入り
9月26日 事実上の次期日本王座挑戦者決定戦で池田光正(角海老宝石ジム)に8回
TKO勝ち
日本王座挑戦のチャンスを手中に
(この一戦は 過去記事 あります )
世界を見据えたチャンピオン粟生隆寛が「バレラキャンプ」の成果を生かし2度目の防衛を
果たすのか
勢いに乗る「雑草」上野がビッグアップセット(大番狂わせ)をもたらすのか
さらにセミには14戦14勝14KO アマ戦績69勝1敗
WBAミニマム級1位
ニカラグアの怪物ローマン・ゴンザレスが登場
WBA同級5位、エリベルト・ゲホン(フィリピン)と世界ランカー対決
全7試合 ダイナミックグローブの熱闘をレポート
メインイベント 日本フェザー級タイトルマッチ10回戦
○王者、粟生隆寛(3-0判定)挑戦者、上野則之○
日本フェザー級チャンピオン、帝拳ジムの粟生(15勝8KO)が挑戦者日本フェザー級
7位、ワタナベジムの上野(9勝3KO7敗2分け)に3-0の判定勝ち
2度目の防衛に成功
公式のスコアは99-94 99-93 98-93
1回から4回までは完璧な王者、粟生のペース
右リードジャブを切らさず
距離を測って、鋭い左ストレート
さらにアッパーを織り交ぜたコンビネーション
バレラとの合宿の成果か
挑戦者、上野はガードをしっかり固めて距離を詰め
王者の左に合わせて左フックのカウンターを狙う構え
しかし、単発で手数不足
5回 上野のいきなりの右がカウンターでクリーンヒット
この回はこの有効打を評価して上野のラウンド
公式のジャッジは一人が上野10-9
残り二名は10-10
6回 7回 両選手、激しい主導権争い
上野の左フック、右ストレート
粟生の左右のアッパー、左ストレート
しかし、手数、有効打では粟生がまさる
8回 ポイントでは圧倒的に優位にある王者が一気に攻勢
強い左がヒット
しかし上野も打たれ強い
9回 王者、ボディ攻撃に重点
最終10回 判定では不利と自覚してか上野、前に出て手数
王者、粟生はクリンチで対抗せず
正面から受けて立ち、手数を振るう
ラスト10秒 両選手、白熱の打ち合い
試合終了
場内、割れんばかりの拍手
勝敗は判定にゆだねられ
99-94 99-93 98-93 3-0で粟生の勝ち
2度目の防衛に成功
「また、という感じです。すいません」
リング上での勝利者インタビュー
王者粟生の第一声
「KOで勝って、楽しんで帰ってもらいたいと思っているのですが・・」
「(バレラとの)合宿の成果を良い形であらわせると思っていたのに力不足でした」
今後の抱負
「ひとつひとつを勝って、上に行きたいと思います」
「次こそは倒したい。倒します」
「本当にいつも(KO勝利が)持ち越し、持ち越しですみません。次はみなさんに気持ちよく
帰ってもらえるように頑張ります」
KOで勝てなかったことがよほど不本意だったのか
反省しきりのチャンピオン
しかし、私の眼にはこの日の粟生選手、とてもアグレッシブで勇敢
過去2戦のタイトルマッチに比べ、明らかに強くなっていると感じられた
課題とされた右リードもよく出ていたし
バレラとのキャンプで学んできたのものか
アッパーを交えた新しいコンビネーションを披露
攻撃にさらに幅と厚みが加わった
またポイントで優位にあってもクリンチで逃げようとせず
詰められても最後まで果敢に打ち合う姿勢を貫いた
真面目で努力家
資質に恵まれ、向上心も強く、何よりボクシングを深く愛している粟生選手
「のびしろ」は無限
これからも更に強くなっていくはず
次戦は、2008年4月5日 角海老宝石ジムの榎洋之選手の持つOPBFフェザー級王座
への挑戦が濃厚
セミファイナル 48.9キロ契約10回戦
○ローマン・ゴンザレス(1回1分9秒KO)エリベルト・ゲホン●
WBAミニマム級1位 14戦14勝14KO
ニカラグアの怪物 ローマン・ゴンザレス(ニカラグア帝拳)がWBA同級5位、エリベルト・
ゲホン(23勝14KO2敗1分け)を1回1分9秒、キャンバスに這わせ戦慄の日本デビュー
を果たす
ふところの深いゲホンに対し、ガードを固め左を突いて中に
距離を詰めて、しっかりと打ち抜きの利いたブローを上下に
フィニッシュは、左のダブル
左アッパーでアゴを
さらに左ボディアッパーがレバーにヒット
キャンバスに倒れこんだゲホンは悶絶
「あれは完全に急所に入っていたな」
この日、この一戦を会場で見ていた角海老宝石ジム田中トレーナーの感想
敗れたゲホンは現WBAミニマム級王者、新井田豊(横浜光ジム)と世界戦の舞台で2度の
対戦経験
一度目は2005年9月25日 僅差の判定負け
二度目は2007年9月1日 大差の判定負け
ただし4回、左の肩を痛めるアクシデントがあり、ほとんど左を打てないまま戦わざる
を得なくなってしまっていたという事情あり
現世界王者新井田が2度戦いいずれもKOはできなかった相手
そのゲホンを1回69秒、あっさりキャンバスに這わせてみせたゴンザレス
新井田危うし?
