第64回東日本新人王決勝戦 (11.4後楽園ホール) |
「第64回東日本新人王決勝戦」
ミニマムからミドルまで全12階級 255人のプロボクサーが参加した東日本新人王
トーナメント
その頂点がこの日決定
勝者は12月22日 後楽園ホールで行われる全日本新人王決勝戦に進出
西日本の代表と日本一の座を賭けて拳を交える
ミニマム級決勝5回戦 △島崎博文(三者三様ドロー、優勢点島崎)櫛部好充△
帝拳ジムの島崎(5勝1KO3敗)と協栄ジムの櫛部(6勝1KO3敗)の決勝戦
2回までは櫛部のペース
サウスポースタイル 頭から低い姿勢で前に
足を使って出入りを利かせ、中に入っての左ストレートから右フックの返し
手数でリード
2回2分過ぎ 櫛部の右フックでバランスを崩す島崎
島崎は後手に回る展開
入ってくる櫛部に右を打つが単発
ただし、櫛部のパンチを受けても下がらずに前に
両選手とも距離が合わず、くっついての押し合い、もみ合いの場面が目立つ
3回から展開に変化
この回離れ際に島崎の右がヒット
押し合い、もみ合いの中 櫛部が押し負けて下がらされる流れ
接近戦での攻防ではパワーにまさる島崎が優位に
最終5回 島崎は入ってくる櫛部にアッパーで迎撃
有効打を積み重ねる
試合終了
私は2回まで櫛部 3回から5回は島崎
ジャッジの採点は48-47島崎 48-47櫛部 48-48ドロー
三者三様のドローながら優勢点は接近戦で相手を下がらせていた島崎に
島崎がミニマム級東日本新人王に
島崎選手のコメント
「(12月22日の全日本決勝は)負けたら意味がない。絶対に勝ちます」
ライトフライ級決勝4回戦 ○田口良一(3-0判定)高島昌良●
ワタナベジム期待の田口(5勝2KO)と横浜光ジム、高島(3勝1KO1敗)の決勝戦
田口はパンチが強い
しっかりと足腰の回転を生かした体重の乗ったパンチ
上下の打ち分けも素晴らしくボディブローは強烈
田口優位の展開
高島は打たれ強く田口の強打に耐えダウンを許さない
ただ、反撃のパンチがオープン気味で威力に欠く
最終4回は田口も打ち疲れ
ほぼ互角
試合終了
勝敗は判定にゆだねられ39-38 39-37 40-37
3-0で田口の勝ち
田口がライトフライ級東日本新人王に
田口選手のコメント
「信じられません。いつもボディを打て、と教えられていてこれを忠実に守りました。
声援がパワーになりました」
フライ級決勝5回戦 ○林徹磨(2-1判定)越知俊光●
セレスジムの林(5勝)とT&Tジム、越知(5勝3KO2敗1分け)の決勝戦
前に出る林に対し、越知は下がりながらカウンターの右ストレート
林の前進をたくみにさばく形
しかし3回 強引に距離を詰めてくる林のアッパーが越知にヒット
越知のカウンターの右を封じるためか
林は合わされ安い左ジャブからの攻撃ではなく
越知から見てやや左サイドに立ち位置をとりいきなりの右から攻撃を組み立て
またえらが張り、がっしりとしたあごを持つ林は打たれ強い
越知のパンチを浴びてもひるまずに前に出て距離をつぶし攻勢
3回から最終5回までは林のペースか
試合終了
勝敗は判定にゆだねられ 48-47越知 49-48林 49-47林
2-1で林の勝ち
若干19才 無敗の林がフライ級東日本新人王に
林選手のコメント
「とりたかったのでうれしいです。会長に感謝しています。絶対に負けないよう練習して
がんばります(涙声)」
スーパーフライ級決勝5回戦 ○古川高広(3-0判定)船井龍一●
協栄ジムの古川(6勝1分け)とワタナベジム、船井(6勝3KO2敗)の決勝戦
「打っては動く」変幻自在のボクサータイプ古川にハードパンチャー船井
古川は左を下げたスタイル
打ち終わり、頭を動かし的を絞らせない
柔軟なボディワーク
防御勘もよい
