リング禍防止のための提案 |
抜本的改正を
従来はリング禍防止策としてJBCルールの運用法の改善
で対処してきた。
しかしリング禍は防止できない
そこでルールの運用改善ではなくルール自体の抜本的な改正
を検討すべき
②解決すべきジレンマ
今後の「ルール改正」の在り方として
最優先されるべきは安全性をできる限り高めることでなければ
ならない
しかしながら同時にボクシングの格闘技としての魅力をできる
かぎり損なわないようなものにしなければならない
この二つの課題は相矛盾するものと見られがち
つまり安全性を高めるとボクシングの持つ格闘技としての魅力が
減退すると考えられている
「安全性」と「格闘技としての魅力」のジレンマ
あるべき「ルール改正」はこのジレンマを認識しその解決を提案
するものでなければならない
③ルール改正提案
そこで以下の二つのルール改正を提案
1)グローブを小さく
2)ラウンド数を短く
リング禍は圧倒的に
単発の強い衝撃が脳に加わることによって生じる脳震盪、脳挫傷
によって引き起こされるよりは
脳震盪による意識喪失には至らない衝撃の連続、つまりダメージ
の蓄積によって引き起こされている
そこで
1)グローブを小さく
2)ラウンド数を短く
以上2点のルール改正を提案したい
まずグローブを小さくすることで
脳震盪による一時的な意識喪失により決着がつく試合
つまりKO決着を増やすことができる
このほうが全体として選手の脳に加わるダメージは少なくてすむ
キックの衝撃力はパンチの衝撃力に勝る
ところがキックボクシングの試合におけるリング禍はボクシングに
比べて少ない
キックはパンチに比べて衝撃力が強く、衝撃が脳に加わった場合、
脳震盪による意識喪失がより容易に引き起こされる
KO決着で試合が終わることが多くなる
逆説的に思われるかもしれないがこのことがかえってリング禍の
発生を防いでいる面がある
つまり
KO決着が起こりやすい方向にボクシングのルールを改正する
とはリング渦の発生を防ぎ、競技の安全性を高めることにつな
がる
しかもKO決着の増加はボクシングの格闘技としての魅力をより高める
②に指摘した「安全性」と「格闘技としての魅力」のジレンマを
解決する方策でもある
またグローブを小さくすることで
パンチを受けた選手の裂傷、出血、によるドクターストップ
が増えることも予想される
過度なダメージの蓄積よりは安全性が高まる
またラウンド数を短くすることで
ダメージの蓄積を防ぐことも重要だ
④「ボクサー心得」の制定と「ジムの選手の健康管理についての
自主規制ガイドライン」制定の提案
さらに競技の安全性を高めるために
JBC主導の下に
「ボクサー心得」と
「ジムの選手の健康管理についての自主規制ガイドライン」
以上二つの制定を提案したい
「ボクサー心得」には
リング禍防止のためにボクサーが心得るべき項目を列記する
禁酒、禁煙 平素の体重管理、健康管理の重要性などなど
「ジムの選手の健康管理についての自主規制ガイドライン」には
ジムが所属する選手の健康を管理するために指導するべき項目
を列記する
選手の健康管理、ジムの指導方針についてJBCが強制力を伴う
「ルール」を制定することは望ましくない
だからといって選手やジムの自主性にのみゆだねて何の有効な
方策も打ち出さないで状況を放置しておくことは
ボクシングという競技の統括団体として問題がある
そこで強制力は伴わないが遵守するべき「努力目標」的な
ガイドラインをJBCが制定するように提案したい
ただし、万一、このガイドラインに明らかに逸脱する選手やジム
があった場合
ガイドラインを遵守するようにJBCが「勧告」する権利は
担保されるべきと思う
関係者の前向きな検討を切望したい