第5試合 ウエルター級8回戦 ○中川大資(3回2分41秒TKO)池田好治●
日本スーパーウエルター6位、宮田ジムの池田(10勝8KO5敗)と、ノーランカー、帝拳
ジムの中川(9勝6KO2敗1分け)の一戦
サウスポーの池田は元キックボクサー
ランカー初挑戦の中川はリーチを生かしたワンツー
池田が入ってくると右アッパー
2回2分半過ぎ シャープな右がヒット
池田、ダウン
3回 距離を詰めて攻勢の中川
池田が下がったところ右がヒット
池田ダウン
立ち上がった池田だがダメージは深い
手数をまとめる中川
池田陣営セコンドからタオル投入
3回2分41秒、中川が池田を下しランク入りを確実に
第4試合 50キロ契約6回戦 ○木村悠(3-0判定)廣瀬健太●
元全日本アマ王者、帝拳ジムの木村(2勝1KO1分け)がフジタジムの廣瀬(7勝3KO1敗
2分け)に3-0の判定勝ち
( 59-57 59-56 60-55 )
木村の防御技術は素晴らしいの一言
ステップワーク ボデイワーク
パーリング ストッピング
廣瀬のパンチはほとんど当たらない
有効打にまさる木村が完勝
3-0の判定勝利
第3試合 フェザー級6回戦 ○寺澤俊治(2-0判定)簗瀬亘●
横浜さくらジムの寺澤(3勝1KO3敗3分け)が、JBスポーツジムの簗瀬(4勝7敗1分け)
に2-0の判定勝ち
( 58-57 58-56 58-58 )
2回までは寺澤のペース
頭を振りながら、ステップワークを駆使
打っては離れのアウトボクシングでポイントアウト
3回から距離を詰めてプレスの簗瀬
近い距離での打ち合い
互角の展開
5回 6回は簗瀬のラウンド
足を止めての打ち合いでは簗瀬が優位
試合終了
勝敗は判定にゆだねられ2-0で寺澤の勝ち
第2試合 ウエルター級4回戦 ○カルロス・リナレス(1回38秒KO)金在珍●
WBCフェザー級王者、ホルヘ・リナレスの実弟カルロス・リナレス(1勝1KO)が韓国ウエル
ター級7位、金在珍(1勝1KO2敗2分け)に1回38秒KO勝ち
開始早々、リナレスはコーナーに詰めて連打
右ボデイで金、ダウン
そのままテンカウント
カルロス・リナレスが豪快なKO勝利を飾る
第1試合 ライトフライ級4回戦 ○前澤典明(1回2分42秒TKO)猿渡裕之●
帝拳ジムの前澤(2勝2敗)が沼田ジムの猿渡(2勝2KO3敗)に1回TKO勝ち
ゴング直後 ラッシュの前澤
右がヒットし猿渡ダウン
立ち上がるも前澤、さらにラッシュ
右ストレートが入った場面、レフェリーが試合を止めた
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