左をフェイントに思い切った右オーバーハンド
連打で攻めては一転バックステップ
常に動きつづけるボクシングでペースを握る
船井は強打に頼りすぎ
「狙いすぎ」で手数に乏しく動きが固い
後手に回らされる形
3回から古川の戦い方に変化
「出入り」から近い距離での打ち合いへ
クロスレンジの攻防になり、船井もようやく手数
ただ有効打は古川がまさる
最終5回ラスト3秒
ここまで試合を優位に進めてきた古川に船井の右フックがクリーンヒット
ぐらつく古川
一気に攻め込もうとした船井だがここで試合終了のゴング
キャンバスに膝をつき悔しがる船井
勝敗は判定にゆだねられ 48-47 48-46 49-47
3-0で古川の勝ち
古川がスーパーフライ級東日本新人王に
古川選手のコメント
「(最終5回のピンチについて)マジであぶなかったです。全日本新人王をとりたいです。
応援、よろしくおねがいします」
バンタム級決勝5回戦 ○太田裕二(1回2分43秒KO)久保裕樹●
ヨネクラジムの太田(4勝2KO1敗)と横浜さくらジム、久保(5勝1KO1敗1分け)の一戦
左ファイタータイプの久保は開始早々ラッシュ
アウトサイドから大振りの左右のフック
太田は冷静にインサイドから右、返しの左フック
打ち合いの中、開始40秒過ぎ 大田の左フックで久保ダウン
立ち上がる久保は果敢に手数
ただ全てのパンチが大振り
ガードもがら空き
2分半過ぎ 太田の左フックがヒット
久保の腰が落ちかけ、レフェリーがダウンを宣告
太田が1回2分43秒KO勝ち
バンタム級東日本新人王に
太田選手のコメント
「(12月22日の全日本決勝について)絶対に勝ちます。それだけです」
スーパーバンタム級決勝5回戦 ○古口学(3-0判定)大竹秀典●
古口ジムの古口(6勝3KO)と金子ジムの「ラストサムライ」大竹(6勝1KO2分け)の
「無敗対決」となった決勝戦
昨年の東日本準優勝、右ファイタータイプの大竹は左を突きつつプレス
しかし、古口は大竹の攻勢をたくみにさばいてみせる
フットワークを使い、立ち位置を頻繁に変えて出入り
ボディワークで大竹のパンチを空転
さらに連打の回転を利かせ手数の差でポイントアウト
4回まで古口のペース
最終5回「ラストサムライ」大竹、ポイントの不利を自覚してか果敢に前に
ラスト30秒、両選手、激しい打ち合い
試合終了
勝敗は判定に
49-48 49-47 50-46 3-0で古口の勝ち
古口がファイター大竹のプレスをみごとにさばき切ってスーパーバンタム級東日本
新人王に輝く
父君、古口ジム古口会長は涙
古口選手のコメント
「必ず全日本をとりますので応援よろしくおねがいします」
フェザー級決勝5回戦 ○関本翔太(3-0判定)古川暁●
勝又ジムの左ファイター関本(7勝3KO2敗)とドリームジムの右ファイター、
古川(7勝4KO1敗1分け)の「ファイター対決」となった決勝戦
1回 いきなり波乱
ゴングが鳴るや前に出て手数を振るいラッシュの関本
ロープに詰められる古川に関本の左がヒット
古川、ダウン
立ち上がった古川に一気に攻め込む関本
しかし今度は一転
古川のカウンターの左フックがヒット
関本ダウン
ダウンの応酬
2回以降 両選手、激しい打ち合い
関本の前進はやまず
迎え撃つ古川も後ろに引かず クリンチに頼らない
古川のヒットも多いのだが、関本は打たれても前に
がむしゃらに前進し連打を振るう関本
古川は攻防分離の傾向
打たれるとガード一辺倒になってしまい勝ちで見栄えが悪い
手数負け、の印象
試合終了
ゴングが鳴るや倒れこむ関本
すべてを「出し切った」全力ファイトの証し
勝敗は判定にゆだねられ 48-47 50-47 50-47
3-0で関本の勝ち
白熱の打撃戦を制した関本がフェザー級東日本新人王に
関本選手のコメント
「自分は不器用なので前に行くしかありません。ありがとうございました」
スーパーフェザー級決勝5回戦 ○川本日明(2-0判定)丸山伸雄●
アマ29戦25勝、金子ジムの川本(5勝3KO1敗1分け)と八王子中屋ジム、丸山
(7勝1KO1敗)の決勝戦
川本はアマ強豪の右ファイター
丸山はリーチにめぐまれたふところの深い左ボクサー
1回はリードを突き合い様子見の両選手
2回 丸山の右フックに左フックを合わせる川本
丸山、ダウン
しかしこのダウンで固さがほぐれてきたのか丸山、反撃
右フックが次々に決まる
3回はダウンをとられたはずの丸山が優位に
右フック、左ストレート
4回もペースは丸山
最終5回 ラスト30秒 クロスレンジでの激しい打ち合い
この距離では川本が有利で丸山をぐらつかせる
試合終了
48-46 48-47 47-47
2-0で川本の勝ち
先制のダウンを喫した川本が丸山の猛追を振り切ってスーパーフェザー級
東日本新人王に
川本選手のコメント
「悔いがないよう精一杯やりました。(全日本決勝では)今日と同じく精一杯自分の力を出し
ますので応援よろしくおねがいします」
ライト級決勝5回戦 ○近藤明広(2回1分20秒KO)高田茂●
アマ43戦30勝、日東ジムの近藤(5勝3KO1敗)とマナベジムのサウスポー、高田
(5勝2KO3敗)の決勝戦
1回 リーチにまさる高田に対し、近藤、ステップインからの右がヒット
高田のパンチはたくみにディフェンス
2回 高田の前進に近藤カウンターの右ショート
高田ダウン
立ち上がる高田にラッシュの近藤
伸びのある右で再度のダウンを奪いKO勝ち
近藤がライト級東日本新人王に
近藤選手のコメント
「無理に突っ込まず自分のボクシングをやりました。(全日本決勝では)しっかり右を当てて
倒したいです。次も頑張ります」
スーパーライト級決勝5回戦 ○迫田大治(2-0判定)鈴木裕輔●
8戦無敗、新日本木村ジムの鈴木(7勝3Ko1分け)とハードパンチャー、横田スポーツジム
の迫田(6勝5KO1敗)の決勝戦
迫田は「ボクレポ」注目の「個性派」ボクサー
サウスポーのファイタータイプ
正直、ボクシングはメチャクチャ
アゴは上がる 足はそろう ガードもがら空き
しかしパンチ力も含めた体力
パワーとスタミナでここまで勝ち上がってきた
決勝の相手は8戦無敗 実力者の鈴木
1回は迫田の圧力勝ち
そうスピードは感じさせないパンチなのだが威力は強烈
しかも連打で出てくる
鈴木は迫田のパンチの強さに戸惑っている印象
しかし、鈴木のガードもみごとでまともにもらっているパンチは少ない
2回 迫田の左アッパーに鈴木がシャープな右
この一発が迫田のアゴを打ち抜きダウン
これで決まったかと思われたが、立ち上がってくる迫田
おそいかかる鈴木だが迫田の反撃のパンチ
3回 迫田が手数をふるって前進
迎え撃つ鈴木だが迫田の圧力の前にガードを固めて防戦一方
カウンターで鈴木のパンチもかなり入ってはいるのだが迫田は打たれ強い
そのまま何事もなかったかのように前進、前進
4回 そして最終5回も展開は変わらず
迫田の圧力勝ち 手数勝ち
ただし冷静に被弾数を数えると見た目ほど鈴木はパンチをもらっていない
ガードを固め迫田のパンチの多くををブロックしてはいるのだが迫田の圧力が強く
防戦一方になり見栄えが悪い
試合終了
勝敗は判定に
48-46 48-47 47-47 2-0で迫田の勝ち
「人間離れ」したといっても過言ではないタフネスぶりを発揮した迫田がダウンを挽回
スーパーライト級東日本新人王に
全日本決勝では西軍のMVP、最注目の丸木ジム、丸木和也(9勝7KO)と激突
このムチャクチャな自己流ボクシングで、よもや丸木をも食ってしまうとは思えないのだが?
迫田選手のコメント
「ガードとか練習もしないといけないです。気持ちの強さでは誰にも負けません」
ウエルター級決勝5回戦
△岳たかはし(1回2分23秒負傷引き分け、優勢点は岳)山崎佑樹△
アマ19戦15勝の実績を誇るJBスポーツジムの山崎(5勝1敗)と新田ジム、岳
(6勝3KO1敗)の決勝戦
1回 2分過ぎ 偶然のバッティングで山崎、流血
試合中断
再開されるがまたもやバッティング
試合中止
負傷引き分け
しかし規定により優勢点をつけなければならない
優勢点は山崎 岳 そして岳
2-1で岳
岳が東日本ウエルター級新人王
ミドル級決勝5回戦 ○橋本兵馬(3-0判定)高野悠一郎●
三迫ジムの橋本(4勝1KO1分け)と横田スポーツジムの高野(5勝3KO1敗1分け)
の決勝戦
トリッキーといえば聞えはいいが高野はやりたい放題
カメハメハのポーズ
野球の投球フォームをまねしたパンチ
ここまでふざけた試合態度ではジャッジの印象もマイナス
対する橋本
ステップインからの左フックは見るべきものが
ただ「ハート」が弱い印象
試合運びがあまりにも慎重
両選手ともに決め手を欠いたまま試合終了
49-48 50-46 50-46
3-0で橋本の勝ち
橋本が東日本ミドル級新人王に
私の採点は49-48で橋本
50-46はないと思えた
高野も意外に当てていたのでは・・・
橋本選手のコメント
「(全日本決勝では)向こうも相当に練習してくると思います。負けないように練習してKO
で勝ちたいと思います」
終わりに
三賞
MVP 近藤明広(日東ジム)
敢闘賞 古口学(古口ジム)
技能賞 太田裕二(ヨネクラジム)
最後に「ボクレポ」三賞、および各賞を独断と偏見で
MVP 近藤明広(日東ジム)・・・・文句なし
敢闘賞 関本純太(勝又ジム)・・・すべてを出し切った全力ファイト。お疲れ様!
(ヨネクラの太田選手も頑張った。あと横田スポーツの迫田選手も敢闘したけど
試合内容も考慮して関本選手に)
技能賞 古口学(古口ジム)・・・大竹を完璧にさばき切った。上手いっす!上手すぎるっす!
(協栄ジムの古川選手も上手かったけど、ラストに大ポカしたので落選)
ベストバウト賞 関本対古川・・・・両選手に拍手。古川選手はまともにつきあいすぎた
パンチ強い賞 田口良一(ワタナベジム)・・・・ライトフライとは思えない迫力
タフネス賞 迫田大治(横田スポーツ)・・・日本人離れというか人間離れした打たれ強さ
かわいそうで賞(またはふんだりけったり賞) 山崎佑樹(JBスポーツ)・・・流血の上消化不良
のわけのわからぬ試合結果 まさにふんだりけったり 同情を禁じえません
ブービー賞 高野悠一郎(横田スポーツ)・・・もっとまじめに生きましょうよ
KY章 高野悠一郎(横田スポーツ)・・・会場の冷え切った空気をますます冷やすのは
やめましょう トリを務めているという自覚を持ってまじめにボクシングしましょうよ
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